アルバム巡り番外編VOL.1によせて | 矢野絢子オフィシャルブログ「矢野絢子の生態系観察所(仮)」Powered by アメブロ

アルバム巡り番外編VOL.1によせて

●氷の世界 2005年1月Release
ユニバーサル・シグマ・アイランド

サウンドプロデュース 門倉聡
アコースティックギター 小倉博和
ベース 渡辺等
パーカッション 三沢またろう
ヴァイオリン 嶋崎史香

イラスト 中村覚

撮影 大東冷蔵


1973リリースの井上陽水さんのモンスターアルバム「氷の世界」のカバー。
矢野絢子1st「ナイルの一滴」の次に出した3枚目のシングル。

当時私の楽曲は200曲を越していて、余裕で「次何出す?」とみんなで会議していた時、レーベルヘッドが「曲めちゃくちゃあるのにあえてカバーって面白くない?」といってリリースした記憶。
事務所の下河辺社長はブツブツ文句を言っていたようなww
プロデューサーはナイルの一滴と同じ門倉さん。いつも遅刻してきて、一瞬で譜面書いてみんなに指示して、ピアノがバリバリ上手で、レコード会社の人に厳しくてミュージシャンにはとても優しい、左右の靴下が全然違う天才。
ユニバーサルからリリースした作品は「窓の日」以外ぜんぶ門倉さんが担当してくれた。
なので参加してくれたミュージシャンたちも門倉さんチームの達人ばかり。演奏がとても楽しくいつも一瞬で終わった。
イントロのピアノがどうしても弾けないから「門倉さん弾いてよううう」と泣きついて、イントロだけ弾いてもらった。
氷の世界のアレンジはめちゃくちゃカッコいいな。シマフミの狂気的なヴァイオリンも素晴らしい。

ミュージックビデオがあって、ユニバーサルの本社の1室で撮影した。
この監督も相当面白い監督で「一人の歌」のミュージックビデオも同じ監督。
こちら☟

 

 



ジャケットは高知の大東冷蔵さんという会社の氷の保管庫をお借りして撮影。
身体中にホッカイロを張り付けて、長時間の撮影は無理なので何回も外に出て暖を取りながら凍死しないように撮影した。
なので顔がマジでキレている。


リリース後ライヴで高知に来ていた井上陽水さんに挨拶しにいき、彼のアルバムではなく自分のCDにサインしてもらったの宝物。

「生まれ変わるなら何になりたいですか?」と陽水さんに質問したら「民族のお面」と言っていた。






●浅き夢 2005年4月Release
ユニバーサル・シグマ・アイランド

サウンドプロデュース 門倉聡
ベース渡辺等
ドラムス 赤間慎
ギター小倉博和
ヴァイオリン嶋崎史香
アコーディオン水野弘文
和太鼓パーカッション 大石真理恵
三味線 塚原勝利
ストリングス 篠崎正嗣


「氷の世界」のすぐ後にリリースしたコンセプトミニアルバム。
当時から私は「ジウニツキのウタ」のようにテーマごとに楽曲を分けてライヴをしており、
メジャーの世界で、ひとつの側面だけをピックアップされることがすごく嫌で、色んな世界観の楽曲を提示したいという希望があり「和」をコンセプトに作った。

「かくれんぼ」以外は1曲につき、私のピアノとうたにゲストミュージシャンに一人入ってもらって作った。
三味線やアコーディオン、和太鼓との演奏にワクワクしながらレコーディングした。


撮影は高知の竹林寺。超ロングヘアのウィッグを装着して私に合わせてお寺の一室でザクザクヘアカットしてゆくヘアメイクの人に恐れおののいた。
衣装は友人が着物の生地をワンピースに仕立て直してくれたもので、気に入ってよくライヴでも着ていた。

ユニバーサルがお金を湯水のように出してくれたのがこのアルバムまでで、CDがあまりにも売れないので予算カット。
次の「窓の日」が歌小屋での制作になったわけである。




●おるき 2006年8月Release
歌小屋の2階メッソ記録

「星に名前を」選考委員会 高知新聞社
関勉 山本一力 円谷一夫 中平雅彦 矢野絢子

アコースティックギター 池マサト・外山政輝
ベース 川ちゃん 
ヴァイオリン嶋崎史香 
ドラムス雨ンBOW
コーラス 大久保和花 いしだきぬよ 雑魚一匹ジャコバン西田 丸山良太 黒野菜々子 ネリ


高知新聞社の企画「星に名前を」でコメットハンター関努さんが発見した星の名前を一般公募した。(星って見つけた人が名前つけれるらしい)
その際の選考委員のメンバーの一人に抜擢され、歴史小説家の山本さんや、ウルトラマン事務所の円谷さんらと一緒に、集まったたくさんの名前からいいなと思うのを選んだ。
最終的に私が選んだ「おるき」に決定。(土佐べんで「居るよ」という意味)
高知新聞社さんが「なんか曲つくってよ」というので「いいよ」と作った曲をシングルとして歌小屋からリリース。

ピアノ弾き語りバージョンと、歌小屋のメンバーでとったバージョンの2つが収録されている。
みんなでとったバージョンを久々にきいて「少年少女合唱団」みたいで面白いなと思った。

みんな若いねえええ。。。。遠い目。

ジャケットは私が描いたイラスト。なんかこわい。





●7インチレコード「最後の約束/リアル」

2014年10月Release
生きててよかったレーベル

A面 最後の約束 サウンドプロデュース さいとうりょうじ
B面 リアル サウンドプロデュース 足立壮一郎

演奏 gnkosaiBAND 
ギター・ピアノ さいとうりょうじ 
ペダルスチール宮下広輔(たぶん)
トランペット 黄啓傑



4つの作品の中でいちばん新しいし、在庫もまだあるのに、いちばんなんの記憶もないし、資料も音データもないのがこの7インチレコード。
とにかくプレイヤーも持ってないのに「レコード出したい!」という想いが強くあって、(なんかカッコいいじゃん)
当時よくライヴをしていた横浜関内のBBstreetの代表でギタリストでエンジニアの足立さんのレーベル「生きててよかったレーベル」に作ってもらった。
演奏はgnkosaiBAND(足立さんも入ってる)で、ゲストにトランペットのコウさんを呼んだ。
A面のアレンジはさいとうりょうじに頼んだ。(さいとうりょうじもこの録音について何の記憶もなかった)
関内のスタジオで夜録音していたのだが、バンドのみんながあまりにも構成を覚えないので私がぶち切れて「あんたたちバカなの!?もうやってられない!」とみんなで一緒に酒を飲みに行った記憶がある。

今思い出したけどアメリカでプレスしたのだが、ひと月以上も納期が遅れて、レコ発に間に合わず全国を懺悔しながら行脚した。

 

これは晴れ豆でやったエレガンツとのコラボ演奏。☟

さいとうりょうじ×足立壮一郎ダブルギターと黄さんトランペットも入って豪華!そんな中堂々と歌詞と構成を間違って歌っている矢野絢子です。

あ、この時「浅き夢」のジャケットのワンピース着ている。

 

 


今回久しぶりにレコード聴いたらみんなの演奏が自由でゆるくて、すごくかっこよかった。この企画で私はピアノを弾いておらず、歌も自由ですごくいいと思った。
B面のイントロに当時6歳だった我が息子の早口言葉(いえてない)が入っており可愛すぎて震えた。
ほぼ記憶も資料もないけど、私の音楽人生でたった1枚レコードが作れてよかったなと思う。
このレコードまだまだ在庫ありますのでぜひ買ってください。。。。




以上の4作品を振り返ります★制作こぼれ話や楽曲についてのエピソードなどは配信で振り返ります。

しかし「音源」というのはミュージシャンにとって本当に唯一の「足跡」。どの1枚も制作過程は最高にたのしい。つくってよかった大切な足跡ですね。

では、シマフミ耳六と共に、絢s Roomでお待ちしております♬


アルバム巡り番外編VOL.1
~シングル&企画ミニアルバム~


■配信日時
2023年2月17日(金)19:30~
 2023年3月3日(金) 23:59 までアーカイブ有

チケットはこちらから↓
https://twitcasting.tv/c:yanojunko/shopcart/214242

 

 

 



★今回の演奏曲目と絢s.Q(今私はこの曲に何を問いかける?)★

opening 「氷の世界」「おるき(歌小屋セッション)」

1  氷の世界(井上陽水作)
絢s.Q~タイムマシンがあったら何処へゆく?~

2 かくれんぼ(年作)
絢s.Q~「私」の中に隠れていた「私」はなに?~

3 水之月 (年作)
絢s.Q~「過去・現在・未来」の「私」を繋いでいるものはなに?~

4 風の子 (年作)
絢s.Q~「風の子」が「風」を生むように「私」はなにを生む?~

5 ゾウリムシ (池マサト作)
絢s.Q~「私」が生きやすい場所は?~

6 とうとやつめに (年作)
絢s.Q~「私や誰か」が決めつけた「私」がまるきりの偽物なら?~

7 燐光 (年作)
絢s.Q~「命」の価値や重さってなに?~

8 おるき (年作)
絢s.Q~いつも変わらず感じられるものはなに?~

9 最後の約束 (年作) 
絢s.Q~今も守り続けている「約束」はなに?~

10 リアル (年作)
絢s.Q~「私」にとっての「リアル」とは?~