2021.10.15 絢sroom アルバム巡り「4th.あいのうた」に寄せて | 矢野絢子オフィシャルブログ「矢野絢子の生態系観察所(仮)」Powered by アメブロ

2021.10.15 絢sroom アルバム巡り「4th.あいのうた」に寄せて

2021.10.15 絢sroom アルバム巡り「4th.あいのうた」に寄せて

 4枚目のアルバム「あいのうた」は今から14年前の2007年9月19日にSony・village music「GREEN DROP」よりリリースした矢野絢子初の「愛」についてのコンセプトアルバム。


 ユニバーサルミュージックからインディーズに戻り、自分の事務所兼レーベル「十二月舎」を立ち上げてツアーなどもぼちぼち自分たちの力で回り始めていた頃か。
 

デビュー当時マネージャーを務めてくれていた通称「モキチ」からのお誘いで、ショット契約でリリースした実験的作品という印象がある。
 というのも、ユニバーサル時代にリリースした作品作りは矢野絢子の確固たる要望の上で進めていただいたのだが、その経験を踏まえて、当時の事務所側の立場からのアプローチで作りたい!という申し出があった、ような気がする。



 デビュー当時私が出したレコーディングに関する要望は「1生楽器のみ・2ピアノと歌は一発録音希望」だったのだが、この「あいのうた」は全曲ピアノと歌を別録音しているのである。
 

 サウンドも、サウンドプロデューサーに島田昌典さんをお迎えして、彼がアレンジしてくださり、演奏&打ち込みで制作したものに、後から楽器によってスタジオミュージシャンの方の演奏に差し替えるという、かなりお任せ&エレクトリックな制作方法を取っているのだ。

 そこで私は気が付いた。「歌とピアノ別録り、めっちゃ楽!!!!」

ということに。。。。

 デビュー当時あんなにかたくなだった私の心もすっかり柔軟になって、ジャケット撮影時もあんなに嫌がっていたメイクも「どうぞ好きにやってください」と、楽しんでいた。(メイクさんはデビュー当時からのメンバーだったので「やっと好きにメイクをさせてもらえる!!」と涙ながらに絢子の成長を喜んでくださっていました)←張り切りすぎて絢子は別人に仕上がり、髪までクルックルにしてくれて、当時のファンの皆さまはさぞかし驚いたことでしょう。


 ジャケット撮影場所は、今現在まさに毎月配信ライヴをしている「絢sRoom」のピアノの上(当時は真っ赤に壁を塗っていた。現在は赤紫)。ユニバーサル時代には常にファイティングポーズで余裕がなかったメジャーレーベルでのお仕事も、この時は余裕をもって楽しみながら作っていた気がする。


 とはいえ、どんなにお化粧しても、斬新で素敵なアレンジをしてもらっても、矢野絢子は矢野絢子なんだなーと、我がことながらこのアルバムを今聞きなおして苦笑した。
 

 いちおう「愛」についてのコンセプトアルバムなのだが、いわゆる「ラヴソング」的なものは1曲もなく、1曲目から最後の曲まで、「愛」に対して「疑問の石」を直球でぶん投げまくっているのである。怒っている、やはり怒っている・・・(笑)。客観的に「正直なミュージシャンだなあ」と心から感心した。
 いま改めてこのアルバムを通して、当時の私の「愛について」感じていたことを振り返ることができて、すごくよかった。


 しかも、この「あいのうた」を制作しているとき私は妊娠中であったというのにも我ながら驚く。(リリースした翌年に出産している)
 妊娠についてはマネージャーや少数の関係者にしか告知してなかったので、リリース前後のラジオ局やCDショップめぐり、ライブツアー中も膨らんでゆくおなかをショールで隠しながら、「みんな案外気づかないもんだなあ」と不思議に思いながら周りの皆さんに支えてもらいながら飄々と過ごしていたこと。カミングアウトした時の周りの反応もすごく面白かったなあとあたたかな気持ちで思い出す。
 

 そのあたりの裏話や、楽曲の制作秘話など、今回は曲数が少ないぶん、たっぷりとお話ししながらお届けします★

 では、10/15(金)19:30より、絢sRoomでお待ちしております★(2週間アーカイブ有〼)

※チケット購入はこちらから!!!!!!

 

 



★以下今回の演奏曲目と絢s.Q(今私はこの曲に何を問いかける?)★


1 愛の迷路 (2005年作)
絢s.Q~迷子になることで「私」は何を先送りにしている?~

2 笑顔 (2007年作)
絢s.Q~「受け取る」ことを「私」が「私」に許すには?~

3 青い煙 (2006年作)
絢s.Q~「私」は「誰」を「何」の「身代わり」にしている?~

4 札付き (2003年作)
絢s.Q~その「ジャッジメント」は「誰」にとっての「真実」?~

5 丘 (池マサト作)
絢s.Q~「ひとり」でも最後まで「それ」をやり切る「覚悟」はある?~

6 背中 (2004年作)
絢s.Q~「私」の「背中」に「今」、何と声をかける?~

7 カーテンコール (2002年作)
絢s.Q~「私」はこの瞬間「何」を「どう」「表現」している?~

8 瞳の中に (2003年作) 
絢s.Q~「私」がほんとうは「知っている」ことは何?~

9 恋 (2006年作)
絢s.Q~「変化」の在り様にこだわり続けるのは何故?~

10 最後の冬 (2003年作)
絢s.Q~「私」が今すぐに「私」を「愛する」には?~

 

↓ジャケット撮影時の写真たち(2007)