音楽と一緒に生きること~配信ライヴ「絢’s Room」結成秘話 その1 | 矢野絢子オフィシャルブログ「矢野絢子の生態系観察所(仮)」Powered by アメブロ

音楽と一緒に生きること~配信ライヴ「絢’s Room」結成秘話 その1

 先日5/15(金)に、自宅からの配信ライヴ「絢’s Room vol.2 ~12thアルバム「彼女について」レコ発ライヴ~」を終えた。

 たっぷり2時間!(予定は90分だったけど!)久しぶりにたっぷりと歌いまくれて、シマフミヴァイオリンと音を合わせられて、ものすごい心も身体も浄化された。音楽することでしか震わない私の中の解放があることを、とても明確に再認識できた、しあわせな時間だった。

 

 「彼女について」、このアルバムを制作していたのは3月頭。コロナの影響はひたひたと影を伸ばしていたものの、まだこんなにも歌えなくなる未来が待ってるなんて思いもせずに、無邪気に音楽することに没頭していた。あのタイミングで制作できていて、本当によかったと思う。

 

 そこから加速度を増して音楽の現場が次々と打撃を受けて、どんどん公演が中止になっていった。世のムードがなぜか「ライヴハウス=悪」みたいな感じになっている気がして、内心(上等じゃん、音楽が常に世に万事受け入れられるなんてハナから思ってやってないっつーの)と、正々堂々と地下活動することに闘志を燃やした。3月4月と、すごく数少ないけど現場で歌うことができて、お客さんも普段より少ないものの、来てくださったみんなとやっぱり素晴らしい時間を共有できて、「やって後悔する現場はなし」と思った。自分も含めてそこにいる人みんなの命が、音を通じて一体になる。現場は毎回、直のエネルギーワークだな、愛しいな。

 

 

 一方、ツアーの日々がなくなり、自宅にずっといるという20年以上ぶりの生活の中、これを機に、自分が本当に必要としているもの、本当は不要なもの、と徹底的に向き合うチャンスと考え、畑に精を出したり、断捨離したり、色々新しいことへの勉強とチャレンジをはじめた。

 その中の一つが「有料配信ライヴ」である。

 

 やると決まったら確実にチームが必要。となった瞬間自動的に決定した第一のメンバーが「石田衣代」である。彼女とは歌小屋時代からの長い付き合いだが、歌小屋を卒業してから逆にぐっと近い存在になって、私の活動をいつもそばで助けてくれる大事な友人だ。昨年はふたりで「土佐べんのうた」を作ったなあ。きぬよはギター弾き語りでオリジナルソングを歌うし、太鼓もたたけて、絵もうまい、おまけにパソコン事情にも精通しており、デザイン力も抜群、最近では私のオフィシャルサイトや、このブログの私の手には負えない部分をかなり手助けしてくれている。(アルバム「彼女について」のディスクデザインもきぬよ!)神!!!

 しかし二人とも配信ライヴについては無知。色んな情報を集めたり、現実的に必要なリストを作ったりしていた4月頭、市内の中町バーできぬよとゲリラライヴをやることになって(まあ私が泥酔するとその間にすぐライヴが決まるんだよね、酔うとすぐ「らいぶする!」って決めちゃうの)、そこに遊びに来てくれたのが、第2のメンバー「山下裕矢」こと「やまゆう」である。彼は高知を中心に「サンドイッチパーラー(略してサンパラ)」というデュオユニットで活動するミュージシャンであり、

https://www.sandwichparlour.com/

自作のおしゃれなふんどしを制作してブランド「harenchi」を立ち上げて販売もしているという、

https://harenchi.stores.jp/

ウクレレにタイコ、歌も作れて歌えちゃう、裁縫もできて、なんなら庭とか小屋も作れちゃう、なんともスペックの高い未来的男子。しかもサンパラで無料動画の配信ライヴを毎週日曜にしているというではないか!!

「サンドイッチパーラーのSunday Night Parlour」

https://www.youtube.com/channel/UCm665_QGWF8O_yDvBbdR3_w

 

 オーマイゴッド!ゆうや!きみ!!きみだよ!今私たちに必要なのは!!!

 てなわけで、無敵の2人をロックオンして、配信チーム「耳六mimiroku」誕生と相成ったわけである。

 ( 「耳六」というのはその中町バーのゲリラライヴを三人で楽しくやっているのをマスターの中町さんがすごく感激してくださり、終演後興奮気味にかけてくださった言葉が、「みんな、耳がみえてる!」という摩訶不思議なセリフから頂戴した。「弥勒(ミロク)」とゴロも近くて縁起いいし!)

 

 運命は私の味方だわ、そう確信した。「よきことはカタツムリの速度で進む」とガンジーは言ったが、私は土佐の女。カタツムリの速度なんてとてもじゃないけど待ってられない。「よきことは電光石火で進む」と言おう。

 

 そして4月12日、なんと高松ラフハウスでのライヴが、矢野絢子初めての無観客有料配信ライヴに決まり、「こ、これは耳六にとってすごいチャンスだわ、ノウハウをいきなり学べちゃうわ」、とドキドキしながらラフハウスへと向かったのである(運転はきぬよ)。

 

 

~その2につづく~