こまち 6歳の時の大事件 | 銀粘土と羊毛フェルトに囲まれて・・手作りを楽しむブログ  アトリエ シルバー・マウ日記

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猫好きで手作り好きの私のアトリエの様子や作品の紹介。季節ごとの花などの写真とともにお気軽にお読みくださいませ

九州地方はじめ大雨の被害で大変な思いをされて

  いらっしゃる方に心よりお見舞いを申し上げます。

 

 

前回の続きで猫のこまちのことです。

 

 

8年前、当時は外に出たがる時には出していました。

朝のパトロールはかかさず行き、30分くらいすると

台所のサッシを右前足でトントンとたたき帰宅を

知らせてくれるのでうちに入れます。

 

見た目に似合わず、なかなかのハンターで

セミやカナブン、ねずみ、もぐら、スズメ、コウモリなど

びっくりするようなお土産があることもありました。

 

 

 

そんな時すぐ近くのお宅が家の建て替えをすることになりました。

そこで飼われていたのは小窓から24時間自由に出入りしていた猫ちゃん2匹。

さて、人間は近くに仮住まいをみつけたものの

にゃんずはどうしようということになり困っていらっしゃいました。

 

外猫を飼った経験のある方はおわかりいただけると思いますが、

そういう習慣の猫を仮住まいにとじこめて生活するのは

至難の業というか無理ですよね。

 

とにかく出たがりますから。

でも仮住まいの家から自由に外にだすのはとても危険、

帰ってこられるかわからないし。

三か月かかる建て替え期間。それも真冬の1月から3月。

 

住んでくれるかわからないけれどうちの庭に

犬小屋のようなのを置いてみませんかと私から提案しました。

 

そのお宅の飼い主さんと私とでフードを置いたりしているうちに

数日したらどうやらそこに落ち着いてくれたようで、中に毛布を敷いたり

雪の降る日にはホカロンを入れたりしてお世話をしていました。

 

よかったな、と思っていたのですが・・・。

 

こまちの様子が・・・。

 

庭でお気に入りの場所で昼寝をしているこまちが

その猫ちゃんが近づくと場所を譲るというか逃げるというか

そんな感じになってきました。

 

ん~どうなんだろう。

 

と少々気になっていた矢先。

いつもの通り、朝のパトロールにさっそうと出て行ったまま

こまちはなかなか帰らず・・・。

 

朝ごはんも食べてないのに。

 

昼になり・・。

 

夜になり・・。

 

 

 

こまち帰らず。

 

 

翌日。

 

 

こまち帰らず。

 

 

どこに行ってしまったんだろう。

 

探さなきゃ。

とりいそぎ、写真付きのポスターを作りました。


 

私は自分が生まれたときにすでに猫がいて一緒に育ったような

もので猫飼い歴が長いので猫の習性はかなりわかっていたつもりです。

 

こまちの場合、

人に連れていかれる?    いや、こわがってすばしこく逃げると思う。

駐車中のトラックとかの荷台に乗っちゃう?  いや、慎重派だからそれも考えにくい。

車にひかれる?    いや、俊敏に車を避けるはず。

 

いなくなった猫の探し方のヒントをネットで調べ。

いろいろと手をつくしました。

 

家族は駅から家までの帰り道、う~んと遠回りして探しながら帰り、

私は早朝、歩き回ったり、夜に自転車で走り回ったりして探して探して・・・。

 

でもさすがに数日が過ぎるともう会えないのかも・・。

と諦められない気持ちと現実を受け入れなければという

気持ちが錯綜。


 

例えば病気や事故で死んでしまった事実があれば、

それはとてもとても悲しいけれど、供養しようと思えると思う。

 

生きていながらどこかわからないところでうんと辛い

思いをしながらへとへとになっているのではと

思うと胸が締め付けられる。

 

 

保健所、警察署は隣の区まで範囲を広げて届け出。

ポスターを近所のよく行く店などに貼ってもらったのですが

動物病院に貼ってもらった時に先生に

驚きの話を聞きました。

 

「その状況からすると、きっとなわばり争いに負けたのでしょう。

負けた猫はもうその場所にけっして入れないから

帰り道がわかっていてもこわくて帰ってこないでしょう。

猫の世界はとっても厳しいんです。」

 

ショック・・。

 

こまちのなわばりによその猫を住まわせてしまった。

良かれと思ってしたことで、結果こまちをこんな目にあわせてしまったとは。

自分は猫の世界のことをまったくわかってなかった。

 

私のせい。

 

帰ってこれないなら見つけるしか手はない。

 

 

 

いなくなってから9日目の昼過ぎ。

メールがきました。

 

「もしかしたらお探しの猫ではないですか。

○○小学校跡地の南側の家の・・・」

 

ポスターには私の携帯番号と、なんとなくアドレスも書いておいたところ

画像を添付したメールをいただき、私はたまたま家にいたので

すぐにそこへ向かえました。

 

 

画像があったおかげでおそらく文章だけではどの家かわからなかったと

思うのですが、画像の外壁や植え込みからこまちらしき猫がねそべっている場所

がすぐ特定できました。

 

 

・・そして、それはまぎれもなくこまち。

 

人間の子供の様に走り寄ってくることはまずないので

驚いて逃げないよう

 

そっと小さい声で

 

「こまち」

 

と読んだら。

 

こちらを見て

 

「にゃっ」と短く一声。

 

慌てたり興奮してはいけない

 

自分を抑えて

 

そお~っと、しゃがみこみ

かりかりをのせた手のひらをゆっくりこまちの方向に

差し出すと。

 

ゆっくり近づき、食べ始めた。

 

そこでさっと抱き上げた時に

 

こまちは空にとんでいくかと思うほど

紙の様に軽い猫になっていたのでした。

 

何日食べてなかったんだろう・・・。

 

9日間ずっと?

 

ケージに入れてぎゅーっと抱きかかえて

歩いて帰り、その間にゃーにゃー鳴くのですが

その声がもう・・・。外猫のそれになっていて

しわがれて低くなっていて、おそらく喧嘩に負けないよう

貫禄の声色にしてたのか、鳴き疲れてのどが荒れたのか。

 

普段の高い声、サザエさんのたまのような

声ではなくなってました。

 

頑張っていたんだなと。

 

こまちがいた場所は家から500メートルほども離れた

電車の線路を渡ったさらに先でした。

 

 

その翌日、抱き上げると唸るので気づいたのですが

後ろ足の付け根に大きな傷があり、おそらく喧嘩して

逃げるときにやられたのだろうと獣医さん。

噛んだ方の猫も、舐め続けたこまちも口の中の雑菌がすごいので

手術をして治療。

 

その後おかげさまで

見た目も機能も戻りました。

 

それ以降、家猫生活に切り替えました。

もうあの思いはしたくないので。

 

その時の連絡をくれた方、ポスターを貼らせてくれた方々や、

お役所関係の方々、友達やご近所、犬のお散歩中の方、

皆さん、とてもとても優しく接してくれて

本当にありがたいと思ったことがはっきり記憶にあります。

 

人も猫もひとりで生きてるのではありませんね。

 

 

私のブログ生活最高の長さになってしまいました。

 

最後まで読んでいただきありがとうございました✨