千秋さんはストレスが堪って、怒りだすと手がつけられないけれど、
色んな事ができなくなって、二人でやらなくては行けない事が増えて、

こんな風にしていられるのも、あとわずかかもしれないと思うと、
何だか愛しくなってくる。


先日、車から降りた途端に、その場で転んだので、
最近は手を引いて、車の助手席まで連れていき、
ドアを開け、千秋さんを車の中に座らせてから、
自分が運転席に行く。


車から出るときも、
私が助手先のドアを開け、千秋さんを車から出し、
一緒に歩く。

荷物があるときは、千秋さんを途中で道端の安全な所に座らせて、何度か往復する。

いや、もう大変だ。

ほんの少し歩くだけで、「痛い、痛い」と大騒ぎする。
でも歩かないと、全く歩けなくなる。


さっきも、リビングで裸で寝ている千秋さんに、
Tシャツを着させ、ズボンを履かせ、
布団の用意をしてから、
身体を起こし、
千秋さんの部屋まで連れていった。


その間、クリは一人で静かにしていてくれた。
いい子だね。




昨年の秋に、千秋さんのケースマネージャーが決まり、
山のような資料を出して、
この5月から、クリの様に、千秋さんにもエイドがつく様になった。


でも進行が早過ぎて、ケースマネージャーと、サービスの相談をもう一度しないといけない。


怒りだすと道理が通らないから、
「もうイヤ」と思うけれど、

静かになったときの千秋さんは、やっぱり愛しい。

期間限定と思っているからだろうか。


だからこそ、優しくできるときはしたいと思うんだけどね。

それが、、、中々、、できそうでできない。


決して私は、いつも優しい奥さんじゃない。


仕事も忙しくて、千秋さんの話を聞いてあげる時間がない。

でもさ、できるだけ時間を作って協力するから、

今の時間を大切にしようね。

だから、元気でいてね。