近藤淳子オ フィシャルブログ 「あ・い・ろ・ぐ」 Powered by Ameba
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お口をとがらせ、ウサギにちゅー&リップでおめかし(^з^)-☆

いやいや期入門した娘に体力をごっそり吸いとられ、毎日秒速!

でもこんな写真が撮れるのは女の子ママの特権!?


おーなり由子さんの詩集『だんだんおかあさんになっていく』のなかから

じぃーんと胸も目頭もあつくなる、だいすきな詩です↓



おかあさんのりぼん


こどもができたとたん

まわりのひとたちから

「おかあさん」と呼ばれる

しらないひとからも

ー おかあさん


まるで違うひとになったかのように

自分の名前は 呼ばれなくなる


急に「おかあさん」と呼ばれても

おかあさんになんてなれないから

心のなかで しかめっつら

名前のない「おかあさん」のなかには

「やさしく あかるく がまんづよく」

もはいっている時があるから

ますますしかめっつら

ーやさしくなくて

 あかるくなくて

 すぐに弱音をはくわたしは

 どこにいけばいいんだろう


生まれたばかりのあかんぼうは

まだ目も見えず

わたしのことを

「おかあさん」なんて呼ばない


わたしはわたしよ

と足踏みして

ほころびかけた花のつぼみを見ていた


そうして

お乳をあげて おむつをかえ

はいた乳をふき 背中をさすり

けしつぶみたいな つめを切り

頭をぶつけては おろおろして祈り

泣きやまない夜に途方に暮れたり

髪をふりみだして 追いかけたり

食べさせたりするうちに

ああ もう!

なんと呼ばれようが どうでもいいや!

と、思うようになるころ


ーおかあしゃーーあん


ことばなんか知らない

赤くてふにゃふにゃだった生き物が


ーおかあしゃーーあん


わたしを呼ぶ



そう呼ばれたとき

わたしのなかには

やわらかいあたたかいもので

いっぱいにふくらみ

その一瞬に

りぼんをかけて

かざりたい気持ちになった


その声が

「おかあさん」ということばが

なにかの

ごほうびのように思えて