52万5600分。
あなたは一年という時間を何で計る?

夜明けの数? 日暮れの数?
真夜中に飲んだコーヒーのカップの数?
インチ?
マイル?
笑った数?
ケンカの回数?

たとえば、愛ならどうだろうか?

『Seasons of Love』より



bunkamuraル・シネマで「RENT」を観て来ました。

原作はブロードウェイのミュージカル。
台本・作詞・作曲のジョナサン・ラーソンはプレビュー公演の前日に急逝したそうな。
いまや伝説になってしまったこの舞台、きっと彼も見たかったのだろうな・・・
その舞台が待望の映画化というわけで、予告編で掴まれてしまった身としては、行きたくて仕方なかったのです。



例えば、もし自分が明日までの命だったらどう生きますか?

例えば、いつ死んでもおかしくない身だとしたら、どう生きますか?

この作品にはそういう背景を持っている人物が多く登場する。HIVのキャリアという形で。

実際そうなってしまうと、「命を燃焼させる」選択はなかなか選べないのだろう。現に登場人物の一人ロジャーは、恋人がHIV感染にショックを受けて、自殺してしまって以来、引き篭もってしまっている。同じ病を持つ自分は人を愛せない。心に残る曲は創りたいけれど、気持ちが湧き立たない。

でもそんな彼にも、仲間はいる。親友、同じ芸術を志す戦友、そして隣人・・・

やっぱり人は一人で生きてはいられないなと思う。突き進む道、曲がりくねった道、一緒に歩ける人がいれば、どれだけ道が明るくなることだろう。

出会いも別れも、全ては自分の力になる。

心から信じ合える人たちと進んでいけるなら、例えそれがわずかな時間だったとしても後悔はしないのかもしれない。時には痛みを分かち合い、心をぶつけ合い、愛し合い、泣いて抱き合って・・・

絆って宝なのですよ。何者にも換え難い。

確かに時代は変わって、HIVに関する恐怖も薄れてきたりと(未だ治る病気ではないのだけど、感染経路などがはっきりしてきたこともあるし、薬をうまく使って、発症を出来る限り抑えることも可能になってきたり)、作品の背景としては、多少古くなってしまったところもある。でも、限りある命を全力で生きる、強い絆の力、愛、など、普遍的に伝わるメッセージも沢山あるからこそ、この作品は時代を超えて愛されてるのだなと思う。

レント
コメント:映画版のサントラです。
レント
コメント:舞台版のサントラ。全曲入ってます。