■K1公式X(Twitter)より
7月7日に開催されたK1ワールドMAX2024 決勝トーナメントの感想です。
決勝トーナメントは3月に行われた開幕戦(ベスト16、今回は14名)を勝ち抜いた選手によるワンデートーナメント。1日3試合を勝ち抜いて優勝した選手がチャンピオンというお馴染みのシステムです。
ただし、今回のトーナメントに参加したストーヤンは開幕戦で負けているけど、怪我人が出た事で敗者復活的な代役出場。1枠はワイルドカードとして開幕戦には出場していない選手が選ばれました。
そのワイルドカードで決勝トーナメントへ参加する事になったのが旧K1王者のブアカーオ。RIZINで元K1王者の木村ミノルにKO勝ちしているので、それが実質の予選だったと思えば出場資格は十分にあると思います。
ネームバリュー、話題性を考えてもベストな選出だったんじゃないかな。
■K1公式 ブアカーオの煽りV
■ABEMATV K-1WORLD MAX2024
70キロではありませんが、結構どうなるか気になってたフェザー級(57.5Kg)の試合。
K1では全勝している兼田と、ISKA世界王座を獲得した寺田の一戦です。王者・軍司への挑戦権を賭けたマッチメイクといったところ。
王者の軍司も地味で競合団体王者の門口も地味ですが、この2人もまた地味に強い存在で、みんな揃って地民党を結成できそうです。
結果は寺田の判定勝ちでした。
俺は、、
1R:10-10
2R:10-10(やや寺田)
3R:10-10
でドローだと思いました。
実際の判定は30‐30、30‐29、30‐29で寺田の2-0。
3Rの打ち合いやビッグヒットもあったから寺田の勝ちでもわからなくはないけど、コメント欄でも「えー」って声が結構あった僅差の試合でした。これで兼田の王座挑戦が大きく遠のくならちょいと気の毒かも。
まずはリザーブファイトのセルジオ・サンチェスvsペトロス・カベリーニョ。
サンチェスは過去に新生K1にも参戦した事のある選手で、この階級の外国人をチェックしてると頻繁に名前が出てくる選手でもあります。これに勝つと本戦で欠場者が出た場合に代役としてトーナメントへ出場できると。
MAXだと2005年には魔裟斗が1回戦を突破→怪我で準決勝へ出られず、リザーバーの安廣一哉が本戦に出場して敗北→リザーブファイトに勝っただけでK1世界3位なんて事もありました。
3位決定戦が無いからベスト4=K1世界3位なんすよね。
サンチェスは今年5月にペトロシアンの復帰戦の相手を務めて5R判定負け。
近年の主な対戦相手と戦績は、、
・2024年
● ペトロシアン(5R判定)
・2023年
〇 ペトロシアン弟
〇 パスカル・シュロス ※ベスト16の仮面男
・2022年
● パラスキフ(5R判定) ※野杁外人
● ドラゴミール・ペトロフ(1RKO) ※海人と対戦決定
といった感じの戦績になってるISKA(フリースタイル)&WAKO(K-1)世界王者。
ペトロシアンにそこそこ善戦したみたいな情報をどっかで見たし、開幕戦に選ばれたシュロスに去年勝ってるならリザーブファイトに出てもおかしくはない。次に海人と戦うペトロフにはぶっ飛ばされてますが、そのペトロフも2月にはMarianLăpușneanuという選手にワンパンでKOされてて、この階級はまだまだベスト16に呼べる外国人だらけに思えます。
相手のペトロス・カベリーニョは南米WGP王者。
天心と戦ったイグナシオであったり、白鳥と戦ったサンチアゴ、この大会で横山と戦ったモジャ頭のヤツだったり、結構日本に呼ばれている団体の選手です。2023年にGLORYに出場して判定負け(一応は割れている)している。
その際はペトロス・フレイタスという表記になっていました。それより前のキャリア初期だと2019年にブルーノ・ガザーニ(GLORYランカー)にも5R判定負け。
試合はサンチェスのインパクトのある2RKO勝ちだったんですが、思ったよりカベリーニョが強くて足へのダメージが蓄積してるだろうなって印象でした。デング・シルバと同じ190センチで、180センチあるサンチェスが小さく見えたくらい。
カベリーニョは旧K1時代に例えるなら総合格闘家にK1をやらせたような粗削りな印象でしたが、このデカさだけでトップ以外の日本人には勝ってしまいそうですね・・。しつこいようですが、この階級だと全然違うなと。
これで何かあった時には、サンチェスが本戦へ出場する権利を得ました。
■ABEMATV K-1WORLD MAX2024
というわけで、トーナメント本戦の感想。
この階級はONEに世界最強クラスの選手が集まっていますが、少しずつ高齢化&対戦が一巡した事で個人的にはマンネリ化してると思います。なので、このトーナメントは逆に新鮮で楽しみだなって事を以前書いた気がします。
今回の選手をキープし続けて2~3年と続いていくなら、K1MAXが真の復活を遂げるかもしれません。キックがすっかりトレンドから外れた今となっては、団体が選手がキープするというのは更に難しくなってる気もしますが・・。
そこはもう頑張って欲しいなと応援するしかない。
ストーヤンvsブアカーオ。
トーナメント準々決勝の初戦なのにメインイベントといえる試合でした。
2004年7月7日に魔裟斗&小比類巻などを下してK1世界王者になったあの日からちょうど20年。2024年7月7日にブアカーオがK1MAXのリングに帰ってきました!!
■ABEMATV K-1WORLD MAX2024
キターーーー!!!!
俺はストーヤンの優勝を予想してたけど、ブアカーオ応援したい気持ちも交じってて、なんだか複雑な気持ちで試合を見てました。日本で開催されるK-1MAXのリングにブアカーオが上がる瞬間をリアルタイムで見るだけでPPVの元がとれたんじゃないかってくらい、ここは熱かったですね。
ストーヤンもGLORY王者ベスタティが階級を上げたとなると、非ONEの中では序列が最上位といっていい選手。最近のvsベスタティ戦の結果で見ると、ケールや海人は一方的にフルマークで負けてますが、ストーヤンはそこそこ善戦してます。
■オリコン 入場シーン有 ブアカーオvsストヤン(ダイジェスト)
試合は2Rにハイキックがかすってブアカーオがダウン。
ストヤーンの判定勝ちでした。
俺は、、
1R:10-10
2R:10-8でストーヤン
3R:10-9でややストーヤン
30-27でストーヤンの判定勝ちだと思いました。
実際の判定は30-28、30-27、30-28でストーヤン。
想像以上にブアカーオが動けてて、ダウンもそんなダメージは無い様子でした。旧K1の時からブアカーオのダウンってダメージを感じさせない事が多い。
クラウス1、魔裟斗2、ジダ戦など、眼がいい分でちょっとの距離やタイミングのズレで貰って倒れる事がちらほらあった印象です。自分の能力を少し過信しちゃう印象というかさ
■K1公式X(Twitter)より
■K1公式 シルバvsフェルドンク(煽り)
開幕戦で共に日本人を撃破して決勝へ進出したシルバ(ブラジル)とフェルドンク(オランダ)の対戦。
シルバのキック戦績は南米のOFGキックのモノがかなり多いようで、フィジカル負けしない正統派の選手と戦った時にどうなるかは未知数だなと思ってました。シルバがあっという間に勝つようなら優勝候補の可能性もあるし、逆に今回のような相手にあっさり負けて化けの皮が剥がれる可能性もありそうで、これはどうなるか読めない試合だなと。
この試合はかなりの激闘でした。
■ABEMATV K-1WORLD MAX2024
1Rにフェルドンクがダウンしたかなってシーンがあったけどノーダウン。
2Rはフェルドンクが完全に盛り返して、やっぱデングはモロさがあるなと思ったら、3Rにフェルドンクがダウンを奪われてしまいました。それでもかなりフェルドンクが攻めてて、最後の最後までわからない激戦でしたよ。
アベマのコメント欄も画像のようにかなり熱くなってた。
■試合映像のダイジェスト(マイナビニュース)
俺は、、
1R:10-9でデング
2R:10-9でフェルドンク
3R:10-8でデング(ダウン有)
これで29-27でデングの判定勝ちだと思いましたが、3Rは旧K1ならダウン有りでも10-9、9-8でもいいと思うし、2Rにデングが防戦一方だったのは一時期の旧K1なら10‐8.5でもおかしくない内容だと思いました。
実際の判定は29-28が3名でデングの判定勝ち。
これは1Rが10-10、2Rフェルドンク、3Rはダウンで10-8デングだったんすかね。どういうポイントの付き方なのか気になる試合でした。1Rもノーダウンと判定されたけど、それがダウンならもっと差が開いたかもしれません。
えー、ヴィクトル・アキモフさんとロマーノ・バクボードの試合です。
ここだけガクッとレベルが落ちるというか、この勝者とやれるムジンスキとアカピャンはちょっと有利だなって思えちゃいます・・。
バグボードは開幕戦でタイのタナンチャイに勝利して決勝進出。
せっかくのタイ人強豪発掘かと思いきや、ぜんぜんムエタイ王者らしくないスタイルで普通に負けてしまいました。バグボードは目立った戦績はおそらく無くって、2017年にチコ・クワシと戦って3RTKO負けしています。
対するアキモフはロシア人だけど富山県在住のファイターで、戦績もほとんどが日本人相手のモノ。ジャパンキック、GOLDRUSH(RKS)、ホーストカップなどで戦ってきた選手とのこと。
2022年に今回の開幕戦で敗退した璃久に判定負け、2023年にRKSでYURAと対戦してボディでKO負けしていました。開幕戦では元ボクシング暫定日本王者の中島をバックハンドブローでKO。
■アキモフさん、バクボートの煽りV
アキモフさんは遠洋漁業の漁師じゃなくて航海士だったんすね。
バクボートはサルとからかわれていじめられていた過去があり、入場の際にはサルのマスクをつけて入場していると。
これはバクボートが無難に判定勝ちと予想してて、1Rはまあ10-9でバクボードと思ったら、なんと終了間際にバクボードがアキモフさんの謎パンチでダウン。
スローだとボディにパンチが入ってたようですが、解説もハートブレイクショットなんてふざけるほど謎なタイミングと角度でした。魔裟斗も須藤元気もアキモフさんは明らかにレベルが下の選手とハッキリは言いませんが、やんわりとそう思ってる感を出してるのがちょっと面白かったな。
そのまま2Rも同じパンチでバクボードが倒れてなんとアキモフさんがKO勝ち。
これはビックリしたのと同時に、アキモフvsアカピャンorムジンスキってやべーだろと思ってしまいました(笑)
準々決勝最後の試合は優勝候補に挙げている人が多かったゾーラ・アカピャンとカスペル・ムジンスキの試合。
アカピャンはこの階級の1.5流トップクラスという位置づけの選手で、対するムジンスキは無名が一気にのし上がってきた感のある不気味な選手でした。開幕戦ではストーヤンからダウンを奪って判定勝ちしてます。
まあダウンがなければストーヤンの判定勝ちだったろうなというポイント差でしたが、開幕戦で一番の番狂わせだったと思います。
この試合は色んな意味で衝撃的で、ムジンスキが異様なまでにタフでした。
あとは体そのものが強そうでしたね。旧K1ならマーク・ハントみたいに、相手がちょこまか頑張っても効いてないか一気にひっくり返される感があるというかな。
俺は、、
1R:10-9でムジンスキ
2R:10-10 (後半だけアカピャン)
3R:10-10でややムジンスキだと思いました。
実際の判定は30-28が3名でムジンスキの判定勝ち。
1Rと3Rがムジンスキだったのかな? どっちかに振るなら全ラウンドでムジンスキでもいいと思うんだけど、2P差付くほどかなとは思った。
でも総合すると、たしかに2ポイントか3ポイントぐらいの差は感じる試合でもありました。
この試合だとムジンスキは底が見えない不気味さでしたよ。
続く。
もっと早くに一気に書くつもりが今週はちょっと疲れてます😅✋