■アベマ格闘Ch TRHD presents K-1 WORLD MAX


3月20日に開催されたK1ワールドマックス2024開幕戦の感想です。
14年ぶりのK1ワールドMAXという事が強調されていたので、MAX2012や2014は正史ではないという扱いになるんでしょうね。MAX2011のJAPANも入らない感じ?

MAXは2002年に正式シリーズ化された70キロのキックボクシング。
TBSのプロデューサーが魔裟斗の出場を確かめた上で、石井館長に中継をやらせてくださいと申し出て放送がスタートしています(当時の雑誌に掲載されていた内容)。地上波テレビでの放送は2010年まで。

魔裟斗が引退したから終わったと言われがちですが、実際は重量級も中量級も年々人気が低下していて、K1の終わりを察知して綺麗に終われる時期に引退を決めたという認識の方が実状に近いでしょう。解説の魔裟斗が選手に蓄積したダメージについて言及する場面が多くあるように、魔裟斗自身も引退が近くなった時期にはダメージの影響を思わせるエピソードが幾つかありました。

 

■70キロの歴代最強選手はだいたいこんな感じになってます


旧K1時代はK1MAX王座こそが最強の証でしたが、以降はGLORY、クンルンファイト、ONEなどの団体がトップ選手を集めたトーナメントを開催していて、当時とは状況が異なります。

しかし、今年になってGLORYが70キロを休止するという報道があった。
事前の出場選手インタビューでもアカピャンがGLORYに70キロはもう無い、ストーヤンもGLORYの70キロはそこまでレベルが高くないと言っています(K1公式に掲載されていた内容)。ONEに関してはムエタイ偏重のマッチメイクになっているので、K1MAXに少し追い風が吹いている状況と言えるかもしれません。

国内での注目度に関してはK1、RISE共に関心が低下している状況ではありますが・・。


・ムエタイ:116試合(68.6%)
・総合:39試合(23%)
・キック:10試合(5.9%)
・組み技:4試合(2.3%)


数え間違いがあるかもしれませんが、今年ここまでONEで開催されたルール別の試合数はこんな感じ。キックは日本人絡み、女子の試合を抜いて中量級に限定すると3か月で2~3試合程度だったと思います。
なのでRISEの65キロ、K1の70キロはGLORY亡き今、覇権を取ろうと思えば取れる情勢かもしれない。もちろんONEマネーに惹かれてムエタイ挑戦するキック選手もいるでしょうけど・・😭😭




そんな中で今回開催されたのがK‐1 WORLDMAX開幕戦
2021~2022年にONEで開催されたキックボクシングワールドGP以来の大きなトーナメントと言えます。そのGPに参加していたキリアは今回の開幕戦に出る予定でしたが脊椎損傷により欠場。
同じくGPに出場していたエンリコ・ケールはGLORYで王者ベスタティに敗北。GPに出てたサミー・サナやアンディ・サワーよりはこっちの参加者の方が強い選手も多いだろうし、一通り対戦を終えて最強論争が終結したONE勢より、こっちの方がどうなるか俺としては楽しみです。




2002年。
70キロ最強伝説の始まりから22年が経過した2024年。
 

 

■MAXでお馴染みのアレ


ガンマレイのあの曲が流れる中、、




マスター石井、見参!!


まるで校長先生のようなあり難いんだか、あり難くないんだかわからない長い話と共にK1マックスが遂に復活しました。館長は2003年からは表舞台から去って谷川&角田体制(表)になってたんで、MAXに関してはそこまで館長館長って感じはないんすけどね。



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そんな感じでK1MAX開幕戦スタート。
全14名のうち開幕戦で勝利した7名が決勝へ進出して、残りの1枠にはワイルドカードとして謎の選手が参戦を予定しています。決勝トーナメントに関しては1日3試合を勝ち抜く必要があるワンデートーナメントです。




まずはブラジルのデング・シルバvs璃久
身長190センチってのは旧K1MAXにはいなかったんじゃないかなってくらい規格外のデカさです。映像を見た限りではグローブのキックボクシングではそこまで強そうに見えなかったんですが、ここはやはり軽量級との違いなのか、あっという間に璃久が圧殺KO負けしていました😨😨💦

普通に判定まで行って、なんだーガッカリ・・って空気になると思ってたら、全然そんな事なかったです(笑)

トップの日本人以外は開幕戦やワンマッチで外国人にあっさり負けるMAXらしい試合だった。俺は優勝候補とは思わないけど、間接的に欧州の中堅&トップと戦った記録は無さそうだし、現在どれくらいの強さなのかわからないという点はおもしろい。

パッと見だと顔も怖いし😱😱



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古豪であるキリアを倒してタナンチャイが決勝進出となれば雰囲気は出たと思うんですが、残念ながらキリアは欠場で代役はバクボードとかいう謎外人になりました。しかも体重オーバーで減点スタート。

やっぱムエタイ選手には矢継ぎ早にミドルキックが出てくるような展開に期待しちゃうんですが、残念ながら過去の試合映像と同じように微妙なパンチでひたすら戦ってました・・。どっちの負けでもいいくらい眠たくなる試合でしたが、延長の末にバクボードが勝利。
途中から爆笑問題の太田が戦ってるように見えましたよ😂😂✋





そしてゾーラ・アカピャンvsタラス・ナチュック
アカピャンはまさに1.5流の筆頭といった戦績の選手。対するナチュックはGLORY3位だったビレッドにほぼ互角の判定負けという選手です。
ナチュックはウクライナの希望という紹介でしたが、結構前からイタリア在住だそうです。同じイタリアのチェケッティさんと同じでやたら過去の試合映像でも体がバキバキのムキムキであります💪😤👍

試合に関しては想像以上にナチュックが強くて、どっちかが開幕戦で敗退するのは少し勿体ない印象でした。結果は終盤にダウンを奪ったアカピャンの判定勝ちでした。
アカピャンはボディーワークが良くて今回の出場者では最もセンスを感じました。




ストーヤン vs カスペル・ムジンスキ

参戦が発表された際、なんかカスペル・ムジンスキーって聞いた事あるな~と思ったら、カスペルスキーとの勘違いでしたわ。そういう人、結構いそうです(笑)

ストーヤンはGLORY2位の強豪で最も優勝候補という声が多かったんじゃないかと思う。俺はストーヤンかオウヤン・フェンが優勝候補だと思ってました。
一方でムジンスキは代役の誰やねん謎外人。戦績は23勝1敗(現在)と綺麗な選手ですが、これといった相手とはまだ戦っていないローカルファイターという印象。一応はカリン・ペトリショル(Calin Petrisor)というナチュックに1RKO勝ちしている選手に判定勝ちしています。

この試合が一番びっくりしました。
なんとムジンスキがストーヤンからダウンを奪って判定勝ちの大番狂わせ。決してまぐれではなく、3Rはストーヤンを下がらせて常に圧力をかけてましたね。
不気味なくらいにタフでムジンスキはおもしろいけど、こういうのを見ると日本人は太刀打ちできなそう・・😭😭



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来ましたよ。
元ボクシング日本暫定王者・中島(BOXREC世界SW級166位)と、ロシア代表で富山県在住のアキモフさんによる世界ベスト8をかけた決戦です。中島は今回がキックデビュー戦である事、アキモフさんは過去の戦績などを見ても世界ベスト16にはあまりふさわしくない選手という印象でした。なので、この対戦の勝者は決勝トーナメントでは狙われやすい枠になるんじゃないかなと。

試合は中島が167センチという事で、映像で見てもわかるくらい小さかったです。旧MAXでも165cm前後は山本KID、レミギウス、村浜、ザンビディスとかそんくらいですよね。
当時でも小さい選手はスピードと倒せる最低限のパンチが無いと厳しかった。現代は当時より選手が大型化してるので、中島にとっては更に厳しい状況な気がします。ルールに関しては2004年までのMAXルールよりは現代の方がボクサー向きですけどね

それでも中島が勝つんじゃないかなと俺は予想してました。
ってか、そうじゃないと厳しいと思う。なんだかんだボクシングからの転向組だと佐々木、篠塚、藤田大和などはデビューからすぐRISEランカーやKrushトップ選手に勝ってるので、明らかなロートルでなければ中堅キックボクサーには勝てる可能性は十分にある・・はず。



■画像は旧K1の元ボクサー

しかーし、旧K1MAXでボクサーのマイケル・ラーマが無警戒で須藤元気のバックハンドブローを食らって即ダウンを奪われたように、中島もアキモフさんのバックハンドブローでダウンしてしまいました・・。ラーマはK1ってもんが何なのかすらわかっていない様子だったから仕方ないけど、中島は空手やキック経験有りという触れ込みで参戦してこのダウンは痛い。

旧K1時代に活躍した元ボクサーのカラコダのように常に前へ出続けて圧力をかけたり、対策をしてキックの距離で上手くボクシング技術を活かした前田なんかと違いました。とりあえず前に出てはパンチを合わせられる大東旭、そして前述のラーマのように、参戦して結果が伴わなかったボクサーのパターンそのまんまだった。
ダウンを奪われる前の1Rの時点でこりゃ負けると思ってしまいました。

ガードを固めたり、距離をとれば凌げばスピードやパンチ力だとボクサーはキックルールでは勝てないですからね。ハメ技じゃないですけど、試合がつまらなくていいならキック側が勝つ方法は旧K1時代でも確立されてましたし。




2R、素人の俺でもわかるくらいにバックハンドブローのタイミングを測っているような素振りみせるアキモフさん。エロ本を万引きしようとしてる少年とか、サマーソルトキックを出す気まんまんのガイル並みにバレバレです😂😂


これはさすがにもらわねーよwwwと思ったらですよ





アキモフさんの富山拳が炸裂!!


そして中島はそのまま大の字になってKO負け。
もうなんかこの試合だけスーファミみたいでわかりやすかったです。他はプレイステーションとかセガサターンみたいな試合だったんすけどね😲😲

K1に転向したボクサーだと大泉、小林、佐々木は引退してしまいましたが、小浦、悠斗、今回の中島とKrushでの試合をこれからちゃんとチェックしたいと思います。




前回の試合で和島をKOしてK1王者になった中国のオウヤン・フェンとドイツの仮面男シュロスの対戦です。
これはまあオウヤン・フェンがKOで勝つんじゃないかなと思ってましたが、ダウンは奪ったけどKOとはならず判定勝ち。シュロスは映像を見るとパンチも蹴りもトップクラス相手だと寂しい印象だったんで、印象通りの試合だったかな。

ただやっぱ仮面の不気味さでキャラが立ってたのがMAXらしくて良かったですよ。ブレーメンの暗殺隊って中二病丸出しのMAX感あふれるキャッチフレーズも良かったし(笑)

MAXって腰パンにチェーンをジャラジャラさせたりしながら「まざとぉぉぉぉぉぉ!!」って、現代だと地獄絵図みたいなセンスが必要だと思うんですよ。指だしグローブでもPIKOのTシャツでもいいですけど🤣🤣

魔裟斗だって初期は俺はハリウッドスターになるって豪語してたくらい、とにかく色々痛いくらいのセンスがMAXだと思います😁😁👍




■アベマ格闘Ch TRHD presents K-1 WORLD MAX

そしてこの試合ですよ。
日本のエースである和島とダリル・フェルドンクの対戦。和島を勝たせるために弱すぎず、でも強すぎないという、旧K1でも日本人の開幕戦にありがちだったちょうどいいマッチメイクという印象でした。フェルドンクは元エンフュージョン王者、イケメン、オランダという要素も揃ってる割に映像で見ると雑だしね


なんだかんだ木村ミノルを捌いた和島なら勝てるだろうと、、




いや負けたわ😱😱


1回目にノーダウンと判定されたシーンがそもそもダウンだったと思うし、むしろそこでダウンを取られてた方が少しダメージが浅い状況で休めてたんじゃないかなと思ったり・・。結局は立て続けに倒されて衝撃の1RKO負け。

これで今回出場した日本人は全滅という結果になってしまった。


んー、僕は凄くおもしろかったです。
今出来る範囲であの頃のK1MAXを復活させようとしてると感じたし、GLORYやONEのように強い奴が淡々と戦うだけじゃマニアにしか受けないじゃないですか。それなのにK1も煽りVとかがちょっと薄かったのは残念ですけど。
いかにも格闘オタク向けみたいな煽りVは気持ち悪いから俺は苦手ですが😅😅
 

なにより予選→開幕戦→決勝トーナメントっていうシーズン的な流れがわかりやすい。
この流れが再び定着して、さらに魔裟斗のようにシリーズの顔になる日本人選手が出てくれればいいんでしょうけどね。ただ、天心×武尊ブームの終焉、乱闘及び暴力表現による刺激はブレイキングダウンなどの影響でインフレしてしまってるし、なにをもって人を惹きつけるのかって凄く難しい状況なんじゃないかな。

品行方正を求められても、そんな選手は毒にも薬にもならないからウケないのも現実だし。その辺が今後の課題なんでしょう。




やっぱ今回も大爆笑させてもらったのが全身ヒールのカリミアンさんでした。
去年のヘビー級トーナメントの大暴れは最高にK1してました。昔のくだらない怪獣戦争みたいなK1がカリミアンさんのおかげで復活してましたよ。

今回はそのトーナメントで優勝した中国のリュウ・ツァーとの対戦で、何度も倒されてかなり危ない試合でした。途中でリュウが減点された場面は気の毒でしたけどね。




クイッ! クイッ! クイッ!


PIKOのTシャツなんていう懐かしいアイテムを思い出したからレフリーの波乗り風GIFで締めたいと思います。