家の庭のブロックにぶつかる状態で止まっている
一台の車
エンジンをかけたまま口を開けて気持ちよさそうに眠っているおじさんを起こすのは申し訳ないけれど
ちょっとだけ移動してもらおう
車の窓をコンコンとノックしたがおじさんは起きない
もう一度強めにコンコンとノックしてみたが
おじさんは一ミリも動かない
あれ。。。。
寝ているのではない。。。のか?
よーくおじさんを見る
あ。。。。。
110番。。。。
いや、119番か
どっちだ
正直、もう亡くなっているように見えたが
もしかしたらそうでないかもしれない
なら救急車だ!これは一刻を争う事態だ
と一瞬の間にそう考え
119番にかける
電話の向こうの救急隊員の方に
車のドアがあくか聞かれ
開けると開いた
電話を繋いだまま
大声で
「だいじょうぶですか!!!」
と二度ほど声をかけるが全く反応しない
息もしていない
手のひらが見えたが半分紫色に変わってきている
その事を伝えたあと
蘇生術はできますか
と聞かれたが
車のシートに座っている息をしていない大きな男性に対して
それをする自信はどこにもないこと
電話の向こうの方も
「いや、そうですよね
今、救急車が向かっているので
場所がわかるように合図をお願いします」
更に
警察には連絡してますかと聞かれ
かけていない事を伝え電話を切った
自分の大声で
家からは母親が
近所からはおじさんおばさん達が出てきた