雨の日曜日
過去ブログ整理をしていて
ちょっと疲れが出てきたので
パソコンにお気に入りのYouTubeを流し
パタンと仰向けになった
もう少しで大好きなのど自慢が始まるな
と思った記憶はあるが眠ってしまった
右足の親指が吊り
その痛みで目覚める
寒い
雨の日は好きだが
今日は少し寒すぎる
時計は15時を回っている
あぁ、のど自慢を見逃してしまった
と、ぼんやり思うが
昼寝が出来て少し身体は楽になっている
ゆっくりとハンカチとブラウスにアイロンをかけて
ボーッとする
ボーッと昨日の出来事を思い出す
昨日、車の点検の帰り道
数年振りの知人のお宅に寄った
以前はよく行き来していたが
ライフスタイルが変わったり
そのうちコロナが流行りだし
そのうち自分の乳がんがわかって
何もかもそれどころではなくなった
年に一度の年賀状と
時々電話で話す事はしていたが
おばさんの声は前と変わらず元気に聞こえていた
昨日、
連絡もしないで行ったが
もし居なかったらそれはそれで良いと思っていた
ピンポーン
インターフォンの向こうから
久しぶりのおばさんの声がする
上がりなさいと
いつも通り暖かく迎えてくれる
おじさんは茶の間で横になっていたが
起き上がり
さぁさ、ここに座りなさいと
歓迎してくれる
このおじさんとおばさんは
親戚ではないが
昔からお世話になっていて
家族ぐるみの付き合いだ
自分の事で精一杯だったのもあり
ずっとご無沙汰していたけれど
昨日久しぶりに顔を出した
数年振りのおばさんは
少し痩せて頭は全て白髪になっている
相変わらず綺麗にお化粧もして
お家のなかもとても綺麗に掃除が行き届いているが
明らかに身体はしんどそうで
歩きかたがちょっと気になる
おじさんは
昔からこんな感じだったが
おじさんもちょっと身体がしんどそう
おばさんと逆で少しふっくらしている
おじさんはずっとニコニコと自分の顔を見ていた
コーヒーのお代わりをしなさいと何度も言ってくれる
いきなり行ったのには訳がある
連絡をして行くと
いつも沢山のお土産を用意してくれるからだ
1時間ほど
会っていない間の色々なことを話す
うちもそうだが
ここもそうで
年寄り夫婦だけの生活は
買い物から何から本当に大変だ
車も無いし
タクシーを使うにもお金が湯水のように沸くわけでもない
息子はいるが
離れたところに住んでいて
帰って来れない事情がある
何かしてあげたいと思うが
今は自分も自分の身体と自分の親の事で精一杯だ
『何も出来ないけれど』という言葉は
自分が病気になってかけられた言葉の中で
嫌だった言葉のひとつだから
自分は人にこの言葉をかけることはしない
お手伝いしませんよ、できませんよ
と先に手を打つ言葉だと感じるからだ
(そういうつもりで相手が言っているわけではない事もわかっているがそう聞こえる)
この数年で急に年を取った様に見えるおばさんに
何て声をかけるのが良いのか
自分は何が出来るのかと
頭の中で自問自答する
おじさんやおばさんの力になりたいという気持ちはある
でも、自分は自分の生活で精一杯だ
気休めの言葉はかけたくはない
出来ない約束はしたくない
動きにくくなっている身体で
よくここまで綺麗にやっていると感心する
庭もうちのジャングルと違いこまめに手をかけているのがわかる
でも明らかに
おばさんの身体は老化しているし
歩き方がちょっと変だ
親戚ならああだこうだ言えるが
親戚ではない
でも以前お世話になっていて
いくたびによくしてもらっていたこのおじさんとおばさんに恩返しをしたい気持ちはある
体調が悪い時もある
そんな時は無理だけれど、
でも気軽に連絡して欲しい
また突然顔を出すから
と、真っ直ぐな気持ちを伝えてきた
コロナで会えなかった時間は
止まっていたわけではない
時間はちゃんと皆に平等に流れている
自分も、自分の両親も老いが進んでいるのと同じく
おじさんとおばさんにも老いがきている
ところで
生きている間に会いたい人に会うことが大事だと常に思っている
数年前
札幌の叔父さんも会わないまま亡くなってしまった
コロナで葬儀にも行けなかったけれど
亡くなってからしばらくして
叔父さんが自分の夢に出てきて
上に上がって行った
葬儀に行けなかった自分のところにお別れの挨拶に来てくれたと思っている
でもやはり生きている間に逢いたかった
生きている間に、という言葉は常に自分の中にある
いつか会いたい
そのうち会いたい
は
後でやろうの『後で』と同じで
その『後』はずっと来ることはないということと同じレベルの言葉だと思っている
昨日の話しに戻ろう
昨日、自分が帰る時
こないだ転んだと言っていたおばさんが外まで出てきて見送ってくれ
おじさんは
2階の窓から顔を出して
ずっと手を振ってくれた
おばさんは
持たせるお土産が何も無いと
食器棚から
ポストの形の風鈴を出してくれた
すごく可愛い風鈴で
家に帰って茶の間に飾ったら母親が喜んでいた
ありがとう
またいくからね
また一緒にお喋りしようね