患者力 | pinocoのブログ

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巨大子宮筋腫、乳がんetc·····
何があっても自分らしく生きる七転び八起きの精神でユーモアを忘れず生きています。

7年前に命を助けてもらった医師の一年ぶりの診察に呼ばれる



「お久しぶりです
元気にしていましたか」

いつもの様にゆっくりと丁寧に優しく話すO医師


いつもなら
「それなりに元気にしています」
と答えるところだが

今日はガンになった事を伝えなければいけない



「がんになりました。乳がんです」


そう伝えた時のO医師の残念そうな表情はきっと一生忘れないだろう


旭川の大学病院の乳腺外科で貰った術後の病理診断をO医師に見て貰いながら

旭川での治療のあんなことこんな事をざっと話す


電子カルテの入力違いとか

手術した傷のやけどとその後患部の壊死云々に関しても

ドラマの様な現実の話しを淡々と話し
笑うしかない自分の気持ちに寄り添ってくれる




O先生は旭川の大学の出身で
旭川の大きな病院にも勤務していた事がある


「わかる、わかるよ、その感じ」と

医師の立場なのに自分に共感してくれる



信頼している関係だからこそ言い合える事がある








乳がんの術後の治療は
抗がん剤と放射線治療はやらない
ホルモン療法だけと決めた自分だが

O医師に
先生だったらこの病理結果のガンに
どんな治療を提案するか聞いてみた

O医師は
「う~ん
専門外だからわからないんだけれど」

と言いながらも

「自分だったらこのタイプには
抗がん剤か放射線のどちらかをしたいと思う」


と答えてくれる

専門外だからと言って関わらない様にする医者が多い中、
こんな質問にもちゃんと答えてくれるO医師の存在がとても心強くてありがたい


患者がやりたくないという抗がん剤を
前だったら無理にでもやっていたが
今は無理に勧めない時代にもなったということも言ってくれた




余談だが
O医師の上司で腕利きのスーパーマンのようなSという医師がいる

このスーパーマンS医師はガンを徹底的にやっつけるというタイプの医者で

「ガンは抗がん剤でガツンとやっつけなければいけない」
といつも言っていた


そのスーパーマンS医師も、今は考え方が変わったのかを聞いてみたら

「いや、S医師は変わらない···相変わらずですね」

と、O医師が小さな声で言ったので
思わず笑ってしまった

O医師も可笑しそうにしていた






ホルモン療法の副作用がとてもしんどいということを伝えると


「いや、しんどいと思いますよ
今薬を飲み始めて一ヶ月ですね·····

でも、薬に慣れてきて、もう少し体は楽になるからしんどいと思うけれど、頑張ってください」

と、ゆっくりとしたいつもの口調でそう言ってくれる



肝心の婦人科の方は
内診をして、今は卵巣は大丈夫とのことで


「とにかく今は乳腺外科の治療に専念して大事にしていてください

卵巣に関して、腫れる事があったり痛みがあったり出血等の変化があれば
すぐにここに連絡してくれても良いし、とりあえず旭川で診てもらっても良いです
もし旭川で診てもらって異常な事があれば、予約は関係なく来てくれて良いですから」

と、心強い御守りのような言葉をかけてくれ

一年後の予約を入れて
診察が終わった








さすが国立病院
ロビーの目立つところに沢山の種類のパンフレットが置いてあった

とても読みやすい内容だ



会計を終えた辺りで

コロナ禍で3年逢えていなかった
友人が病院に駆けつけてくれ
病院内の食堂でランチをとる


7年前にここに一緒に入院していた彼女とは
つもる話しは沢山ある

帰りの汽車の時間を気にしながら
お喋りを楽しんだ

女神の様に美人の
彼女の存在も自分にとって
ありがたい存在だ


この女神の友人の口から飛び出た

「私たちって患者力が高いと思うのよ」

という言葉に

確かにそうだと笑いあった







病気は自分達に色々な事を教えてくれている

健康が一番だけれど

もし病気になった時は

その病気にたいしての勉強をして病気を知り
医師から提案された治療を選ぶのも自分だし
そもそも病気を治すのも自分だということを


改めて思う日になった

医者任せの患者にかぎって
文句やクレームをいいがちだが


患者力をつけて


自分の病気と向き合う姿勢を身に付ける事が大事だと思う