術後14日
退院8日目
乳腺外科外来の日
今日は傷口をみてもらう日だ
病理の確定診断はまだ出ない
おどろおどろしい空がお似合いの
母親の白い巨塔が······自分の白い巨塔になるなんて··············
複雑な気持ちで大学病院へ向かう

たまたま
サバ医師の診察室の前に座っていたので
患者の出入りの時に
サバ医師の姿を拝む事ができ
なんとも·······ありがたい気持ちになる( ´ー`)
サバ医師は相変わらずで
彗星のような速さで診察をしている様子がわかる
退院後、自分の担当になった笑わないアイドルのような女医が一人の患者を診ている間、サバ医師は3人程の診察をしている
サバ医師の診察に入っていく患者を何気に見ていたら
患者が入った瞬間、ドアが閉まる前に
『傷口みますよー』
と言っている
流石、一分一秒を無駄にしないサバ医師だ
その調子でこれからも沢山の患者の命を救って欲しいと思う
さて、しばらくして
笑わないアイドル女医の診察に呼ばれた
相変わらず真面目そうな顔でニコリともしない
傷口を診て
『化膿してますね·····テープに負けてるかな······
テープ全部剥がしちゃいますね』
え·······((T_T))
『傷口が剥き出しになるけれど大丈夫ですから
負ける方がちょっと······』
ちょっと·····なに······((T_T))
アイドル女医は
化膿している部分を触ってみている
『今のところパカッと開く事はないと思いますが、もし開きそうだったら
ガーゼと肌に優しいテープを買って貼っておいて下さいね』
パカッとって········(((((T_T))
開くかもしれないのですか····─( ;∀;)
『化膿してるところ·····これ····処置が必要かも········浸出液が出てるからガーゼあてておいて下さいね』
ずっと出てるから···あててますよ···········((T_T))
『まわりのアザになっているところは
引き続き薬を塗っておいて下さいね』
自分は肌の弱さには自信があるので
再度、薬を塗る場所
塗ってはいけない場所を確認すると
『これこれ、この色が変わっているところが化膿しているところで·····──』
枕のない診察ベッドに
仰向けに横たわっている状態で
自分の胸を見ることは出来ない
見えません、鏡持ってきたら良かった·········
と言うと
今まで一度も笑わなかったアイドル女医が
クスッと笑い
『鏡持ってくるって言った方いませんよ』
と一瞬だが笑顔を見せる
そして
『そうだ、スマホで写真撮って見せますね!』
と言い、医療用のスマホで傷口をパシャと写し
見せてくれるのだが
そのスマホを傷口の近くに持っているので
············見にくい( ´-ω-)
見えないからと写真を撮ってくれたのに
その写真を見えない場所の近くで見せるのは·················
なぜだ·············( ´-ω-)
非常に見にくい
とても見にくかったが
一生懸命に首を持ち上げると
どうにか見ることができた
スマホで撮るという気遣いまでは良かったのに
惜しい·········( ´-ω-)
しかし、
あとで家に戻ってからでも見てくださいね、
と言わず、
スマホで撮ってくれるという気持ちが嬉しかったので、もうそれで良い、充分だ
無事に傷口の処置が終わり
(テープを接がしただけ)
着替えている間に
カーテンごしに会話をする
痛みで着替えがパッとできず
時間がかかるので
こういうスタイルになるが
着替えを待たれるより良い
医師に確認した内容としては
▪腕のリハビリはこの大学病院では特にやっていないとのことで自分で出来る範囲でやるといいとのこと
▪鍼の治療は
患側の腕と患部には絶対ダメとのこと
▪痛みが出ているときや脇の腫れが酷いときは
まず休み、痛み止めを飲むのと冷やすこと
仕事復帰についてはいくつかあって
▪動いた時の痛みと
傷口の炎症が治まるまではダメ
▪来週、病理の確定診断が出るので
その結果で治療が必要かもしれない······
アイドル女医はここで少し間をおいてから
▪放射線治療が必要になるかもしれない
と、ゆっくりハッキリと言い
········( ゚ェ゚)
全摘したら放射線治療はないんじゃないんの···( ゚ェ゚)
がん患者相談の部屋の方にそう言われていたのに······( ´-ω-)
そして
▪放射線治療は10日間(だったかな···)毎日あるので
その間は仕事にはいけないとのこと
『で、次の予約ですが、確定診断が出る8月10日と·····傷口心配だったら明後日来ますか?』
心配です((T_T))来ます( ;∀;)
無事に·····(?)診察が終わり
放射線治療があるかもしれないということと
放射線だけ?抗がん剤はしなくていいの??ということで頭の中がいっぱいになっていた
(こわいけれど、明後日聞いてみよう((T_T)))
ふと手に持っているファイルに自分の診察券が入っていないことに気づき
次の患者がまだ呼ばれていない事を確認し
アイドル女医の診察室に戻って探してもらうがない
アイドル女医が自分の手提げ鞄を覗き込み
『有りますよ』
と優しい笑顔を見せた
笑わないアイドル女医の笑顔を二回もみてしまった
入院中に同室だった方たちも
今日が診察日だったようで
お互いの体調の近況報告をし励まし合った
手術が終わってそれで終わりではない
痛みと病理の確定診断の結果で
今後の治療方針が決まる
今日の診察で
現実に引き戻された気がした
そして
今日は母親もこの白い巨塔の診察日だったので
合流してお昼ご飯を一緒に取り
自分は約束があったので
あとで迎えに来ることにした
大切な約束を済ませ
病院に戻って母親の会計を待つ
体力的にもう限界を越えていることが
身体の痛みでわかる