ここにくると
いつもあの昔の歌を思い出す
ガンになったことを伝えた
大切な友人と
半年ぶりにここにきた
いつもは年に一度のペースで逢うのだが
ガンの事を伝えたときに
『逢いたい』と言ってくれ
忙しいのに時間を作ってくれた
ガックリと落ちている食欲の中
食べたいなと思えた
ブルーベリータルト
うん、美味しい
大切な友人との時間は
いつもと何も変わりなく
いつもと違うのは
自分の右の胸にガンがふたつあることだけで
本当はガンなんてないんじゃないかと
どっきりを仕掛けられているんじゃないかと
いつもと変わらない時間に
そう思ってしまうけれど
ガンは確かにここにあって
一ヶ月後には右の胸を取る手術が決まっていて
リンパに移っていなければ再建も出来て
·········
目の前の友人とああだこうだお喋りをしながら
心の中でふとこんな事を考えていた
胸を切り取って
新たに造る
新しい身体を造られるのだ
まるでブラックジャックに造られたピノコのようだな
そういえば
アメブロのアカウント名も
Pinoco(ぴのこ)だ
こう名付けたのには別の理由があるのに
今はブラックジャックに造られたピノコがしっくりくる
ふふ········ヘンテコだけれど
なんか可笑しい
友人へ───────
次に逢うときは
大学病院のブラックジャックに造られた
ピノコになっているから
楽しみに待っていてね──────
友人から元気玉を貰った日曜日
強い太陽の光と
帰りに寄った
１００均と雑貨店の人混みに酔ってしまい
家につくとバタンキュー状態で
いかん、いかん
食べて体力をつけなければと
そう思いながら
バタンと横になっている
そして
懐かしい歌が頭の中に広がっている