話題だった「進撃の巨人」に興味を持ち、久しぶりにコミックの大人買いをしました。





家事や仕事の合間を縫って読みましたが、タダでさえ読むのが遅いのに、この漫画!吹き出しなど読む部分の多い事w。



それでもやっと読み終えました。



今回は「アンチ」なコメントばかりになりそうなので、特に熱烈なファンの方、また心臓の弱い方は読まない方がいいかもしれませんw。



では、始まり始まり・・





【長い!】

とても壮大なテーマだと思います。最後まで勧善懲悪に偏る事なく、このテーマで進めたのは凄い!って思うけど、とにかく長過ぎる!。伝えたい事を伝えるのに、もう少し端的に表現できなかったか?



【画力が・・】

自分が好きな漫画家は、大友克洋さんをはじめ「絵が綺麗」な人が多い、楠みちはる、かわぐちかいじ、五十嵐大介さんなどなど・・。あの漫画の神様・手塚治虫氏が大友克洋さんを称して「彼のデッサン力に嫉妬する」と言わしめた。もう少し絵が綺麗だとキャラを書き分けられたのでは?。経年の変化も気付かせる画力を求めるのは高度すぎる注文かな?。また効果線が雑で全体像が見にくいコマも多いですね。



(これが進撃の巨人らしい。名前さえ出てくるの遅いよ〜w)



【ネームの練りが・・】

もう少し「絵」に頼って、吹き出しを減らしては?。漫画なのに小説並み(以上)の吹き出しの多さ!。とにかくスラスラとは進まない。説明的台詞が多いのもストーリーの複雑さから仕方がないのかな・・。無いと全く分からないしw。



【説明が後?!】

タイトルの「進撃の巨人」って単語が出てくるのも、ずっと終わりに近づいてから。それと同様に勝手に新出単語が行き交って、説明が後・・って、読者置いてけぼりかよ!って思う。実際の戦争でも敵国の事は後になるまで分からない。リアルさが分かりにくくしている主な原因じゃね?。



(とにかく吹き出し(台詞)が多い)



【デザイン性】

まず巨人の歯の数で最初に違和感を覚えたし、何故皮がなくて肉が剥き出しなのか?。デッサン力とも言えるかもしれないが、巨人の形態が最後は怪獣になってるし・・w。骨に首がぶら下がってるデザインも練り足らない気がします。最後の巨大ナメクジなんて、いきなり登場やん!w



【ご都合主義】

無垢の巨人ってみんな「人間だった頃の面影」を残しているのかな?。ちょっとリアルな顔立ちで、それも気持ち悪い。全編「気持ちのいいシーン」なんて無いんですけどねw。その他の9人の巨人は全然違う容姿なのになぁ〜。サイズも何故様々か?の説明も無かった気がする。



(一番ドラマチックで好きなシーン)



【とにかく複雑】

対立国の立場によって「正義」が異なるのは当然。・・なのでストーリーの中で立場が違う描写の度に頭がこんがらがる。歴史も100年前、7年前、4年前・・とか、成長して親子の世代間分飛んだり・・。絵がちょっとアレで説明が入るまで誰だか分からない。私がアホなんですけどねw。まぁ、時間と空間が行ったり来たりで脳内だけでは整理出来ませんw。



【テーマが・・】

自分は読書量が少なく、読み取る力がない。しかし中学生よりマシだと思うのだが、本当のテーマは何か?、自分の感じたままでいいのか?、作者の意図を汲み取れているのか?不安だ。



(一方でリアルな顔の無垢の巨人もいる)



【観念世界?】

終盤になると「観念世界」と言うか「精神世界」と言うか(昔読んだ本で言うと「ナイト・ヘッド」)、想像世界をイメージ化した空間でストーリーが進んでいく。小説は個人の想像で進むが、漫画は読者個人のイメージと乖離しないかな?。



* 以下ネタバレ御免!



自分は、最後に「巨人が消えても戦争が無くならなかった」事から、人間(人類)の愚かさ、争いを無くせない未熟さを感じた。

話の中頃には、100年前の言い伝えから「外国」を「悪魔の国」と教えられて育ち、盲信的に敵国を憎み、軍人であろうが民間人であろうが機会があれば憎しみを持って殺す。

見てもいない事を言われたままに信じて、殺人までできる恐ろしさ。「教育」の重みを感じた。

日本の戦前、今も世界中の国々が戦争に突き進む仕組みって、概ねこんな感じなんだろう。

一部の人間が既得権益を守るため、社会的地位を守るために、武力と恐怖で社会秩序を守りながら、外にいる悪に立ち向かうため!と称して、現状を「良し」としているのだ。

真実や真理、正義は何処にあるのか?

今も世界中にある戦争は「誰が得?」って考えたら、馬鹿馬鹿しくて直ぐに辞めそうなもんですが、その考えもない多くの人間は愚かですよね。

また国籍、民族、人種など、人類を分ける線引きで行われる差別。見下し、阻害し、叩き潰しにかかる。結局はストレスの吐け口なんでしょう。いや自分を守らねばと思う恐怖心かもしれない。



裏に隠れた重いテーマを、エンターテイメントと言う皮を着せて最後まで読ませた。やはりプロは凄いです。文句はいっぱいあるけど、私みたいな者にでも、何かを感じられたので「うまく作ったなぁ〜」としか言えない。



また忘れた頃に読み返します。



ではまた・・



【追伸】

昨日の記事の最初の写真が二枚飛んでいました。修正したので、昨日の午後10時までに読んでくださった方は、是否もう一度!w