一件落着 | Junk-music

Junk-music

ふとした出会いが人生を掴む

我が家に沿って小さい川が流れている

その川のこちら側は私の家の管轄

向こう側は隣の管轄だとわかった

理由は向こう側の石垣に犬びわの木が

二本生えている

その一本が何かの弾みで川に落ちた

市役所に聞くと県の河川課に取りに来て

もらうように言われ来てもらった

「もう一本の木も伸びて私の家の倉庫が暗くなるので

取ってください」とお願いすると

「川向こうは向こう側の家が持ち主でお宅はこちら側

しか切ったら駄目です」と言われた

それでも大きくなりすぎたら今までのように切り続けた


隣の古い家が無くなり駐車場に変わり塀の工事が

進む

網を貼ったらもう向こう側からは切れない

思い切って工事の人に言ってみた

「工事をしたらこの木が切れなくなりますよ、すみま

せん、自然に生えてきてるので取ってください、家の

倉庫が暗くなってしまうんです」

と言ってみた

マーキーも一緒に丁寧に頼んだ

(内心近所で争いごとはしたくない)


翌日地主さんと工事の人と話した

大きくなりすぎて根から取られないそうだ

そして地主さんはおもむろに

「家を壊したらお宅のモチノキがセメント塀を

根が押して壊れかけてるんです」と

(家が壊される前)
もちのき


(家が壊された、モチノキの上のほうは映ってない)

家の取り壊し

(塀は二重に補強されたが根の方が強かったら

これも壊すかもしれない

いずれ考えないといけないかも)

マーキーは

「この木は父の形見ですがご迷惑をかけるなら

切ってしまいましょうか?」と

地主さん

「いえいえ切らなくてもいいんですよ。塀は裏から

補強もしますから判っていればいいんです」

業者の人に「川の木は切れるだけ切ってください」と

言って

業者の人は「モチノキは金持ちさんが植えるとで

私の家にもありますばい」と笑わせる

私たちも今まで気にしていたことがスーと消える

「お互い様ですね」とお互いに言い合って和解


川の木にばかり気を取られていた回りにも気を配

るべきだったと反省

「古い家が無くなっただけでもいいよね」と二人で

「植木屋さんにどのくらい根が大きくなるのか聞いて

いずれ切らないとね」とマーキーは少し寂しげ