逡巡 | そう思うのは、酔っているからさ。

そう思うのは、酔っているからさ。

つねに本質をハアクしていたいと、切に願うぶろぐ


何年かに一度、サイフを拾うことがある。



あるときは、小樽で

早朝の閑散な通勤路を歩いていると財布が落ちていた。

中身を調べようとしたが、20M先で身体をこれでもかと

叩きまさぐり焦っている様子の男性の後ろ姿が目に入った。

「これじゃないですか?」



あるときは、埼玉で

拾ったすぐ近くに交番があったんで届けてみた。

その前に中身を見てみたが、お金はほとんど無く

換わりに病院の診察券が15枚ほど詰まっていた。

それらをゾンザイに机に広げる眼鏡で小太りの警察官に、

不快な気分を感じたのを今も覚えている。

(Mr.闘病、満身創痍の持ち主に正しく戻ったのだろうか?)



そして今日、石川県で

イオンで買い物、レジを済ませて商品を詰めていると

横の台座にGUCCIの財布がぽつんとあるのを発見した。

パッと見は厚い。何気なく拾い上げて中身を素早く確認する。

小銭入れ部分には数十枚の小銭があり、

カード入れ部分には十枚ほどのカードが差さっている。

お札は一枚もない。

2秒、逡巡。

試しにもう一度だけ中身を確認してみる。


(財布を落としたらヘコむだろうなー)

(カードを使い込んでもすぐ足がつく?)

(落とし主が美女で届ければお礼で出会いも)

(もし10万円入っていたら盗ったかも?)

(いや20万円までならガマンできるかも?)


イオンをチャリで離れるオレの頭に想いは巡る。

なんとなくの落としドコロ、素直な結論は、

(30万円入っていたら、チャクフクしてたな)


ビバ人間。


お礼の電話が美女でありますように。