お久しぶりです。ポタフェスなので、自分のメイン機種を紹介しておこうということで!

 

SHURE SE846CL-A

自分のカスタムは ケーブル:丸七白龍3.5mm イヤピース:SednaEarfitLight M。

 

<オススメ度>☆☆☆☆☆+ 5+ (購入済)

 

今回のSE846は色んな意味で紹介順を悩みましたが、

自分の今の最高基準をご紹介しておこうということでレビューに踏み切りました。

 

「SHURE」のイヤホンを知らない、見たことがないイヤホン好きはまず居ないと思います。

イヤホン沼はSE215SPEを買うか検討する所から始まると言っても過言ではないですしね。

自分も大学の頃にSE215SPEを買いました。5000円から1万円台にランクアップする瞬間ですね。

そんなSHUREのフラッグシップモデルがSE846です。

SE215 315 425 535の飛び級グレードの8、4ドライバの4、リケーブル+ノズルインサートの6

という命名法則によります。

 

なんと2013年発売モデルが2020年間近の今も変わらずフラッグシップとして君臨しています。

なんとなく新しいイヤホンの方が「最新技術」だとか、「新素材」「新開発ドライバ」の恩恵があるのでは、

と思いがちですが(自分もそうです)、やはり本来スピーカーは分野的には枯れた技術なんだなと

思わされますね。

 

余談ですが、SHUREの試聴機ってフォームタイプのイヤーピースが付いている事が多いんですが

アレって汚くて試聴したくなくなりません?その関係でSHUREってほぼ試聴した事無かったんですよね…

フォームの好き嫌い以前にそっちが気になるのでシリコンイヤーピースにしといてくれないかなぁ…。

 

【本体】

現在はカラーバリエーションがありますが、当初はクリアのみでした。

このクリアボディがメチャクチャカッコいい。整然と並ぶドライバ、基盤、ローパスフィルタはまさに

洗練された機能美そのものに感じます。

筐体自体はプラスチッキーに見えてもおかしくないはずですが、実物を見ると全くそう感じません…。

また4BAということでサイズも一般的な大きさに収まっています。

 

スケルトンの中に整然と並ぶメカニックが本当にカッコいい。

 

ドライバの配置は3Wayで低/中/高に2/1/1です。ごく普通のBA多ドラ配置ですね。

ドライバー自体にSHUREの刻印の入ったカスタムドライバーになっています。

ドライバはやはり数積めばいいモノではないんだなと改めて感じます。

(でもつい10ドラとかいつかは手に入れたいと憧れてはしまう…)

 

イヤピースは付属品ではやや微妙。細軸なのでそのままで対応出来るイヤピースは少ないですが、

Final Eタイプのイヤピースには細軸用のアタッチメントがあるのでおすすめ。

自分はアタッチメントを付けてSednaEarfitLightを使っています。

 

Finalの細軸アタッチメントがめっちゃ便利です。(赤いチューブ)

装着するとノズルが浮いたように見えるのも少し好き。

 

付属のケーブルは116cm・160cmの2種類です。太さも見た目も良く音質的にも十分ですが、

巻きっぱなしだと少し癖が付きますね。価格的にも4000円くらいで買えるので丁度いいグレードかと。

遮音性は必要十分くらいです。比較的小型なので本体による遮音はそれほどありません。

音が鳴っている最中に環境音が気になることは無いですね。

音の通り道はノズルも含めフルメタルなので、ほぼ全てノズルから出ているイメージです。

そのため十分音量を出しても音漏れもほぼありません。

 

リケーブルはMMCXの為、ケーブルの選択肢が非常に広いこともメリット。

付属ケーブルも悪くはないですが、換えたい時にすぐ換えられるのはやはり正義ですね。

 

【音の特徴】
<バランス>高域7・中域6.5・低域7 (ブライトノズル使用時)

 

今時4BA程度の多ドライヤホンも低価格帯でも普通になりました。多くドライバを積む以外にSE846には

明確な武器がいくつかあります。それがローパスフィルターノズルインサートの存在です。

 

多ドライヤホンにおける低域用ドライバーは「低域がよく出せる」けど「低域しか出ない」わけではなく、

中域高域の音も出ています。その不要な音が中高域用ドライバーの音を濁してしまいます。

ローパスフィルタは溝と穴の空いた薄い10枚のステンレス板を張り合わせ音の通り道を長くし、

波長の細かい高域を意図的に減衰させることで、欲しい低域のみを取り出すパーツです。

上の2個が低域BA。中高域用ドライバはフィルタを通らず、ノズル直前まで分離しています。

 

これがあることで低音のチューニングに幅が出るのか、低域が非常に量感がありつつ分離のよい

輪郭のしっかり低音に聴こえます。メーカーの言う「サブウーファーのような音」というのは

低音マシマシという意味ではなく「低音のみを分離し的確に音に乗せる事ができる」という感じです。

 

ノズルインサートは、ごくシンプルに詰め物の量が違う三種のノズルを交換して

高域の減衰量を調整するシステムです。相対的に低音域は少し丸く多く聴こえるようになります。

実際これがかなり雰囲気が変わるのですが、個人的に一番SE846の特徴が強く出るのはブライト。

バランスノズルも悪くないけど、特にSE846でなくてもいい普通の良い音になってしまう気がしました。

何よりブライトの高域の煌めきと響きは圧巻です。低域もキレが良く、響きと圧もまずまずの感触です。

ウォームノズルは正直音が籠ってしまう為、あまり使えません。

SE846特有の音を感じるならブライト、オールラウンドが良ければバランスでいいと思います。

SE846のノズル。金属製でカッコいい。この中にノズルインサートを入れて締めます。

 

基本的な出音は比較的フラットかつ全帯域に渡って非常に高解像度で分離の良い音です。

上から下までBA型らしく細かい音の繊細な再現力に優れており、SHUREの開発力の高さがわかります。

 

高音域に関して、クラッシュやハイハットの音が滑らかかどうかを評価の指標にしていまして、

SE846は高域の粒が細かく滑らかで音が抜ける時も滑らかなまま溶けるように無くなります。

「安いけどよく纏まっていて、傾向としては好みの良いイヤホン」はいくつかありますが、

そういう機種でも高音域の粒の大きさがバラついたり、粒が大きくて少し暴れ気味な場合があります。

SE846に関しては音の量のバランスもそうですが、明確に音の質が良いと感じます。

 

低音域はキックの音圧がしっかりと伝わるサブウーファー感もありつつ、主張しすぎない量感です。

キレの良さと響きが両立しており、非常に整った低音になっています。

とにかく全帯域において解像感・分離感が抜群に良く、音の粒が非常に細かい事がわかります。

やはりローパスフィルターによる濁りの元の除去が大いに効果を発揮していると思われます。

非常にバランス良く、かつハイレベルにまとまっています。

 

全体的に音はの定位は近めですが、音の分離が良い為、より細かく音を聴けるという点で

プロ用IEMらしさを感じます。音場もイヤホンですからこのくらいで十分ですね。

 

<ドライ>--☆--0-----<ウォーム>

かなり澄んだキレのある傾向です。

カサついたり金属感はありませんが、ウォームな特徴はありません。

 

<薄味> -----0☆---- <濃味>

それほどリスニング向けというわけではなく、あくまでも音源の再現力がメインといった感じ。

基本のバランスとしてはフラットに近いが、微ドンシャリくらいのリスニング感はある。

プロ用モニターだけあって、音源の表現はかなり広いので様々なジャンルに合います。

 

【総評】

4BAのイヤホンというのは今や低価格帯でさえもう珍しくないですが、SE846のローパスフィルタは

発売から6年以上経過した今も他のイヤホンで見ない技術です。

それでいて音質の高さは今も一線級ということは、やはりローパスフィルタの効果はあるのかなと。

現在では中古価格も半額程度まで下がり、非常にオススメの機種と言えます。

 

この機種の評判を知ってはいたものの、試聴機がことごとくウレタンだったのでスルーしていました。

が、故障したメインの代替機を探しにじっくり試聴出来る機会があったので試しに聴いてみたところ、

あまりに良すぎて5万以上でしたが即決でその場で買ってしまった経緯があります。

そして、そのまま聴いているうちにメインの座を奪ってしまいました…。

 

結果的に自分の高音質の基準が現在SE846となっています。

良いと思う機種はありますが、これの存在によって半端な散財をしなくなったので

実質イヤホンスパイラルの終わりも見えてきましたね。本当に買ってよかったと思っています。

 

 

本日はポタフェス秋葉原。

なにか買うことは無いと思いますが、自分がどれくらい試聴が上手くなったか試す意味でも

多くの機種で試聴めぐりをしてこようと思います。

 

以上、SE846でした。