2017年5月25日(木)
下北沢ガーデンで、「HOBO CONNECTION 2017 ~HOBO SPECIAL~」。
出演は、リクオwith HOBO HOUSE BAND、仲井戸“CHABO”麗市、大槻ケンヂ。
リクオとチャボの共演は以前にも同イベントで観ているので、イメージができる。音楽と音楽。音楽愛と音楽愛。魂と魂。その真剣さの上に立っての交感(または交歓)。しかし今回はそこに大槻ケンヂが加わるのだ。言うなれば異物混入(←あ、失礼な意味で書いてるわけじゃないですよ、もちろん)。果たしてそのことがライブにどのような作用をもたらすのか、イメージができなかった。が、だからこそ興味をもった。
さすがに謙虚さが表れた様子の大槻だったが、MCの面白さはチャボをも笑わせ(コント映像の収録でマジになって監督に問いただすジョニー大倉を清志郎が見て、大槻に「ジョニー大倉って怖いね」と囁いた…という話を披露。チャボ、爆笑しながら「あいつ弱っちいからなw」)、バンド内においては“いい、いじられ役”も務め(これまでのバンド人生で一度もしたことがなかったという“曲の締め”が、案の定ビシッと決まらず、チャボが面白がって何度もやらせてた)、楽しくもほのぼのしたムードをライブ全体に注いでいた。筋少のようなヘヴィな音のバンドじゃないところでガナらず歌う大槻の歌を僕は初めて聴いたのだが、それも味わいあってなかなかよかったし、彼を見て演奏するチャボもリクオもとても楽しそうだったのがまたよかった。
一方、チャボとリクオwith HOBO HOUSE BANDによる時間は、そりゃあ音楽的にビシッと引き締まっていながら豊かな味わいのあるもので、言うまでもないけどやっぱり素晴らしかった。ドラムが替わった新生HOBO HOUSE BANDの演奏がまた素晴らしく、とりわけ宮下広輔によるペダルスティールの音表現にしびれた。彼とチャボとの音のやりとりなんかもう、そこから景色が見えてくるようでね。
演奏された曲はそれぞれのオリジナルとそれぞれの思い入れのあるカヴァー曲をいくつか。RCの曲が思いのほか多く、清志郎への言及(チャボ「5月…未だにピンとこない忌野くんの命日」とポツリ)もあったりして、僕的にはこの前の「忌野清志郎 ロックン・ロール・ショー 中野サンプラザホール Love&Peace」なんかより遥かに清志郎を近くに感じることができた。
選ばれた曲と曲にはいくつかの繋がりがあり、そこからメッセージ的なものも浮かび上がってきたりした。リクオが披露した新曲のうちのひとつに「永遠のロックンロール」と題された曲があり、チャボはあとでチャック・ベリー追悼的に「ロックンロール・ミュージック」を演奏したりして、終盤には「雨あがりの夜空に」もあったわけだから、つまりテーマのひとつは言うなれば「ロックンロール・ミュージックのステキさと永遠性と希望」だっただろう。因みにリクオは「ブルーハーツが聴こえる」というようなタイトルのロック曲の終盤で「あれから30年、バッテリーはビンビンだぜ。大人だろ、勇気を出せよ」と歌いこんだ。今こその「大人だろ、勇気を出せよ」で、そこに僕はめちゃめちゃグっときた。
それに加えて、出演者全員でじゃがたらの「もうがまんできない」をやり(ヴォーカルは大槻)、続けてRCの日本語詞カヴァー「明日なき世界」をやったあたりからも、もうひとつの明確なテーマが浮かび上がってきた。リクオは「共謀」や「忖度」といったワードもMCのなかで度々用いていたので、尚更伝えんとするところは明確。書くまでもない。要するにそういうことだ。
ところで、じゃがたらの「もうがまんできない」。自分がこれまで生きてきたなかで特別な日本のバンドが3つあって、そのうちのふたつはRCとじゃがたらなんだが(もうひとつ? そんなのザ・たこさんに決まってるじゃないですか?!)、そのRCのギタリストがじゃがたらの曲を弾くというのは、なんだか夢みたいなことだった。普通に考えたらありえない。そして大槻ケンヂの歌も気持ちが入っててよかったが、この曲の(特にAメロは)チャボの歌い方にも合うんじゃないかと、実は以前にも考えたことがあったし、昨日も改めて僕はそんなことも考えた。いつかチャボの歌う「もうがまんできない」を聴いてみたい。な~んて高望みですかね。なにしろこのライブの自分的ハイライトは、チャボがじゃがたらの曲を弾いたという、そこ。ホント、こんな日が来るなんて思ってもみなかったよ。
あ、そうそう、あとひとつ。チャボが寺岡信芳を紹介する際に、昔のアナーキーの話をするの、好きだなぁ。80年、81年あたり、何度かRCとアナーキーの両方出てるイベントを体験している人間としてはその頃のこともよみがえってきてニッコリしちゃう。寺岡もチャボにいじられるのが嬉しそうでねえ。