2018年12月11日(火)

 

東京ドームシティホールで鬼束ちひろ。

 

前回の東京公演は観に行けなかったのだが、前々回のツアーのあと彼女のなかでモードチェンジというか、ふっきれた何かがあったのか、いつになくMCが(あくまでも彼女にしてはだけど)多めの開けたあり方。前半の機材トラブル時の繋ぎの喋りもかえって観客との距離が縮まり、よかった。

 

前半はピッチが不安定で声も揺れめ。だが後半のある曲から俄然、声の迫力と豊かさが増していく。それ、ある意味安定の鬼束スタイルとも言えようか。最近、何かがあって肋骨にヒビが入ったらしく、そのあたりを抑えながら歌ったり。曲終わりで「アバラ、痛ぇ」と言ったりも。ほかにいないよね、そんな歌手。

 

その影響からか、声の出方がいつもと微妙に違っていたような。カラダの奥から声を響かせるといった感じではなかった気がする。がしかし、全身全霊であることに変わりなし。冷静に見れば決して高クオリティのパフォーマンスではなかったのだが、それでもやっぱりどうしたって胸を揺さぶられてしまうのだった。それにいつもより優しさの成分が歌に多めにあった気もした。

 

「私のやり方、生き方」と言って歌われた「Venus」がとりわけ胸をうった。

 

2018年12月11日(火)

 

中目黒のCOMPLEXBOOSTで、(GOOD BYE APRIL作品のジャケなども手掛ける)グラフィックデザイナーの井上絢名さん、フォトグラファーの伊藤元気さん、スタイリストの金光英行さんによる展示会「a MOLE」。

 

モデルの選出、色使い、構図……その隅々にまでポップであることの美学が表出。モデルの表情及び身体表現、そこに普段は表に出るはずのない黒子の手などが映り込むことで生じる別の意味性、ユニークな違和感、新たな動き。面白い! また、散りばめられたオレンジ、ピンク、ネオンカラーなどの蛍光色に必ず黒子のブラックが入ることで絵が引き締まる感覚もあり。制作過程に対するアイロニーも含まれてるようでニヤリとさせられたりもして。どこか英国的でありアジア的でもあり、ってなポップさも好みでした。行ってよかった!

 

2018年12月8日(土)

 

ビルボードライブ東京でBONNIE PINK(2ndショー)。

 

出産があってしばらく活動を休んでいたため、実に3年3ヵ月ぶりのワンマン。だが、ブランクを全く感じさせない声の出力・声質のよさ。仕上がり上々といった感じで、さすがだわと唸らされた。

 

このあとイブに大阪公演が控えているのでセトリには触れないほうがいいのだろうけど、とりあえず予想以上にクリスマス色を前面に打ち出した内容。合うんだ、ボニーとクリスマスって。ひとつだけこそっと書いちゃうと、ボニーでクリスマスと言えば…っていうあの大名曲も歌ってくれて、自分的にはそれ、あらゆるクリスマスソングのなかでもベスト10位内に入るくらい好きだったりするので、それが自分内ハイライト。

 

MCではこんなことも。「3年もあいちゃうとは思ってなくて。でも作って出してツアーやっての連続だったので、1度それをとめてみてみようと」「だけどぼんやりしてるとシャーデーみたいに8年ぶりの新作とかになっちゃうので、そろそろ重い腰をあげて。私の創作意欲は枯れたわけじゃないんです!」。その言い切りに大きな拍手が起きてました。

 

自分にとって、90年代にデビューした日本のシンガー・ソングライターのなかでBONNIE PINKは最も思い入れの強いひとり。デビュー時から何度となくインタビューして動向を追ってきたこともあり、やっぱり観ていて思いが巡ったし、すごくいいライブだったので嬉しかった。あらためて…「おかえり、ボニー」。新作もの~んびり待ってますよん。

 

2018年12月7日(金)

 

渋谷O-Westで、Ryu Matsuyama。

 

四家卯大カルテットとの共演による厚みある開幕曲のスケール感からしてもう圧倒的。その後3人になっても少しも音が薄まることなく、彼らは最後まで集中力を切らさずにいろんな景色を見せてくれた。いつもより広い会場で持てる力を最大限に発揮した今夜の3人。新曲「ライト」もよかったな。今まで観てきたなかで一番いいライブだったと思う。

 

2018年12月5日(水)

 

さいたまスーパーアリーナで、宇多田ヒカル。

 

正直に書くと、ここ数年の彼女に僕は、なんだかずいぶん遠くに行ってしまった孤高の芸術家といった印象を抱いていた。作品はそれはもう圧倒的なクオリティで、ほかの誰にも表現しえないことを表現していたわけだが、ある意味崇高というかなんというか、軽い気持ちで接し辛い距離(ディスタンス!)のようなものを感じてしまっていたのだ。

 

たぶんそれは僕ひとりの印象ではなかったと思うのだが、そういう捉え方をしている人もいるということを知ってか知らずか(もっと言うなら払拭したいと思っていたのかどうか)、とにかく今回8年ぶりとなるライブステージに、彼女は吃驚するくらい無防備な状態で立っていた。

 

いや、高度なテクを持つ国外ミュージシャンたちと共にハイテクな舞台装置~ライティングのもと、見惚れてしまうデザインの衣装(美しい背中を強調!)でそこに立っているわけだから、そういう意味では無防備という言葉は正しくないのだが、でも心の無防備さとでも言おうか、あまりにもアーティスト然としていない素のような状態で彼女は今回大勢のファンたちの前にいたのだった。自分を曝け出す…というのとはまたちょっと違うかもだけど、恐らくそうやってそのままの自分でそこに立つ以外に方法がなかった、その方法を選び取るしかなかったということなんだと僕は想像する。

 

とにかく、これほど初々しい彼女といままた「再会」することになるとは思いもしなかった。昨夜ステージにいたのは、まるで“あの頃”の“ヒカルちゃん”のようで、とりわけ初期の曲を歌っているときなどは99年や2000年の夏のゼッブや代体や千葉マリンでの彼女が思い出された。これは僕だけの感覚かもしれないけど、なんだか懐かしい気持ちにもなったのだった。と同時に、もろくて、頼りなくて、少女のような、そのリアルに心揺さぶられまくった。

 

予め考えて用意してきた言葉ではなく、いまそこで実感していることを彼女はなんとか言葉にしてみんなに伝えようとして、うまくまとまらずにつまったり、「えーと、何を言おうとしてたんだっけな」としばらく考えたりもして、客席からは「頑張ってー」という声がたくさん飛んだ。デビュー20周年になる歌手に「頑張ってー」というファンの声がたくさん飛ぶという光景はほかで見られるものじゃないが、しかしそこには確かにあたたかさがあった。「こうしてまた20周年の年にツアーができたことの嬉しさもあるけど、それ以上に今夜ここでこうしてみんなの前で歌えていることを幸せに感じる」というようなニュアンスのことを彼女は話して、まさにそのことの喜びがじんわりとこちらにも感染し、みんなも僕も幸福な気持ちになっていった。

 

前半・後半・アンコールと、歌唱の印象はパートごとに少しずつ変化していった。わかりやすいところとしては、前半は声の揺れ(←それは彼女の歌の魅力でもあるけど)、ピッチの不安定さをけっこう感じたのだが、後半からそれほど気にならなくなった。それも恐らく、彼女がそこで歌うことの喜びを実感していったことと並行しての状態だったのだろう。

 

スチャがゲストで出てブギーバックを一緒にやったりもした99年4月のゼップから観てきてる自分にとって、これまでで最も完成度が高くて感動も大きかった彼女のライブは、8年前(休業前)に横アリで行なった「WILD LIFE」。宇多田ヒカルの真価が発揮されたそのライブが全ての面でダントツ1位だった。今回の「Laughter in the Dark」は構成と歌唱パフォーマンスのクオリティにおいてそこには及ばなかったものの、しかしそれとはまったく別種の「くるもの」があった。

 

いまはライブを活動のベースにするアーティストが大半であるなか、宇多田ヒカルはやはり録音表現が絶対的に主軸であって、所謂ライブアーティストではない。が、だからこそ滅多にやらないライブがこんなにも純度が高くて、こんなにも尊いのだと、改めてそう思った。

 

つくづく、ほかの誰とも比べられないアーティストだ。

 

(*スマホによる写真・動画撮影が全面OKとか入場に関しての新システム導入などいろいろそっち方面でも「ほお」と唸らされるライブだった、けどまあそのへんはいろんな人が書くことでしょう)

 

2018年11月29日(木)

 

渋谷O-EASTで、レモンツイッグス。

 

6月のゴート・ガールの日本公演でもオープングアクトを務めてたTAWINGSが40分程度やって、レモンツイッグスのライブが始まったのは20時頃だったか。

 

フジロック・レッドマーキーで観て以来のレモンツイッグス。後ろのメンバーが代わって、印象もあのときとはだいぶ違ってた。ふたりともドラムを叩く場面は1度もなかったし。楽器の持ち替えはなく(1曲だけブライアンが鍵盤弾いたけど)、役割分担をより明確にした形。

 

あの素晴らしい2作目の楽曲群をライブでどう聴かせるのか、再現できるんかいなと思ってたら、見事にライブ向けアレンジになってて、うわぁ、やっぱ録音も実演もどっちもすげえや!と。あのアルバムにロック要素はほとんどなかったけど、ライブとなるとバリバリ、ロック。弟マイケルはミックとイギーと!!!のニックと江頭が混ざったような動きで(見た目は清春似)ロックスターとしての役割をまっとうしてたし、ブライアン兄ちゃんも上半身裸になって飛び跳ねながらギター弾いてたし。70年代のMUSIC LIFE誌のグラビアに載っててもおかしくないルックで、とにかく“おもいっきりやる”って姿勢がスバラシイやね。ツアー最終公演ってこともあるんだろうけど、出せるもん全部出して爆発的なパフォーマンスを見せてくれた感。突き出すお尻もかわいくて。最高でした。

 

弟の低めの声もいいんだけど、なんたってお兄ちゃんのヴォーカルが本当によいね。彼の歌が実は肝なんだなぁ。それと、ふたりがワンマイクに顔寄せて歌った場面がストーンズの「デッドフラワーズ」っぽくて好きでした。

 

それから鍵盤の彼がいい音出してたな。ナイス・サポート。彼と3人だけでやる曲ももうちょい多めに聴きたいと思ったりも。

 

2018年11月27日(火)

 

国際フォーラム・ホールCで、キャンディス・スプリングス。

 

もうちょっとうまい見せ方ができるはずなのに…という歯がゆさが最後まで。ピアノトリオ(キャンディスはローズまたはグランドピアノを弾いて歌う)でのライブなのだが、今回もさほどキャリアの長くない若手ドラマーとベーシストで、特に性格はよさそなドラムくんはやけに力いっぱい叩いたりで、曲を活かすプレイをしているように思えない場面が多々あり。僕はキャンディスより歳上のそれ相応のキャリアあるリズムセクションを選んだほうが彼女もいろいろ向上できていいと思うのだが。キャンディス自身、キャラと声はいいんだけど全体的に抑揚の付け方がまだまだというか、表現の仕方が少々雑に感じられるところもあり…。せっかく2ndアルバムの質がよく、曲に幅もでてきたのに、それを活かせてない印象。そのへんちゃんと指摘してあげられるいいステージ監督とかアドバイザー的な人と巡り会うことを願ってます。いまのままじゃいろいろ勿体ない。

 

2018年11月24日(土)

 

高円寺のJIROKICHIで、ザ・たこさんの『ザ・タコサンアワー番外編~独占! タコの120分~』。

 

『ザ・タコサンアワー』はいつも年の瀬に行なわれる2時間越えの長尺ライブ。だが今回は11月の「番外編」。言い換えるなら「特別バージョン」。いつもと何が違うのかというと……そう、ザ・たこさんを柱に地元・大阪の“愉快な仲間たち”が揃って出演するものだったのだ。やってきたのは、あうんさん・すうじぃ、キチュウ、キタバヤシ、桜川春子(a.k.a.レディ・ババ。ザ・たこさん安藤のヨメ)、ドスタコス(元ザ・たこさんのベースで、ザ・たこさん初作品からのエンジニアでもあるマツケンこと松田健のトリオ)。つまりは一座あげての総力戦。これ、大阪でもやったことがなく、今回のJIROKICHIがお披露目公演だったわけだが、いやもう想像を遥かに超えた楽しさ面白さ。オープニングタイムアクトから全員揃ってのエンディングまで、全てが見どころのソウルレビュー(あるいは大忘年会!)。爆笑しながらも音楽そのものの強度にやられっぱなしで、これぞタコサンアワーと言えるものだった。恐るべし、たこさん一座。こんなにも濃厚なレビューを見せることのできるバンド、関東にはおらんでしょ。

 

DJと司会はあうんさん・すうじぃ。ブルース・ブラザースに敬意を表して黒のスーツでキメた彼がソウルの7インチをまわしながら喋って場をあたためたあと、オープニングタイムアクトはレディ・ババこと桜川春子の弾き語り。言語化の難しい強烈インパクトと話芸歌芸でたちまちみんなが爆笑の渦に巻き込まれる。

 

続いて主役のザ・たこさんオンステージ。「ネギ畑」に続いてまずは先代MCのキチュウが「キチュペクト」(オーティス「リスペクト」のキチュウ版)を熱唱。彼はそれ1曲でひとまず引っ込み、現MCのキタバヤシによる呼び込みで安藤登場。早々に「カッコイイから大丈夫」が投下され、たちまち生まれる一体感。「40肩」から「肩腰背中」へと歌詞的にも繋がる2曲が続いたあと、ここで桜川春子の再登場。流し台(シンク)の話からアレサの「シンク」へ。ド迫力のシャウトと表情芸に圧倒される。すげぇ…。それ、映画『ブルース・ブラザース』のあの場面の再現的なやつだが、歌詞は関西弁だ。続いてこれまたアレサで有名な「小さな願い」を秀逸な関西弁歌詞(♪もうあきまへんわ~)で歌い、そこからの安藤との濃厚な絡みはやがて小川知子&谷村新司「忘れていいの-愛の幕切れ-」(胸モミ)へ。爆笑を呼びつつも、なんか妙にグッとくるw。スバラシや、春子フランクリン。で、第一部はザ・たこさん「ケンタッキーの東」(マントショー)で締め。

 

ハーフタイムショーは、DJすうじぃと山口しんじとの絡みから、キチュウのラップへ。すうじぃも自身のラップと歌でそれに応え、そこからキチュウとすうじぃのラップバトル(?)へと展開。最高なり。続いてミッキー大畠、カルロス松田、アグリーニャ西田による偽メキシカン路上音楽トリオ、ドスタコスが客席からステージに登場。酒場で聴くのが合いそうな“いい湯加減”のメキシカン風味音楽でありながら、クレイジーキャッツ「ホンダラ行進曲」までもカヴァーする…つまりは和製メキシカン。ビールがすすむくん。途中、ミッキー大畠にフレディが憑依してライブエイドの女王よろしく「レ~ロ。レロ!」とやる場面もあり。

 

DJのすうじぃがブルース・ブラザース「シー・コート・ザ・ケティ」をかけると、それを合図にザ・たこさんの第2部がスタート。まずはキチュウが飛び出し、オーティス「シェイク」。続いて山口しんじがすうじぃを呼び込み、「『初期のRCサクセション』を聴きながら」をふたりで熱唱。これがよかった! 

 

安藤が出てきてからは「ナイスミドルのテーマ」「ゴリラの息子」と続き(久々に聴いたゴリラは凄みがあった)、そのあと現・ドスタコスの松田健が再びステージに呼びこまれることに。「お豆ポンポンポン」と「うつぼ公園24歳、冬。」の2曲をマツケンさんのギターが加わる形で演奏されたのだが、マツケン在籍時代にザ・たこさんを知って追いかけるようになった自分にはその横並びの絵からしてグッときまくり。とりわけ「うつぼ公園」のギターは1stアルバム『蛸壺』のその曲のまさにあのギターの音で、クゥ~~。なんか泣けましたわ。で、本編の締めは「女風呂」(マントショー)。いろんな出し物・いろんな名場面ありで賑やかに進んでいったこういうショーの締め括りとあってか、このタイミングでの「女風呂」がいつものそれよりもドラマチックに感じられた。ある意味「我が人生、最良の日」の役割をこの夜は「女風呂」が担っていたというような。なんか感動的ですらあったのだな。「女風呂」なのに(笑)。そしてアンコールは全出演者がステージにあがっての「監獄ロック」で大団円。いやぁ、濃かった!  すんげぇ~面白かった! 

 

自分がザ・たこさんを初めて観て衝撃をくらってから約14年。これまで数えきれない回数彼らのライブを観てきたが、この夜のそれは初めて観たときの衝撃を思い出すくらいの「すごいもん観た感」があった。結成25年目にして新たな扉が開いた感。ビデオはまわってなかったので、この夜の凄さはこの日JIROKICHIに集まった限られた人たちの記憶にのみ残るものだが、しかしここに居合わせた人たちの間では間違いなく“伝説のライブ”として共有できるもの。観ることできた人たちはホント、ラッキー。願わくばいつかまた、今度はクアトロとかでもアレを観てみたい。

 

ところでこの日、先に会場に着いた𠮷永・オカウチ以外の面々は、渋滞に巻き込まれて遅れに遅れ、ほぼ開場時間にJIROKICHIに着いたらしい。既に客の待つ会場にギリギリ飛び込むように着いて演奏を始めるその様は、さながら映画『ブルース・ブラザース』。となれば、すうじぃのこの日のカッコや彼のかけた「シー・コート・ザ・ケティ」、または春子・フランクリンの「シンク」のそれも全てがひとつの物語として繋がってくるというもの。しかも話はそれに終わらず。打ち上げ終わって深夜に会場を出て大坂に帰る途中、なんと静岡あたりでタイヤがパンクして立往生するハメになったとのこと。映画かよ!!(笑)

 

いちいちドラマチックなザ・たこさん一座。それ、道中含めて映画化してほしかったくらい。おもろいなぁ。ホント、おもろいなぁ。これだから観るのやめられない。さあ、次は12月の無限大記念日6。そこでは果たして何が起きるのやら。

 

 

 

 

 

 

 

2018年11月23日(金)

 

NHKホールで、チャラン・ポ・ランタン10周年目突入記念公演「大拍乱会」。

 

カンカンバルカンにふーちんギドのギデオンさんら男性メンバー3人も加えての特別編成バンド(演奏者は小春ちゃん含めて10人!)による音の厚みに、僕の耳は大喜び。見事なアンサンブルじゃったなぁ。久々のとんちゃんや舞子たんらが楽しそうにプレイしてるのを観れたのも嬉しかった。それに「演奏したい曲は山ほどあるんだ」とばかりにメロディ形式でどんどん曲を繋げてくあたりのテンポ感もよかったし、「あの頃」の曲をわりと多めに混ぜてやってくれたのも自分的にはよかったところ(でもインディー期の曲で久々に聴きたいものはまだまだいっぱいあるなー)。

 

興奮しすぎて歌詞を忘れる妹、あれだけたくさんの人を前に孤独について話しながら泣いちゃう姉。そんな場面もまたチャランポならでは。感情に対して相変わらずどうしようもなく素直なところがチャームでもあるのです。

 

アンコールでは、そこがNHKホールであることをいいことに、小林幸子状態で「愛の賛歌」を熱唱するももはん。で、終わって紙吹雪がパーン!  そのあと『ゆく年くる年』の除夜の鐘が聴こえてきそうなくらいの大晦日感、ありました。

 

新春発売予定だという新作も楽しみね(暗い曲が多いといいなぁ)。

 

2018年11月21日(水)

 

幕張メッセで、チャーリー・プース。

 

腕のたつミュージシャンたちを従え、ファルセットがきれいで伸びやかな歌声と実に見事な鍵盤プレイで、味わい深い“いい曲”を届けるプースくん。ときにベイビーフェイスのライブを思い起こさせる場面があったりも。演出らしい演出も衣装替えもなく、あくまでも演奏と歌と楽曲の質で勝負の極めて音楽的な約80分だった(あ、あと肉体美もか)。いやほんと、たいした自信と才能だねえ。メッセはやっぱ遠かったけど、観に行ってよかった!

 

https://realsound.jp/2018/08/post-234525.html
↑こちら、今回の来日公演が決まった少しあとに書いたものです。