突然の訃報を、ちょっと受け止めきれずにいる。
ちょうど、東野さんの初期の頃の「ある閉ざされた雪の山荘で」「宿命」を読み返していたところだった。
東野さんの小説との出会いは、もう30年以上前になるかと思う。
私は不本意にも仕事も辞め、知らない土地に引っ越し、趣味の書店巡りくらいしかすることがなかった。
そんなときに「天使の耳」という目を引くタイトル、その裏表紙のあらすじに興味を持ち、買って読み始めたら止まらない。
これは元々「交通警察の夜」という、交通事故に関することをキーにしたミステリーの短編を集めたものを改題したらしい。
その「耳」の使い方が強烈だったので、またこの作者さんの文庫を探し、次に買ったのが「魔球」。
これに超ドはまり。今でも繰り返し読み返す。
昭和30年代を舞台にした球児の話で、主人公の強さと優しさが強烈に胸に迫った。あまりにもこの話が好き過ぎて、自分でシナリオ化してみたこともあるくらい。
それからはもう、片っ端から買い集めた。だから東野さんの文庫はほとんど持っている。
どの作品も、読みやすい上に先が気になるヒキ。ついついページが進んで一気読みしてしまうことも珍しくない。
そして、理系の頭脳のせいだと思うが、納得のオチまで理路整然と導いてくれる。ぼんやり不明な結末が嫌いな私は、その爽快感を求めて東野作品を読みふけった。
これまでの人生の読書時間のうち、恐らく半分くらいは東野作品が占めると思う。
好きな作品を挙げればキリがないが、先の2つに加え、「分身」「手紙」「むかし僕が死んだ家」「どちらかが彼女を殺した」「誰かが私を殺した」「回廊亭殺人事件」「パラレルワールドラブストーリー」……いや本当にキリがない。
有名な「白夜行」は、主人公の女性雪穂は好きじゃないが、相棒の亮司が危なくて強くて頭が良くてかなり好き。
長い長い年月を、実際にあった犯罪史と共に、二人の接点が全く描写されずに話が進んでいき、本当に読み応えがあった。
長年東野作品を読み続けてきて思うのは、初期は本格推理ものが多かったなあということ。密室とかトリックとか、緻密な構成やアイディアがすごいもの。
それが、自分の感覚では「秘密」辺りからだろうか。そういう技モノというようなところから、人間ドラマに重きを置いた感じに変わっていったように見えた。
ご逝去のニュースの中の過去映像で、「自分が読むのが苦手だったので、読者を飽きさせないことをいつも考えている」とおっしゃっていた。
物語を書きたい自分もそこは肝に銘じ、そして中毒とも言える読者として大好きだった東野さんのご冥福を心よりお祈りします。
(了)
「ホラーっぽい・ホラーじゃん」がお題の短編(コメディ)。12分で読めます!
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「七夕・夏祭り・花火」がお題の超短編(ミステリー)。5分で読めます!
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「雨の告白」がお題の短編(青春)。10分で読めます!
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「沼」がお題の短編(ホラー)。12分で読めます!
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「スポーツ」がお題の短編(ヒューマンドラマ)。14分で読めます!
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「スポーツ」がお題の短編もう一本(青春)。13分で読めます!
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***以下過去受賞作抜粋です***
↓✨第262回超妄想コンテスト 「おまじない」がお題の短編、優秀作品に選んでいただきました✨ 7分で読めます!(童話)
↓✨第260回超妄想コンテスト 「雪月花」がお題の超短編、佳作をいただきました✨
6分で読めます!(ヒューマンドラマ)
第1回育成コンテスト「キャラクター 陰と陽」がお題の短編(現代ファンタジー)で、佳作をいただきました✨
14分で読めます!
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