久々に、ネット短編小説以外のコンクールに長編を応募した。
といっても新作ではなく過去作のリメイク。それも相当前の。
昭和の終わりから16年の時代を跨る物語なのだけど、ラストは2005年の設定。書いたのはそのちょっと後だったと思われる。
この作品、いくつかの公募に出したけど落ちまくった末に、フォルダに埋もれていた。でも読み直してみれば、その頃の自分の思い入れがものすごく詰まっていた。
当時の自分はやりたいことで結果が出ず、だからそのために正社員を辞めてしまったことへの後悔が大きく、かといって家庭を通じての人間関係が築けたわけでもなく。
それらを持っている周りの人たちが羨ましかった。一つ一つだけど、少しずつだけど、積み重ねて自分の居場所や立場ややりがいを得た人たちが。
自分だけがどこにも進めないまま、中途半端な立ち位置で何一つ手に入れられずにいる。そんな孤独感が半端なかった時期。
そういう思いが強烈に込もっている物語だった。今回、何か長編を応募したいけど取り敢えず手持ちのものを見てみよう、と読み直してみて、あの頃のしんどさが痛烈に蘇った。
まあファンタジーとはいえ自分のことを元に書いたわけだから自分が読んですごく胸に刺さったということだけど、他人がそう感じてくれるかどうかはわからない。
それでも、他にもいろいろと自作を読み直してみて、そういった思い入れの強い作品の方が、やはりグッとくると思った。コンクールの当落はともかく、そういった訴えが色濃く感じられるような物語を20年近く前に書いていた。そのことにちょっと驚いている。
年を取ったせいか、いろいろと面倒になって、それは身の回りの雑事だったり人間関係だったりとあるけれど、物を書くことについてもそうなっているな、とドキッとした。
今現在、この作品のように強烈に孤独感や羨ましさを詰め込めるだろうか、と疑問に思ってしまったのだ。
できないことが年と共に増え、「ま、いいか」とやり過ごす。当時の孤独感や羨ましさも、「ま、人それぞれ」なんて流すようになり。
そうなると、もうこういった強い作品は書けないだろうな、と思う。「ま、いいか」でやり過ごしたことは、自分の中で思い入れにはならず、従って小説にならない。
う~ん、日常はそれで楽なのだけど。何かの引っかかりを自分事として捉えていることが、小説のネタ探しには必要なのかも、と感じた今回のコンクール応募だった。
だから、そういった物を書きたいのなら、少しでも早く、1歳でも2歳でも若い頃に書くべきかな、などと思っている。
(了)
「予感」がお題の新作短編(青春)。13分で読めます!
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「桜前線」がお題の短編(現代ファンタジー)。11分で読めます!
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「散歩」がお題の短編(ヒューマンドラマ)。12分で読めます!
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「変わらない場所」がお題の短編(青春)。14分で読めます!
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「おまじない」がお題の短編(童話)。7分で読めます!
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***以下過去受賞作抜粋です***
↓✨第260回超妄想コンテスト 「雪月花」がお題の超短編、佳作をいただきました✨
6分で読めます!(ヒューマンドラマ)
第1回育成コンテスト「キャラクター 陰と陽」がお題の短編(現代ファンタジー)で、佳作をいただきました✨
14分で読めます!
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