「昨夜泣きすぎた...」
私の涙がおさまったのは、あれからだいぶたってからだった。
大野の着ていた服をビショビショにするまで泣いたせいで、只今お顔が素晴らしく腫れております。
今日休日で助かった...。
「パンパンすぎて水風船みたい...」
鏡を見るのも恐ろしい。
男にフラれて、乙女のように泣いて、朝にはこの顔かい...。
「おは.........え?お前誰...?」
「失礼だな...この家にいるんだから私しか考えられないでしょうが」
「別人じゃん...。水風船みてぇ...」
「だよね~...、やっぱそう見えるよね」
「んじゃ、俺バイトだから!」
「え!今日休みって言ってたじゃん!」
「さっき電話あってさ、すぐに来てって...」
「本当にあった怖い話一緒に見るって約束は!?」
「あー、ごめん!一人で見てて!」
「ちょっ、大野!」
行っちゃった...。
一人で本怖なんて見れないっつーの!!!
あーもうバイトのバカーー!!!!!
って...大野がいないくらいで何言ってんの私!?
...今日は誰かと一緒にいたかったのになぁ...。ケイコは彼氏とデートだし、私友達少ないし...。
しょうがなく、寂しく一人で買い物に行ったら、近くのスーパーで偶然、お隣のイケメン二宮さんに遭遇した。
「どうしたの!その顔!水風船みたいじゃん!」
お前もか !...って、腫れはだいぶ引いたと思ったんだけど...(泣)
「芽生ちゃんよかったらお茶でもしてかない?」
こんなセリフ、イケメンにしか似合わないんだろうな なんて思いながら、一緒にお茶を飲んだ。
話題はなぜか...二宮さんの恋について。
「俺ってね、付き合っても全然長く続かないの」
それを聞くのは意外だった。二宮さんって一人の女の子を大切に大切にしていきそうだから。
「最初はちょっと付き合ってみよう!みたいなノリでさ、でもいざ付き合ってみると、なんかこの人違うなって思っちゃうんだよねぇ」
「...だから、男の人って浮気するんですか?」
「んー、俺は浮気する前に別れちゃうけどね。...え?なに?大野に浮気された?」
「や、付き合ってないですってば!」
「だよね。よかった」
...よかった?
よかった って...。
だって前の「俺と付き合う?」って言ってきたのは冗談じゃないの?
もしかして二宮さんって...もしかして...
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「すみません。ご馳走になってしまって...」
「大丈夫!俺も楽しかったから!またしようね。恋バナ(笑) 」
楽しくてつい話し込んでしまって、気付いたら時計は9時を回ってた。夜ご飯までご馳走してもらっちゃったよ...。
大野、もう帰ってきてるかな。
もし帰ってきてたら、今日録画した本怖一緒に見ようとしてたけど...バイトで疲れて寝ちゃったみたい。
テレビも電気もつけっぱ。
「もう、電気代の無駄......あ(笑)」
スヤスヤ眠る大野が、自分の喉を触ってる。大野が見つけた、私と大野の同じ癖。
無意識に首の皮を引っ張っちゃうこと(笑)
なんだろう。笑ってくれたからかな、大野が。
同じ癖があって嬉しかった...
「いつも寝顔だけは...かわいいんだから...」

誰かが家にいるって、こんなにも安心するんだね。
私の家に大野が住むという生活がおかしいと思わなくなってきてる最近。
大野はこのことをどう思ってるんだろう。
それから、大野との時間は何事もなく過ぎていった。
でも、どんなに時が経っても、潤への気持ちが変わることはなかった。
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sue.