体調は最悪⑤ | 景子のあれこれ

景子のあれこれ

楽しいこと、辛いこと、悲しいこと。
ここに吐き出して、きれいに昇華させてもいいですか?

術後3時間が経過したら、酸素はオフになる。

飲水も可能だ。

なんだろう、音は聞こえるのに耳がない気がしてならない。

その耳周囲を手術したんだから、あるに違いないのに何度もそう思った。

どんどん感覚が戻るのに、なぜか耳だけが感じられない。



よくわからないが、左の下の歯が全部痛かった。

指で確認するけど、どの歯を押しても痛くは無いのに、我慢出来ないくらい痛い。

素直にナースコールを押せばよいのに、その痛みは本気で歯が痛いのかもしれないと疑って、恥ずかしくて押せない。

違う。

痛みなのか、わからなかったんだ。

これは不快な症状だけど、痛みだと感じる余裕がなかったんだと思う。

手術は午後からで、私が部屋に戻った時は丁度夕食時だった。

配膳して下膳して、食事介助して。

やれ夕検だ、やれ時間点滴だ、配薬だと一番忙しい時間だと感じていた。

わけのわからない訴えで、看護師の手を煩わせてはいけないと思った。

そんな時だけ、いい人で居たいと思うのはなぜなんだろう。



そろそろ消灯という時に、看護師はやって来た。

酸素を止めて、SpO2の低下が無いことを確認している。

痛かったら薬ありますよ、そう声をかけてもらい素直に応じた。

座薬の方が早く効果があるので、入れてくれた。

希望であれば尿の管も外せるといわれ、お願いした。

酸素も、尿の管も、やはり煩わしいものだった。



日付が変わる前に、トイレに歩く。

正直、まっすぐ歩いてるのか不明だった。

一歩がわからない。

まるで月面にたどり着いた宇宙飛行士のように。

でも、トイレに行った。

それに満足。

気づくと痛みは全くなかった。

薬って、すごい!

感激しながら、ふと声に出した。

「私の左耳って、ついてますか?」