いつも新宿にたどり着くと、感じる匂いがある。
誰かの付けている香水の匂い。
電車の中でも。
交差点の中でも。
その匂いを嗅ぐと、どこか離れた土地に来たと感じる。
匂い、香りって、人に伝えるのが難しい。
この匂いが好きって思っても、それを見つけるのは難しい。
仕事柄、香りを身につけることはない。
とはいえ、最近の職場は様々な香りを楽しんでいる人が多い。
一昔前の人と言われるかもしれないけど、奇抜な下着や髪型、髪色、香りの類は相応しくないと思ってきた。
10年くらい前。
当時学生だった後輩の髪色を注意したことがあった。
次の日には真っ黒な髪色になっていたっけ。
そんな私が、1本の香水を買った。
今日は今期2度目の歓送迎会。
定年や進学で離れていく同僚のために、いくつかの記念品を探して歩いた。
なかなか丁度良いものが見つからず、何件目かの店にそれはあった。
この匂い。
手に取るとふぅーっと都会を感じた。
でも買わなかった。
衝動買いはしないことにしている。
どうしても忘れられずにいたら、買いに行こうと。
で、手に入れた。
これってどういう時につけたらいいのか。
今日みたいな席につけていこう。
そう思っていた。
会場に着いた時、周りの人の香りで「忘れた」ことに気づいた。
私には似合わないのかもしれない。
友人から借りたDVD。
何度再生しても読み込んでくれない。
いてもたってもいられず、TSUTAYAに向かう。
ふと、香ってみたくなった。
所作で香る。
香りって、不思議。
なんとなく女らしくなった気がするし、優しい気持ちになれる。
このキスは、忘れるな。
そうジュンギが言った。
なんでだろう。
私、ドキドキが止まらない。
