最近のスマホは本当に便利で、あれほど欠かさず持ち歩いていたiPodが不要になった。
YouTubeからダウンロードした曲を、オフラインで聴くことができる。
だいぶたまった曲たちを、綺麗さっぱり抹消したのはこの前の土曜日。
飽きていた。
でも、新しい曲たちに興味が持てない。
過去にさかのぼり検索した。
あの頃、誰が好きだったかな。
たくさん検索した。
憧れだった松田聖子。
永遠のアイドルだったな。
10代から20代をずっとずっと支えてくれたアーティストを忘れていた。
松任谷由実。
彼女の曲は、おそらく知らない曲はない。
とくに荒井由美時代が好きだった。
なんで、私の気持ちをこんなにわかってくれるの?
そんな風に思って泣いたっけ。
YouTubeにあるユーミンメドレー。
うたたねしながら聴いていた。
ある曲で、目が覚めた。
「経る時」
あの頃、どんな気持ちでこの曲を聴いてたんだろう。
薄っぺらい女子学生の私に、この曲の重みはわからなかったのではないか。
それでも、良く聴いていたからソラでも口ずさむことができるのだろう。
涙ぐんでいる自分に気づいた。
今だからこそわかる。
今からの自分にとって、煌びやかな曲よりも、こんな曲がぴったりなんだ。
あのホテルの、あの景色。
再び心を鷲掴みされる思いだった。
若い頃は、なんでもムシャムシャと咀嚼できた。
でも、味なんてどうでもよかったんだ。
喉越しや触り心地、人にどう見られるか。
今の私は、かなり老いぼれてきたけど。
いろんな鎧を脱ぎ捨てたら、あの頃見えなかったものが鮮やかにみえている。