スマートウォッチは、2016年頃から、Pebble(ペブル)と呼ばれる、革新的なスマートウォッチを使い始めました。まだアップルウォッチが登場する前でありながら、電子ペーパーのモノクロ画面、のちにカラー化し、物理ボタンを搭載し、おしゃれで実用的なUIが気に入っており、夢中になって使っていました。写真のものは「Pebble Time Steel」というもので、Pebbleの世界観が完成したバージョンでした。その後、心拍計を搭載したバージョンがプレスリリースされたあと、Fitbit社に敵対買収され、以後、Pebbleの時計は生産されませんでした。2020年くらいまではAmazonでも購入できるくらいの流通量でしたが、Fitbit社がgoogleに買収された後くらいに、Google Playからアプリが削除され、公式アプリをインストールできなくなりました。しかしながら、Pebbleを愛する有志が、Rebbleというサイトを立ち上げ、引き続きPebbleを使うユーザー向けのサービスを開始していました。私もこのサービスを使っていましたが、とうとう、野良アプリ的にインストールできたアプリが、Android OSのバージョンアップとともに、インストール不可能となってしまいました。Pebbleアプリに付与される権限が多すぎたかららしいです。
写真はkickstarter のサイトより引用。
Pebbleが葬り去られて(?)以降、私のスマートウォッチ探しの旅が始まりました。Pebbleと同じ四角い文字盤の、Garminのスマートウォッチを購入しました。Garminのスマートウォッチは、ほぼ円形の文字盤なのですが、この製品は珍しく、四角い文字盤でした。
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四角い文字盤というのは、時計においては希少なのですが、メールのテキストなど、文字情報を表示するには最適な形式で、アップルウォッチも四角い文字盤を採用しています。スティーブ・ジョブズがご存命なら、円形にしたでしょうけど。
その後、Fitbit(Google による買収前後の製品)、アップルウォッチ、諸々のAndroid系スマートウォッチ、Garminの高級スマートウォッチと渡り歩き、それぞれの製品の使い勝手を体感してきました。個人的な感覚で、各スマートウォッチメーカーの得意なところを下記します。
・Garmin:地図と連動した運動には良い機能を有していると思います。GPSが優秀なので、たとえばトレッキングの履歴を後で確認したい、ランニングの記録を1km毎に確認したいなど、地図上の行動を意識する方には向いていると思います。またGarminは、ボタン操作で機能呼び出しできるのがよく、トレッキングやランニングなど、文字盤から目を離せない状況下でも、確実に機能を呼び出せるのが良いです。またGarminは、オフラインで閲覧できる地図を搭載したモデルもあり、これも魅力でした。しかし地図を見るのは画面が大きくある必要があり、描画速度も遅いので、実用的ではありませんでした。使いこなせれば素晴らしい時計でしたが、私には使いこなせませんでした。
・Fitbit:睡眠時間をトラッキングしたい方にはおすすめです。睡眠の効果は、比較的ゆるめで評価してくれるので、睡眠時間を長く持ちたい方には、ちょうど良いモチベーションを維持できるかと思います。昼寝を正確にカウントしてくれるのも良いです。また、「休息」や「リラックス」を数値化することにも意欲的です。
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・Apple:心拍数の検知と表示機能が優れていると思います。Appleは早々から医療機器としてのスマートウォッチを訴求力としており、心拍の異常を検知し、知らせる機能においては優れていると思います。iPhoneとの連携も素晴らしいです。一方で、電力消費が多く、他のスマートウォッチは充電周期1週間前後が標準である一方で、アップルウォッチは、いまだに1日周期が標準です。
諸々のスマートウォッチを使っているうちに長所短所が見えてきて、結局は私の欲しい機能が全て入っている時計はありませんでした。結局は、スマートウォッチを試しては手放しての繰り返しで、私の手元に残っているのは、Pebbleのみとなりました。
スマートウォッチは、スマートフォンを操作せずとも、通知を受け取ることができ、機種によっては簡単な返信もできます。これはとても便利に思っていた時もありましたが、最近使用していたFitbitにおいては、運動のトラッキング開始をいちいち知らせてくれるのがうるさくなり、集中を阻害されるのが嫌でした。通知時に手首に伝わる振動も、だんだん嫌気がさしてきました。またなんといっても、睡眠中に腕にデバイスをつけるのが苦痛になりました。高城剛さんは、睡眠中は足首につけることを推奨していましたが、一度違和感を持ち始めると、どんどん気になっていくのでした。
また、今年に入ってからもう一度災害対策を見直していく中、長時間バッテリーが持つといっても、せいぜい1週間しか持たないスマートウォッチは、災害時にすぐ役立たずになろうかと考えました。Garminの高級機種は、最小限の機能で1ヶ月程度電池が持つモードを搭載していますが、所詮1ヶ月です。私は、太陽電池を搭載したアナログ時計を、スマートウォッチに熱狂していた期間放置していたのですが、4年程度放置していても時刻は正確で、もちろん駆動し続けていたのには驚きました。日の自動修正はできないので、日にちを手動で修正する以外は、時刻の修正は不要でした。災害時には、このくらいロバストな時計が必要と思いました。
話は変わり、スマートウォッチで管理する事象についてですが、歩数や心拍数、睡眠時間・睡眠の質は確かに、スマートウォッチなどの機器を使わないと検出できないのですが、健康を維持するためには、機器によってえた数値に加えて、自分の健康に関する自覚を、身体と向き合い対話することで得る必要があるかと、最近考えました。1日8000歩以上の歩行を行い運動不足を改善し、心拍数100程度で運動を持続し、1日7時間以上の睡眠を行うなど、数値がフィードバックされると自分の行動がわかりやすいのですが、これらの行動をもとに、自分の心身が健康であるかを、自分と向き合いながら、内省する必要があると思いました。
私は今年に入ってから、飲酒と睡眠の関係を探り、飲酒量を少なくして睡眠の質を上げる検討を行っていました。起床時間、就寝時間、昼寝の記録及び睡眠の質はFitbitのデータを採取し、日常の履歴と飲酒の記録を手帳に記入していました。
この記録は3ヶ月続けて、お酒を減らしたら睡眠の質を上げられるかなと模索していたのですが、結論として、適量の飲酒を守れて、就寝時間を早くできれば、睡眠の質は確保できるとわかりました。一方で、お酒を飲み過ぎて、寝るのが遅くなったり、夜中に起きる頻度が高くなると、睡眠の質は急落することも確認できました。至極当たり前の結果なのかもしれませんが。結局私は、就寝時間を守ること、飲酒量の上限を守ること、日中のストレスを極力避け、意識的に歩くことを心がけることを、ゴールデンルールとしています。また、睡眠時間や睡眠の質は正確なトラッキングができなくなりますが、体調管理の日誌はつけていきたいと思います。なお、「日中のストレスを極力避ける」ことについては、別のブログで書きたいと思います。
さて、最後の話題となる「ディストピアの労働環境」について書きたいと思います。スマートフォンが人類を支配している世の中は、SNSの浸透により達成されましたが、スマートウォッチを人類全てに装着させることにより、人類の支配が強化されると考えました。スマートウォッチは、スマートフォンを持ち込めない環境にまで入り込むことができて、充電や風呂の時間以外、ほぼ24時間は人間に装着されます。「睡眠を管理する」という素晴らしい名目で、人間に24時間デバイスを装着させることが可能となったのです。近い将来、人間にデバイスを埋め込むことで、意識せずともデバイスが装着できるようになるかもしれません。これにより、人間の行動履歴、体温、心拍数、睡眠データ、もしかしたら血圧、血糖値やその他血液データ、さらには感情の起伏など、個人にまつわるデータを完璧に採取できるようになると思われます。
労働環境においては、個人の生体データを管理することで、出勤・退勤の自動採取、肉体労働時における休憩時間の示唆、熱中症対策、行動記録(キーエンス的なマイクロマネジメント)、メンタルヘルスや健康管理など、あらゆる形での労働管理が行いやすくなると思われます。 RFIDタグと組み合わせると、社内での飲食履歴、喫煙やトイレの回数など、さらに細かく履歴がわかるかもしれません。社内に張り巡らせた監視カメラをさらに活用して、個人のパフォーマンスや危険行動の有無、不正の防止などが可能になるかもしれません。
スマートウォッチ、さらにはVRゴーグル(メガネ)と組み合わせると、労働の指示をこれらデバイスから行うことができると思います。Amazonの配達員さんたちは、すでにスマートフォンからの指示に従い、配送を実施しているようですが、次のステップでは、スマートグラスからの指示が飛ばされるのでしょうか。その後のステップは、Amazonの倉庫で実践されているように、配達をロボットやドローンで実施することとなり、配達員さんの仕事は必要なくなってしまう未来が予想できます。
人間にしかできない労働については、徹底的に人間を効率的に動かす仕組みが、今後実用化されると予想されます。スマートウォッチは、人間の生体的な限界を把握するための、最適なセンサーになろうかと思います。しかし一方で、社員が壊れるまで働かされる環境はなくなろうと思われます。社員が健康を害したり、精神疾患を患う前に、社員は環境を変えることが容易となるであろうと思われます。また、人間が必要とされる仕事環境は、ロボットへ置き換えられることが加速化したら、人間は労働から解放されるのかもしれません。これは最近よく言われていることです。
さてこれら労働環境は、ディストピアと呼ばれるのでしょうか?