某SNSからお引っ越しで、今更ながらamebloデビュー![]()
さて、1月に読んだ本は5冊(図書館3冊・購入2冊)でした。
1月と言っても21年1月だけどね![]()
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<満足度> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少
『アイデアを実現させる建築的思考術』 西澤明洋 (日経BP 2019.9)
【満足度】★★
【概要・感想】 建築と違う分野でも自身の思考の軸から、なんらかの考察を語れてしまう建築家特有の発想方法や考え方が気になっていました。本書は大学などで建築系の学問を学び、その後、別分野で活躍しているクリエーターが、建築(的思考術)をどのように応用しているのか、キーワードごとに7人のゲストとの対談+著者のまとめという形式で探っています。大御所・隈研吾氏も登場。全体的に興味深い内容で日建設計・顧問の紺野氏の対談が特に面白ったです。
【ポイント】
*構造と意匠を分けて考えると、構造はどちらかというとデザイン的には見せないようにする
影の存在(p.52)
⇒それをデザインの見せ場にしたのがせんだいメディアテーク(構造と意匠の融合)
*「シンプル」(p.70)
形の要素が減っても保ちたい関係性がしっかり保たれている状態
*「イノベーション」(p.77)
新しい結合をつくるために技術が役に立つことはあるが、技術そのものがイノベーション
ではない。
何かと何かが結合することで、世の中の関係性が変化し、それにより価値が増えること。
⇒カレーうどん
*イノベーションで重要なのは、自分たちで考えるのではなく、顧客や第三者など外部と徹底
的に対話していき、新しい視点を獲得することです。外部や社会との相互作用から新しい
考えが生まれ、イノベーションにつながる。(p.118 紺野登)
*建築のデザインとは「目的」をいかに「表現」するかが重要(p.130)
⇒柱と屋根だけで空間は出来るが、そこにデザインはない。目的(コンセプト)をどこまで
細部まで表現 (デザイン)できるか。それがクライアントのためになっているのか?
*依頼者側の要求より、場所に注目した方が、より建物の特徴を出しやすい。周囲の景観と
いった立地的要素だけでなく、文化的・歴史的な背景といった要素も掘り下げていくと、
その場所でしかできない最適解が見えてくる。(p.306 隈研吾)
⇒すぐに最適解は見つからないので、とりあえず走ってみる。
『最高のリーダーは「命令なし」で人を動かす』 鈴木 颯人 (KADOKAWA 2019.12)
【満足度】★★
【概要・感想】 著者はスポーツメンタルコーチ。リーダーに命令は必要ないというのが著者の基本的な主張です。1万人のアスリート、監督・コーチから接した経験から、メンバーと対話をし、その良さを引き出すことこそ長期的な成果につながるとのこと。メンバーが行動したくなる環境を整えるにはメンバーとの信頼関係を築くための対話が重要で、対話とは、説教とか言い負かすことでなく相手との違いを埋めるため。それを意識するだけでも部下との関係性は変わってきますよね。
【ポイント】
*できるだけ肯定後で伝えられる方法を(p.65)
緊張しないでください⇒楽しんでください、など
*反対意見が出たときほど、「そのメリットとデメリットは何だろう?」と冷静に尋ねる(p.96)
⇒頭ごなしに否定ではなく
*権威勾配(p.111)
航空業界用語。機長と副操縦士の関係性の傾斜が急になればなるほど大事故に繋がる。
上下関係は平坦な状態ではなく、緩やかな傾斜があった方がいい。
*「YOU目線」で物事を見ると、相手には相手の事情があり、自分にはコントロールできない
ことが世の中にはたくさんあるということを認識できます。(p.130)
『アンジュと頭獅王』 吉田修一 (小学館 2019.9)
【満足度】★★
【概要・感想】 「山椒大夫」「安寿と厨子王」をベースにした異色小説。吉田修一っぽくなくて、最初、訳がわからなかった。。。
『「言葉」が暴走する時代の処世術』 太田 光・山極寿一 ( 集英社新書 2019.12)
【満足度】★
【概要・感想】 爆笑問題の太田さんと京大総長の山極さんの対談。言葉についての思索を深めていくと今、起きているいろんな社会現象が理解できるのでは?という観点からのコミュニケーション論になるのかな。山極さんはゴリラ研究の第一人者で、そういうオタクの人の話は面白い。
【ポイント】
*勝ち負けを競っているわけじゃないからね。会話を楽しんでいるというか、太田さんの話に
刺激されて発想が広がっている。これが対話のいいところでしょう。(p.82 山極)
*チームには必ずしもリーダーが必要という訳でもなく、いろんな役割をする人間が集まって
戦略をまとめて遂行してこそのチームなんですよ。リーダーを育てろっていうけれど、
リーダーばかりが集まっていたら、そもそもチームが成り立たない。 (p.127 山極)
*コミュニケーションにおいて重要なのは、表現力があるかどうかではなくて、自分の言葉に
耳を傾けてくれる人、自分に興味を持ってくれる人をどれだけ持っているかじゃないかと
思うんです。コミュニケーション能力は、決して表現力だけの問題じゃない。(p.144 太田)
⇒わかりたいと思われるような人になれ。
⇒赤ちゃんと同じ。(○○したいのね、と世話する)
*会話するときには、相手は自分と違うんだということを前提にしなきゃ始まらないでしょう。
ところが、最近は相手と自分が同じだという前提でコミュニケーションしようとする、だから
伝わらない。(p.147 山極)
*たとえ相手が動物でもいいから、何か自分を頼ったり支えたりしてくれる存在とのつながり
を確信していないと、生きる意欲が湧かないのかもしれない。(p.166 山極)
*意味を伝え合うことも大事なんだけど、それと同じくらい気持ちを伝え合うことも大切なん
です。=中略= 気持ちを伝え合うためには、ただ会話するんじゃなくて、何かを一緒にした
ほうがいい。(p.172 山極)
⇒動作を同調しながら気持ちを伝え合い、補助線として言葉を使わないとうまく伝わらない
*デジタル社会で仲間を作るのは簡単だが、信頼関係を作るには身体を合わせる時間と
場所が必要(p.181 山極)
『つぶれない会社のリアルな経営経理戦略』 前田 康二郎 (クロスメディア・パブリッシング 2020.7)
【満足度】★
【概要・感想】 スーパー経理部長こと前田氏の著書。同氏は間接部門のコスト削減の筆頭とされる経理職の重要性をずっと訴え続けてくれています。もちろん本書でも同様なのですが、今回は中小企業の経営全般にテーマを広げ過ぎているため、社内の人材育成論などまで言及することになり、類書にありがちな薄い内容に。「税理士さえいれば経理不要説」を唱える経営者向けの経理業務紹介本です。