10月に読んだ本は4冊(図書館4冊)でした。
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<格付基準> ★★★ オススメ ★★ 面白い ★ 収穫少なめ
『ソニー再生』 平井 一夫(日経新聞出版 2021.7)
【満足度】★★★
【概要・感想】 ソニーの元・社長で現・シニアアドバイザーの平井氏の著書。今年読んだ本の中でナンバー1候補。平井氏はCBSソニーとSCEを経て、ソニー本体の社長になったのですが、その経歴にとても興味が湧きました。幼少期から海外を行ったり来たりし、35歳でSCEAのCOOとなって経営再建。その後、本体のSCEに転身し、また経営再建。そこで結果を出し、ソニーの再建。(と言っても、いずれの再建シーンでも強力な相棒がいたことも覚えておきたい) 姿勢もひっくるめて、「異見」をと取り入れて順応する、これが経営再建成功の秘訣のひとつ。ルーツは別次元の人ですが、社長でありながら、カウンセラーか!ってくらいの足を使って現場の声を拾っていく手法は参考に。あと、やはり潔い引き際(=社長退任)ですね。何から何まで凄い。
【ポイント】
*部下による選挙が行われたとしよう。自分が当選する自信がありますか?(p.86)
*リーダーの資質として重要なのは「だったらサポートしましょうか」と、部下たちに思って
もらうこと(p.134)
『承久の乱』 本郷 和人(文春新書 2019.1)
【満足度】★★
【概要・感想】 本郷氏による本書は大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の放送決定前に上梓されたものですが、その時点で、承久の乱という知名度低の渋い企画をよく通せたものだと感心しますw ただ、承久の乱自体は約40ページちょっとの記述で、そこに至るまでの経緯はやはり鎌倉幕府の成立からの話になってしまうようです。(そして、一連の終わりに承久の乱) 結果的に「鎌倉殿の13人」ど真ん中の内容ですので、予習復習にはもってこいです。
【ポイント】
*頼朝、頼家二代の将軍から実力者として重用された人物としては、梶原景時が挙げられます。
そして、頼朝が最も信頼を寄せた一族は比企氏でした。(p.65)
*平賀氏こそ承久の乱の「影の主役」(p.110)
⇒平賀義信は義朝を知り、源氏の正統を担保する生き証人で、頼朝と共に納骨に立ち会えた
数少ない御家人。頼朝は義信を比企氏に嫁がせ、生まれたのが朝雅。長男の惟義は伊賀
の大内荘より家を創って大内惟義と名乗る。
後鳥羽上皇がスカウトに成功した武士で、一番の大物が大内惟義
*歴史学の世界では、中世の日本を二つの大きな見方でみています。(p.147)
①権門体制 ②東国国家論
*後鳥羽上皇は、学問好きの実朝のために都の一流の知識人を家庭教師に(p.150)
藤原定家
源仲章・・・学問の師
*たまたま京都に来ている武士たちが朝廷軍として組織された、とみるほうが実情に
近い(p.196)
⇒大番役でない武士は戦っていない可能性が高い。
任国の武士に招集もかけず、統率もしていない。
*上皇と武士たちの身分が違い過ぎて、直接、会話を交わすことができなかった(p.199)
⇒大内惟義ですら日野資実経由。一方、幕府は「御恩」と「奉公」という一対一の契約。
『指導力』 仁志 敏久(PHPビジネス新書 2021.6)
【満足度】★
【概要・感想】 今年から横浜DeNA二軍で指揮を執っている仁志の著書。ここ数年、サムライJAPANのコーチなども歴任していたので、どういったマネジメントをしてきたのかと期待していましたが、本書ではU-12での経験談が主で、子供の指導・しつけにフォーカスされている感じ(子育て論?)。ただ、しっかりした内容ですので高校野球までの指導者は参考になるかも。
【ポイント】
*必要以上に「集団の中の一人」と感じさせないように(p.195)
⇒一人くらいいいやとならないように、見ているよとメンバーに感じさせる
『「あなたから買いたい」と言われる超★営業思考』 金沢景敏(ダイヤモンド社 2021.2)
【満足度】★
【概要・感想】 著者は早稲田→京大(しかもアメフト部)→TBS→プルデンシャル生命→独立という経歴。いわゆるモーレツ社員なので、このご時世、マネ出来る人は少ない気が。結論は富裕層にコネを持ち、紹介してもらうというオチでは・・・。とは言うものの、著者は挫折を経て考え出した経験談ではあるので目先の売上より信頼が大事、など参考になる部分もありました。
【ポイント】
*「自分は運がいい」と思うからこそ、「何かいいことはないかな?」と探すようになる。(p.301)
⇒「運が悪い」と思っていると落ちているお金にも、たまたまいる女優にも気付かない