近江商人の発祥地として知られる五個荘金堂町(滋賀県神崎郡)は、五個荘以外にも幾つかある近江商人の町・近江八幡や日野と異なり、そもそも農村として発展、その為、本宅(大きな個人宅)だけが置かれているのが特色です。

 

 

近江商人は、天秤(てんびん)棒がシンボルマーク。荷をぶら下げ棒を担いで、主に、呉服・麻布などの線衣類を、関東・奥羽・信濃へ運んだと云われています。下の画像に天秤棒をかついだ商人の像があります(画像=外村宇兵衛の中庭)

 

 

商人の家なのですが、近江商人は、ある意味<商社の営業マン>に近い存在の為、町家風のお店ではなく豪農風の屋敷、つまり個人宅が寄り集まった町で、集落内には茅葺農家も点在しています。

 

 

田園のなかに伽藍を備えた大きな寺院があり、鎮守の森が目を引く集落遠景は、湖東平野の伝統的な農村景観となっています。近江商人の活躍は江戸時代ですが、五個荘の町としては奈良・平安からの長い歴史を誇る、由緒正しい土地柄です。

 

 

 

町内には鈴鹿山脈の伏流水を利用した水路が張り巡らされ、鯉泳ぐ姿も見られます。現在、寺前鯉通りを中心に複数の商家が公開されており、近江八幡と比べると観光地化されていないとても閑静な町です。

 

 

 

近江商人は立身出世しても郷里を忘れることなく、金堂の本宅を守り、進んで社寺に寄進、集落全体として調和のとれた格調高い町並みを作り育てています。

町並みの特長は、白壁と舟板塀。

 

 

琵琶湖の船の古材・廃材を利用して作られた屋敷がちらほら目につき、商人の本宅は、広大な敷地、内部に切妻や入母屋造りの主屋を中心に、数寄屋風の離れや土蔵が建てられ、池や築山を配した日本庭園をもつのが特徴です。

また、農家住宅は、茅葺屋根の主屋と納屋等を持つ伝統的な形式です。

 

 

あきんど通り、寺前通り、花筏通りなど、水田地帯の中に在る集落に、お屋敷が点在。

野口謙蔵記念館を含む、五か所の見学チケットがセットになった通し券を購入、ジュニアーズは、その内四か所を訪ね歩きました。

 

①    藤井彦四郎 邸

 

 

写真・右上の部屋は映画『日本の一番長い日』(2016年公開)の撮影で、役所広司が演じた阿南惟幾陸軍大将の実家として使われています。

 

②    外村(とのむら)宇兵衛 邸

外村宇兵衛は、昭和中期にテレビCMで有名だった、ミユキ毛織を作られた方。「♪ミユキ、ミユキ、服地はミユキ~」

 

 

 

③    外村(とのむら)繁 邸   

昭和中期、滋賀を代表する小説家で、『筏』三部作シリーズで有名な作家。

 

 

 

④    近江商人博物館

近代的なビル内に、様々な展示物が並んでいました。

 

 

 

どこも訪問者は少なく、のんびりと見学ができ、心安らかになる町散歩でした。

さて、近江路の旅、次は、有名な近江八八幡、近江牛のステーキ登場します。

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