理想と現実。そして、その先にあるものとは。 | 迷えば原点

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医療法人翠章会 すまいる歯科 理事長・山村洋志明が書き綴ったブログです。

みなさんこんにちは!
岡崎市・豊田市の歯医者 すまいる歯科の山村でございます。

いよいよ2007年も今日で終わりになりますね!

みなさんにとっての2007年はどんな年でしたか?

そして2008年はどんな年にしたいですか?

そんな想いをのせて、きょうもぶっちぎってはりきっていきましょう!!



2007年最後のブログはとても難しい内容です(笑)

しかもかなりの長文です。

「価値観」についてのお話なので、小難しいですが、興味がありましたら読んでください。


それでは、スタート。






先日、美容院を経営している方とお食事を一緒にさせていただける機会がありました。

その方は、6年目の経営者の方なんですが、私と同じく、本業をしながら、経営もなさっているかたです。


実は、歯科業界と理容業界は似ていまして、それはなぜかというと、


①基本的に予約制

②椅子にすわってもらう

③1対1(施術者とお客さま)

④いきつけ(歯医者でいうかかりつけ)

⑤技術だけでなく、コミュニケーション能力も必要

⑥女性スタッフと女性のお客様が多いいわゆる女性社会

⑦スタッフの年齢層が比較的若い(場合もある)

という理由だからです。



ですから、ここ数年、歯科業界は、理容業界の成功事例などを積極的に参考にして、がんばっている医院が多くいらっしゃいます。


そういった異業種からの良い部分をとりいれる医院は、きまって成功していますので、私としてもいろいろな本を読みながら、すまいる歯科に取り入れてきました。



だから余計、その美容師の方とお食事できるとわかった瞬間に


これはビックチャンスだ!」


と、ひとり興奮していました(笑)





話の内容は、もっぱら

開業から、現在に至るまでの経緯」や「その期間におこったトラブル
そして、
今後の展望」などでした。



その内容たるや、やはり一筋縄ではいかないということや、苦悩の時期は必ずあるということでした。


実例と共に、話していただけたので本当にわかりやすく歯科業界にも十分に落とし込めるような内容でした。





そこで印象に残った話を今日はみなさんにお伝えしたいと思います。



それは、「現在の若者たちの仕事観」についてです。



最近の若者は、「仕事」と「プライベート」を完全に分けた価値観をもっています。

「プライベートに仕事を持ち込まないこと」が美徳であるかのごとき風潮です。


ある種危険な発想に聴こえるのかもしれませんが、僕が伝えたいのは、その本質の話です。




別にプライベートの時間に無理に仕事をするべきだといっているわけではありません。



僕が伝えたいのは、「プライベート」と「仕事」は決して乖離することなどはできないのです。



だって、プライベートで遊んでる時だって、「明日が仕事」と思えば、夜遅くなるのは控えるし、「にんにく」も食べません。



仕事中だって、少し余裕がでれば、「仕事がおわったら、あれして、これして」と誰もが考えるはずです。



このような事実からも、「仕事」と「プライベート」が完全に分かれることはできないのです。



でも、メディアの影響もあるのかもしれませんが、「プライベートに仕事を持ち込まない」ことが、かっこいいといった風潮になってきています。



このような考え方になれば、次のようなことがおきます。



それは、



「プライベート」の時間に「仕事」関連のことはしない



ということです。





例えば、自分のスキルアップのための残業はしないし、本も読まない。




だって、仕事が終わった後は、「プライベート」の時間だからです。




だから、「プライベート」の時間にやる仕事関連のことは、「仕事の時間」と認識して、その分だけ、見返り(お金)をもとめるんです。




びっくりするかもしれませんが、これが現実です。




しかも、多くの人がそのような考え方が正しいと思っています。







おかしい!!






僕は強く思います。







考えてみてください。







野球選手は、試合でヒットを打って、結果を残してお金をもらっています。




その野球選手が、プライベートの時に素振りをしていて、「こんなけ練習したからお金ください」って言いませんよね。




サッカー選手がシュートの練習をしたから、こんだけお金増やしてくださいってきっといわないはずです。




なぜなら、経過にお給料を払っているわけではないからです。




あくまでも、「仕事で何をしたのか?」が問題なのです。




もちろん医院に残って仕事をしてもらえば、残業代を渡す。これは当然。

でも僕が言いたいのは、仕事とは直接関係の無い、「自分の能力」を上げるための行為すら、「仕事の一部」と考えている人がとても多いということなんです。




スポーツ選手も、他の業種の人も、仕事ができる人は、決まってプライベートの時間に自分を高めるための何かをしています。





「仕事観」が違うんです。




「仕事観」とは、仕事に対する考え方、自分の生活との密着度のことです。




その「仕事観の高さ」が、できる人とそうでない人との決定的な違いなのかも知れません。




自分の能力をあげるのなら、プライベートの時間に自分を向上させることをしなければいけないのです。(仕事中は忙しいことのほうが多いのでその時間はとれません)




能力が上がれば、お給料も増えます。




お給料が増えれば、プライベートの時に自分が興味があることや、好きなことにそのお金を使うことができる。




つまり、プライベートの時にしたことが、結局はプライベートの充実に返ってくるんです。






だから、「プライベート」と「仕事」を切り離すことの無意味さを私は常日頃よりみんなに伝えています。



みんな、損をする方、損をする方へと突き進んでいます。



その点、理容業界はすごい。



みなさんもよく目にするとは思いますが、営業終了後にいつも若手の見習いさんが夜遅くまで、カットやシャンプーの練習をしていますよね。



あれはもちろん残業代なんてつきません。




彼らは、自分の意志でやっているんですね。



「今よりももっと、上手くなるために・・・」





当然、そのような生き方をしていれば、どんどん自分の能力はあがっていきます。



やれる仕事も増えます。




仕事が増えれば、お給料も増えます。





今の歯科業界は、このような理容業界の仕事観に必死になって追いつこうとしています。





「理想」を追い求めているんです。今の歯科界は。






でも、美容師の方とお話をしてみて、「現実」も教えていただきました。





僕には驚きでした。






それは・・・







「残業して努力するといった形が、あまりにもあたり前になると、そこから得られていたはずのものが得られなくなることもある」

ということです。




????????????????






2秒後にわかりました。






形骸化するということです。






ここまで読んでくれたありがたいファンのみなさん、がんばってついてきてくださいね(笑)






形にこだわりすぎると、本質が見えなくなるんです!





「自分をスキルアップさせるために残業をする」

から、

「残業をしさえすれば、自分をスキルアップできる」



という考え方に変わってしまっているのです。






めちゃくちゃ最高の「気づき」でした。
○○さん、ありがとうございました。






大事なのは、形ではないんです。


考え方なんです。




「ありがとうございました」を形だけで心からいわなくなったら、同じ言葉を発しても人にはなにも伝わりません。




それと同じなんだ!





最高です!(笑)






仕事もプライベートも別じゃないんです。



なにもプライベートを削ったから、すばらしい人間になるわけではない。




仕事を犠牲にしたら、プライベートが充実するわけではない。





全てはバランスなんですね。






もう一度、言わせてください。






プライベートでこんなことがしたい、あんなものが欲しい。
だから、プライベートを少し削っても残業して、仕事スキルを向上させて、欲しいものをてにいれよう!と思う考え方。


仕事をさらに充実したものにしたいから、今回は仕事を多少やすんでも有給をとってプライベートの時間でおもいっきり、羽をのばそう。という考え方。





ベクトルはその方向でないとだめなんですね。




プライベートを犠牲にすれば、仕事スキルがアップするわけじゃない。

仕事を犠牲にしたら、家庭が上手くいくわけじゃない。




「形」から入るのか、「気持ち」からはいるのか。





同じように見えてもその方向が違っていたら、得られる結果もまた、とてつもなく違うということに気づきました。





最高です!(3回目)






その方がおっしゃるのは、理容業界はそのことに気づき始めているんだそうです。





だから、今日は店をしめて、夜のトレーニングは止めさせたりしてバランスをとる方法を模索しているそうです。






今日の話を聞いていなかったら、僕も間違いを起こすところでした。




「形」にこだわる精神論を押し付けていたかもしれません。






僕が知っていた、信じていた理想と


それを実践して、現実にぶつかっている人。




「理想と現実」という言葉が、なんて中途半端なものなのかということを、痛感した一日でした。





これからの僕の心のメモにこんな一行が加わりました。





「理想と現実を理解する。そして、そこで止まってはだめ!」





異業種の方との出会いが、こんなにもすばらしいものだとわかりました。



2008年の年間目標に「異業種の人との積極的な交流」を掲げています。




実践あるのみ!!








あとがき


2007年も、「いつも心にすまいるを・・・」をみてくださってありがとうございました。
時には、信念をお伝えしたい気持ちから、文章が強めになってしまったこともあるかもしれません。
「山村、それは違うだろ」というご意見もあるかもしれません。



しかし、これからも根底にあるものは

「あなたがうれしいと私もうれしい」


という信念をもって、いきていきたいとおもいます。


みなさんにとって、2008年がめちゃくちゃハッピーな一年になることを祈って・・・




また会いましょう!!