ヤマアラシのジレンマ | 迷えば原点

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医療法人翠章会 すまいる歯科 理事長・山村洋志明が書き綴ったブログです。

相手を暖めたいと思っても自らのとげで相手を傷つけてしまう・・・
でも、離れすぎると相手を暖めることができない・・・



相手を思うが故に厳しく接してしまうということは、この世の中ではあることです。
その厳しさ(フィードバック)が気付きとなり、さらなる成長を遂げる・・・

人間が成長する上で、『厳しさ』というのは必ず立ちはだかる壁であり、それを乗り越える力がその人を成長させていく。

私は、あえてその人のために厳しく接している人にも、そして厳しさをうけ、それを乗り越えようとしている人にも、その両者にエールを送りたい。


こんばんは。すまいる歯科院長の山村です。
今日のテーマは『ヤマアラシのジレンマ』という話です。
真面目な話ですが、最後までどうぞご覧ください。



私の友人の先生(M先生)と先日、食事をする機会がありまして、こんな話題になったのです。
スタッフに対しての接し方


M先生は人気医院の院長先生で、いつも患者さんがたくさん来院されています。
院長先生もさることながら、その医院のスタッフの患者さん対応もすばらしく人気医院たるゆえんであります。

そんな人気医院も最初からそうだったわけではなく、開院当初の苦しい時期を院長・スタッフ全員で乗り越えての現在があるのです


患者さんの人数が増えれば、もちろんスタッフの数も増え、開院当初は院長の目の届いていた所も次第に目がいかなくなる。それは大きな組織としては必然の出来事です。

そんな時、最も頼りになるのは『リーダーの存在』です。

リーダーとは、院長の考え方、理念などを他のスタッフに伝える、代弁するポジションにいる人の事をいいます

理念や思想を伝えるためには、時には厳しさをもって他のスタッフに接しなければなりません。


スタッフがスタッフを指導・教育する


簡単に見えてもそこは非常に難しいことなのです。

院長の、つまりは組織のトップの理念を伝えるんだという、強い意志がなければ到底勤まることができないポジション。それが『リーダー』なのです。

私の別の知り合いの先生の医院のリーダーも、診療後、泣いている人もいるそうです。もちろん診療中には毅然とした態度のリーダーであっても。

誰だって、楽して仕事して、家に帰ってのんびりして・・・

そして、誰だって注意なんかされたくないし、そして、できるのならば人に注意なんかしたくはありません。
注意なんかする方も、される方もいい気分なわけがないのですから・・・

でも、誰かが伝えないと、誰かが伝道師にならなくては、組織はある一定の規模で頭打ちになってしまいます

誰もがその伝道師(リーダー)になる資質があるのかというと、そういうものではありません。
そこには鉄の意志(自分がやらなくて、誰がやるのか!)をもっている人でなければならないのです。

それでは、そのリーダーを育成するためにはどうすればいいのか?
その人のもって生まれた資質に全てを依存するのか?


その答えは「No」だと思います


なぜなら、その伝道師(リーダー)を育成するための、その始まりの伝道師にまず最初になるのは誰かというと・・・

もちろんその医院の院長なのだからです。

リーダーになるべき人間に対して、まず最初に『気付き』のフィードバックを与えるのは院長の仕事なのだから・・・


M先生の『気付きのフィードバック』にその医院のリーダーは、悩み、へこんでいるように見えるというのです。
そのリーダーは、医院が苦しい時期に院長を支え続けた功労者であるが故に、M先生の苦悩をうかがい知れてなりませんでした。


どのように接すればよいのか、それに思い悩む。このまま『気付き』を与え続けていいものなのかどうかと・・・

少し、距離をおくべきなのだろうかと・・・

私の感想は、「フィードバックを与え続けても、少し距離を置いても、どちらも正解」だと思うのです。


それはなぜか?


こんな寓話があります。
ヤマアラシのジレンマ』というお話です。

ヤマアラシとは外敵から身を守るために全身に鋭いとげが飛び出している小動物で、分かりやすく例えるのなら、「ハリネズミ」みたいなものでしょうか。

そんなヤマアラシの物語です。


ある寒い寒い夜です。
2匹のヤマアラシがたたずんでいました。

風が強く、お互い寒さで震えています

お互い相手をかわいそうに思ったのか、2匹のヤマアラシは寒さをしのぐためにお互い寄り沿います。

しかし、2匹とも自分の体から飛び出している鋭いとげで、相手を傷つけてしまうのです。

相手を思い、近づけば、近づくほど・・・


そのことに気付き、2匹とも相手を傷つけないために、離れると今度は寒くて耐えられません。


近づくと相手を傷つけ、離れると相手を暖めることができない・・・

相手を傷つけず、そして相手を暖めることができる距離を探す。
でも、なかなかその距離を見つけることができない・・・

それが『ヤマアラシのジレンマ』なのです。

私には、M先生とそのリーダースタッフが『ヤマアラシのジレンマ』の状態にいるように見えて仕方がありませんでした。

なぜなら、その二人の関係には、大前提には、「患者さんのために医院をより良くして行きたい!」という強い意志が感じられるからです!

院長はそのリーダーが更に成長するために、リーダーは医院を更によくするために。

つまりはお互いが、お互いを思っている状態なのだから、なのです。

院長の気づきのフィードバックが強すぎるのなら、すこし離れてもいいのです。
それは「逃げ」ではないのですから。

今は、お互いが一番暖めあえる距離を探している時期なのですから・・・

『ヤマアラシのジレンマ』なんですね。


M先生の医院が、しばらくののち、患者さん満足度の高い、更なる人気医院になることを私はそのM先生の話しぶりから私は確信しました。


今後、M先生の医院とすまいる歯科のスタッフと合同での勉強会やセミナーへの参加などのチャンスはあると思いますが、その時にM先生とリーダーの方、お互いが更なる信頼関係でグレードアップした二人をみるのが今から楽しみです。

すまいる歯科もM先生の医院に追いつけるように、メンバー全員でがんばる所存です!


週も中間を過ぎました!明日もはりきっていきましょう!!