IWAは室蘭大会を終えると室蘭港からフェリーに乗船し、茨城県大洗港に到着して都内に戻りツアーを終える日程。
フェリーには、約22時間乗船します。
この11月シリーズ、バスで移動中に
タイガー・ジェット・シンが興味を持ったのは携帯電話。
日本に何度も来日経験のあるタイガーは、日本人の知り合いが沢山いて移動時間や空いた時間などには連絡をとっていました。
タイガーの持つ、分厚いA4サイズの手帳には、名刺や連絡先が綺麗に記載されていました。
リング上の狂乱ファイトとは違い、とてめ几帳面な性格でマメです。
手帳を見ながら、指を指した電話番号に電話をします。
主に電話をかける役は、タッグパートナーの
YUJI KITO選手、松野行秀氏、営業Oさん、淳一レフェリーの4人が多かった気がします。
例えば、
タイガー「ゴング原!!」
淳一レフェリーが指定された番号に電話。
プルルル~♪
淳一「もしもし、週間ゴングの原様の携帯電話でしょうか?
突然の電話申し訳ございません。
只今、隣にタイガー・ジェット・シンがいまして本人が原さんと話をしたいと申していますが…。」
返事は大方、2つに絞られます。
①昔を懐かしんで長々と会話。後日、会う約束を取り付けるパターン。
②居留守を使われるか、電話番号が違うと伝えてくれというパターン。
①はタニマチなどが多く。
②はマスコミ関係が多かった気がします。
特にマスコミには、電話を取りつぐと
『俺をフロントページ(表紙)にしろ。』
『掲載された誌紙面をカナダ・トロントの自宅まで送ってくれ。』
など無理難題なものばかり。
電話を切ると、
タイガー「ハウマッチ?(いくらだ?)」
淳一「190円。」
と言うと200円を支払ってくれます。
これから松野氏とのコンビで継続参戦の予定で日本に来日する回数も増えるということで
タイガーは『自分の携帯電話』が欲しくなっていました。
札幌大会で、タイガーを訪ねてきた古くからの知人に携帯電話を用意するように頼んでいました。
約束の期日は最終戦の室蘭大会。
タイガーの近くにいた淳一は、この知人男性が携帯電話を頼まれていたのを一部始終知っていました。
最終戦の室蘭大会に現れた男性は、固い決意をします。
男性「携帯電話は用意しませんでした。
シンさんには謝ります。」
大丈夫かなぁ~。
と心配になっていました。
大会が終了していつものように会場撤去をしているとダグ・ギルバートが目を丸くして近づいてきます。
ダグ「イチローさん、slapped!!」
男性の元に行ってみると、
男性「これでいいんです。」
と繰り返すばかり。
『このまま、来シリーズもタイガーの携帯電話の件で悩まされるのかぁ~』
と構えていたら、得意気に『My携帯電話』を持っていました。
聞くと、日本にいる親戚に支給されたとのこと。
数年後、ハッスルに来日の際に突然タイガーの携帯電話から着信が…。
恐る恐る出てみると…
タイガー「ハロー、イチヒロ!!」
(タイガーは、“イチロー”を“イチヒロ”と発音します。)
※イチロー=淳一レフェリー
用件は、『腕時計の電池が切れたから、○○ホテルのロビーに預けておくから、直しておいてくれ』
と付け人のような注文。
『やれやれ』
という思いでしたが、プロレスファンの淳一レフェリーは、『タイガー・ジェット・シンに頼まれ事をされたよ~』と武勇伝。
ホテルのフロントにいくと時計と封筒に入った3万円。
後日、おつりと時計をフロントに預けるなんてことも。
嘘のような本当の話ですが10数年経った今でもタイガーが来日すると携帯電話から連絡がきます(笑)