全日本女子プロレス 茅ヶ崎青果市場大会 | 佐藤淳一レフェリーブログ “きれいな水で泳ぐも人生。 汚れた水で泳ぐも人生。”

佐藤淳一レフェリーブログ “きれいな水で泳ぐも人生。 汚れた水で泳ぐも人生。”

2017年11月23日にプロレスレフェリーを引退しました。
現役時代は、沢山の方に支えられ、そして応援していただきありがとうございました。

全日本女子プロレス、神奈川・茅ヶ崎青果市場大会にリングスタッフとして参加しました。

96年~97年頃の話。
角掛留造選手のエピソードです。

この日は一つ年下の川満くんに加え、
岸さんもリングスタッフとして参加。
気心知れる仲間と和気あいあい仕事をしていました。

全女では、(全女以外の団体も)昔は開催地近所のスーパーや本屋などに特別優待券が置かれており、優待券(割引券)を持参すると安価で入場できるようなシステムでした。

『本券持参で1000円で入場できます。』

この謳い文句に誘われいざ1000円を支払い会場に入るとグッズ売店机前の小さな
スペースに場外フェンスで囲われた
立見エリアで観戦になります。

50人が入れば寿司詰め状態。

押すな押すなで窮屈な体勢で苦難しているところへ救世主として現れるのが、

ミゼットプロレスの角掛留造選手でした。



よく通る声で、

「立見の人、1000円追加で座って見れるよ~。」

と声をかけると20名前後が1000円を追加して狭い立見エリアから指定席に移動します。

立見エリアに少し余裕が出来ると1000円の立見客を入れて、また窮屈にして、1000円追加で指定席に案内。

以下繰り返し……。

中には休憩時間終了後に柵を外され自由に座ることが出来ることを知っていて最後まで居座る強者もいらっしゃいました。

この行為を興行用語で
『お直り(おなおり)』と呼びます。

後に自分がデビューしたIWA・JAPANプロレスでも頻繁に行われていて、よく浅野社長が先頭に立って『お直り』をしていました。(IWAでは30名も入れば一杯になるように柵を小さく作っていました。)

また、角掛選手は、根は良い人なのに
言葉使いが悪かったために良くお客と喧嘩をしている姿を見かけました。

この茅ヶ崎大会の前日も所沢?新座?
では、撤去作業のボランティア(大会終了時にイス片付けなどのボランティアを募り手伝っていただいた方にサイン入りグッズを
進呈する)の高校生に生意気な言葉使いが
原因でぶん殴られていました。

ぶん殴られた翌日の茅ヶ崎大会での
ボランティア募集を促すマイクでは、

今井リングアナ「ボランティア希望の方は、赤コーナー付近、昨日の○○大会に口の聞き方が悪いと言われ高校生にぶん殴られた角掛留造選手までお集まりください!!」

とやるもんだから一部始終を知っている
スタッフは大爆笑!!

角掛選手は「ウルセー!!」と啖呵を切っていましたが、この日ばかりはおとなしかった気がします。

全女の会場では仕事は(イス並べの数)半端なかったですが、このような“ほのぼの”とした出来事の方が記憶に残っています。