❏❏❏ 回顧録:2007年9月20日 東京・自宅
ステロイド療法76日目、3回目の手術から43日目
9月の平日、私はまだ会社に行けるような体調ではなかった。
※こうして振り返り闘病記を書いているが、改めて普通の日常の大切さを感じる。普段、あまり意識することはなく、小さな悩みばかりの日常だが、がん闘病していた頃の悩みに比べれば比較にならないほど小さい。小さなことに悩める日常は幸せだと思う。
9月20日も喉に圧力を感じながら一日が始まった。
どういうことだったのだろうか?
がん治療により間質性肺炎を発症し、肺が小さくなってしまったので、呼吸がしにくくなりのどに圧力を感じていたのか?
それとも精神的なストレスからくるものだったのか?
命がけの闘病はきつい。
いま、こうして元気に戻っているが、またいつか、あの命がけの闘病が起こるはずだ。
人間、健康のまま死ぬなんて滅多にないのだから、加齢に伴い、またあの日が来るのだろうと想像している。
この日、足の指にしわができているのを見つけてうれしくなった。
後腹膜リンパ節郭清手術を受けて、リンパ浮腫が起こり足はいつもパンパンだった。
それがこの日、指にしわができている。
自覚はないが徐々にゆっくり回復している、それを示していた。
こういったことが、患者は嬉しい。
午後、行きつけの床屋さんに行った。
自転車に乗って床屋さんまで行けた。
すごいことだった。
退院してからは歩くのもよたよただったのに、自転車に乗って用を足しに行けるまで回復してきた。
嬉しくて、床屋に入るなり主人に報告した。
少しずつ日常を取り返していることが実感できた日だった。
9月のこのころは幸せなことばかりだった。