❏❏❏ 回顧録:2007年9月15日 東京・自宅
ステロイド療法71日目、3回目の手術から38日目
このころになると、自分の体の変化を見て取れるようになってきた。
まず、二の腕(=上腕二頭筋)にわずかながら「チカラこぶ」みたいなものがついてきた。
これは、男の人であれば、だれでもみられる「力こぶ」なのだが、
退院した時は、全くなかった。
マラソンして運動しているので、がんになる前はあった。
しかし、半年間の入院、そして極めつけだったのが3回目の手術で15時間も昏睡状態になり、
その「こぶ」はなくなった。
痩せてはいないし、もちろん太ってもいないのだが、がん患者になり治療と長期入院で筋肉が消えた。
それが、この9月15日ころにはなんとなく「こぶ」らしきものができていた。
そして、両腕を上げて万歳した時、血流があるのがわかるようになった。
ドクン、ドクン、といった感じがするのだ。
退院直後は両腕を上げても血が流れていないかのようで不安だったのだ。
血流を感じられないなんて、ひどい状態だった証拠だ。
さらに、散歩した時、咳と痰が減った。
退院して自宅に戻ってきてからは、リハビリのために散歩を始めたのだが、
最初のころは、わずか100mをとぼとぼ歩くだけで、
その間に、咳が止まらず、痰が絡んだ。
身体が悲鳴を上げているかのようだった。
9月中旬になったこのころ、散歩しても、ただそれだけで咳が出ることはなくなっていた。
よく考えたら異常だった。
散歩しただけで咳が止まらないなんて、、
身体の良い変化を実感し始め、社会復帰にすこし自信を持ち始めていた。