※ 十分な貯えもないのに49歳で会社を辞めました。自分がしたい患者支援活動ではお給料が出ないと解り、最初から多難な船出となりました。なんとか、生活を立て直さなくてはと思い焦っていました。
あの頃を思い出すと、本当に情けないです。
会社に行っていないから、暇なんですよ。
しかも、患者支援活動なんて、まだ構想段階で何も始めていないから、ともかく時間があるのです。
だから家に居るのですが、、
家計簿をつけているエクセルを開くと、真っ赤。
大赤字です。
そりゃあそうです。
だって、収入が無いのに、家賃を払う、水道、電気、ガスといった光熱費は、銀行口座から自動引き落としになっているし、
ドコモのスマホ代、家族4人分が、毎月引き落とされて、
更に、生命保険の自動引き落とし、NHKに自動車保険、日経新聞と、毎月、どんどんお金が引き落とされて、
家計簿で見ると、恐ろしい感じなんですよ。
かといって、再就職をすることを考えていない私。。
再就職したら、がん患者支援活動が片手間になってしまい、
結局、時間のある週末にちょこちょこやるなんてことになりかねない。
「がん患者支援活動をする」と言って会社を辞めた手前、引くに引けない。。
毎月、貯金が、急激に減っていき恐ろしいほどです。
なんとか、お金を工面しなくちゃ、、と
アマゾンで家にあった中古本を売ってみました。。
大抵、原価の1/3とか、ひどいと「10円」みたいな世界です。
ただ、子供たちが中学受験で使った「赤本」(=各私立中学の過去問の本です)を売りに出そうとしたら、、
なんと、買値よりも高く取引されています。
「えっ?なにこれ?」
気付いてしまった私。
実は、当時、国語の問題文に出てくる小説とか論説にも著作権があるという判決が裁判所で下され、
赤本なのに、国語の問題文が載っていないんですよ。
※原文が載っていない問題集ってなによそれなのです。
ただ、前年のものには、まだ掲載されていました。
つまり、赤本は、過去5年間の過去問題集なので、
司法判決がおりた今年からは「国語の小説は掲載できない」となると、過去5年分の問題が白紙状態になるのです。
でも、前年まではそんな判決がおりていないから、前年の問題集には「過去5年分しっかり小説が載っている」。
4年分はオーバーラップしているわけです。
だから、我が家の子供たちが使った赤本は、買った時の値段(例えば、2200円)よりも高い(例えば、3500円)で取引されていて、1300円の利益が出ます。
※買値をサンクコストと考えれば、まるまる3500円の価値みたいなきもちになっちゃうのです。
貧困状態(ちょっと大げさですが、精神的には貧困でした)になりつつあった私は、大喜びして、家にあった中古本を処分して利益を得ました。
※利益といったって、たかが中古本、合計プラス 7,000円 儲かりました!なんて程度で、しかも1度限りの話しです。
ただ、自分でも怖くなったのですが、経済的貧困(?そこまでじゃやないですが)、生活不安になると、人間ろくなことを考えない。
「もしかして、この事実に気が付いていない人たちが世の中にはまだいるんじゃないか」
と想像し、近所の小さい、ショボい、古本屋を自転車で回ってみたんですよ。
そしたら、、
「あっ、2冊ある」
とある私立中学の「過去5年分しっかり小説が掲載されている」赤本が2冊あるではないですか。
それを買って(例えば、定価2200円を、1200円)で買って、アマゾン中古本で(例えば、3500円)で売って、利益2300円になるのです。
「うわあ、凄いこと知っちゃった」
古本のアービトラージだ!なんて喜んでしまい、
それからは、遠方のしょぼい古本屋まで自転車で行って(電車で行くと、電車賃がかかるから、利益が飛んでしまうので自転車で回りました。なんて情けない、、)、赤本が無いか?見て回りました。
その週は、毎日、そんなことしていて
週末になり、冷静に考えて、今の自分は異常だ!!、、そう思うのです。
たかが1000円、2000円の利益のために、一日中、自転車をこいで回り、疲れて帰ってきて、
もし、アマゾンで売れなかったら(実際、そう簡単には売れないです。)、単に在庫として残り、実損が出るだけじゃないか!
売れるようにするために、値を下げると、結局、原価割れになって、また実損が出る。
いたいなにをやっているんだおれは。
それなら、どこかでアルバイトして働けば、時給1000円以上なんだし、
一日、5000円以上はアルバイトで稼げる。
そっちの方が堅実で安定した収入じゃないか。
「おれは、いったい、何をしているんだろう、、」
その1週間、自転車をこぎまわった自分が怖くなりました。
人間誰しも、うまく行かない時とか、不安な時って、冷静さを欠くんだなあ、、、
49歳定年、、時間が膨大にあり、経済的に将来不安になり、かといってまたサラリーマンに戻りにくい事情がある、
正常な判断が出来ていない時がありました。
あ~、あのとき、2流の古本屋さんにならず、良かったなあ~