❏❏❏ 回顧録:2007年8月7日 東京・慈恵医大病院

 

ステロイド療法32日目

 

がん2度目の手術(後腹膜リンパ節郭清手術)の前日。

 

元気度は82点。

 

肺と喉の調子は72点、但し、喉には相変わらず、大豆1.5つぶが張り付いている不快感。

 

手足のむくみ:4,疲れ:2、咳:2,胸のゼコゼコ感:6,のどの圧力:6.(10段階評定で、1ヵ月前からつけている)

 

痰が結構溜まっていて、咳払いばかりしていた。

 

 

朝、看護師が部屋にやってきて、今日一日の予定を説明してくれた。

 

採血の後、午後、下剤を飲んで消化器に中を空にいていくという。

 

長時間の全身麻酔、当然、大腸の中のものは肛門から垂れ流しになるから空にしなくてはいけない。

 

全身麻酔、つまり仮死状態に近い状況下、胃とか、小腸にものが入っていたら良くない。

 

だって、胃も腸も、動かないのに、食べたものがあったらマズい。

 

だから、空にする。

 

その代わり、点滴で最低限の栄養分は入れる。

 

但し、手術当日の朝、浣腸で空にする。

 

 

看護師から「手伝いますから」と言われて拒否した。

 

すると「大丈夫です。そういわれる患者さんもいるんですよ」

 

そう返された。

 

 

看護師とはいえ、見ず知らずの女性に、肛門から浣腸されるなんて耐えがたい。

 

 

この日のことは、あまり記憶がない。

 

病室のテレビを観ていても、なにも面白くないし、つまらない。

 

気持ちは、翌日の手術のことばかりなのだ。

 

午後になると、点滴のルートを取るために、医師がやってくる。

 

それまでは、腕に点滴がない自由の身だ。

 

17階のラウンジに行った。

 

 

いつも通り、ちらほらと患者家族がいる。

 

浮かない顔をしている女性、週刊誌を読んでいる男性。

 

どの部屋の患者の家族なのだろうか?

 

 

明日になると、私の妻が「手術を受けてる患者の家族」として、このあたりに座っているのだろうか?

 

明日という近い未来のことを想像していた。

 

 

明日は、これまで以上に頑張らないといけない、そんな想いでラウンジのソファーに座っていた。