あれは、確か、2005年か2006年のサロマ湖100㎞マラソンだったと思う。

 

私は、妻と幼い子供たち2人の4人で、北海道旅行&サロマ湖100㎞マラソンに来ていた。

 

妻にはオホーツク海鮮旅行と言わないと、一緒に来てくれなかったし、私一人でサロマに出るなんて言ったら、一人で北海道旅行なんてズルいとなっていかせてくれないときだった。

 

私が走っているときは、妻はレンタカーに子供たちを乗せて、先回りして、3人で応援してくれた。

 

レンタカーから家内と、子供たちが、がんばって~と応援してくれるのは最高に嬉しかった。

 

このころは、スマホなんてない時代で、ガラ系の携帯で、メールの時代だ。

 

ただ、当時すでにランナーズアップデートというサービスがあって、登録したメールアドレスには、選手が何キロ関門を通過したか、リアルタイムで送信された。

 

妻は登録して、私が何キロを通過したかを確かめて、その手前で応援してくれた。

 

75㎞地点にある鶴賀リゾートホテルのあたりのことだった。

 

私は65㎞位から、脱水症状からか、寒気がしていた。

 

晴れて日が差し、暑い日なのに、寒気がしていた、よたよたしながら、鶴賀ホテルの大きなエイドステーションまでやってきたら、妻がいて、私はプラスチックの白い椅子に座った。

 

妻:大丈夫なの~?

私:なんか熱中症になったみたい。寒気がするんだ。

 

憔悴(しょうすい)しきって座っている私の前に立ち、携帯電話でメールを打っている妻は、真剣に聞いてくれない。

 

妻:いま、おばあちゃんに、パパが75㎞まで来たって打ってんの。メールうち忙しいたらありゃしないわ。

 

私:ママさあ、なんか寒いんだよね。どこかで手袋とか買えないかなあ?売ってないか探してくれない?

妻:はぁ~、なに言ってんの?? 6月に手袋なんか売ってるわけないじゃん。ありえないわ。

 

椅子に座っている私の前で立って携帯メールを一生懸命に打っている妻は、お願いを聞いてくれません。

 

私:さっきさあ、走ってくる途中に、あのあたりだけど、自動車のドライバー手袋しているおばちゃんいたんだよ。手袋をゆずってもらえないか?聞いてくれないかなあ。俺、寒気が止まんないんだよ。

 

妻:はぁ~、なに言ってんの?なんで人がはめてる手袋、くださいとか、私が言わなきゃなんないの?そんなに寒いの?こんなに暑いのに。寒いなら、マラソンやめなさいよ。私だって、いちいち、おばあちゃんにいまどこメールしなくて済むから、やめりゃあいいのよ。やめろーやめろー

 

こんなにお願いしている私を前に仁王立ちして、やめろーやめろーとか言って笑ってます。

 

そしたら、、だんだん、腹が立ってきて、

 

なんか妙にチカラが湧いてきて、、

 

私:じゃあ、もういいよ!!こんなにお願いしているのに。なにが、やめろーだ。絶対に完走してやる。寒気なんかなんだ!馬鹿にして。見返してやる。がぁーーー

 

再び走り出して、なんと、そのまま25㎞、走れて、、、完走しちゃいました。

 

ゴール後、どうだ、みたか!怒りのパワー、と家内に言ったら

 

じゃあ、私のおかげだね。

感謝しなさい、とか言われて、がっくり膝をつきました。。

 

そんなこともあったなあ、サロマ湖。