❏❏❏ 回顧録:2007年7月23日 東京・会社
ステロイド療法18日目
私は朝のルーティンワークがあった。
まず、起きて血圧を測り、体温を測り、体重測定。
その後、朝食のパンを食べる。
その間に、日記に自分の体調を記入する。
この日は、週明けで月曜日だ。
朝10時時点で、手のむくみ:6、疲れ:3、咳:2、武野のゼコゼコ感:6、喉に感じる圧:6
肺の調子:68点
これはあくまで、主観で、前日との比較で書いている。
ただ、こうして書かないと、不安だった。
今の自分の体調が、悪いのか?それとも、悪くないのか?が解らないのだ。
がん患者で、間質性肺炎の患者だ。
体調が良いはずがない。
体調は悪いのだが、それが、悪化しているのか?それとも変わらずなのか?万が一にでも、改善しているのか?それを知りたくて、記録した。
自分の体調が、いまどこにあるのか?そんなことすらわからない人間に変わっていた。
10時過ぎに会社に行った。
外資系証券会社だから、みんなマーケットの動きを見ながら働いている。
緊張感のある職場だ。
そこに10時過ぎに行って、何をするでもなく、社内の人と会議室でおしゃべりする、そんなことが許されていた。
この時の私は、長期療養中の従業員だ。
日系の会社であれば、出社自体を認められないかもしれない。
しかし、前職では、当時、許してくれた。
「大久保が来たいというならいいよ。好きな時間に来て、好きな時間に帰ればいい。しかし体調第一だよ」
上司のアメリカ人が許可してくれた。
もちそん、会社が許可してくれたからだ。
この日は、他の部門の部門長とベトナム料理屋でランチを食べた。
かれは蓄膿症がひどくてつらいと言っていた。
がんと蓄膿症は違う病気だが、みんな何かしら健康上の課題を持っているんだ、そう思うと気持ちが少し楽になった。
※5回目の入院まで14日。