❏❏❏ 回顧録:2007年7月19日 東京・慈恵医大病院
ステロイドを点滴で投与する治療、14日目。
ついに退院する日がきた。
多少嬉しいのだが、何ともスッキリしない退院だ。
なぜなら、在宅での治療に切り替わるというだけで、治療が終わるわけではないからだ。
この日は呼吸機能があれて、胸がゼコゼコするし、息苦しさが上がっていた。
一瞬「まさか、退院の日に悪化したのか?」とも思ったが、
よく考えたら、前日、スパイロ検査で息を吸って吐いてを繰り返す厳しい検査を受けた。
あの検査で、身体的にダメージを受けたのだろう。
この頃になると、体調が良くない理由を何となくだが察することが出来るようになっていた。
がんの告知を受けてからは、体調が悪いと、
「まさか、がんが転移しているのではないか?」とか
要らぬ心配ばかりして精神的にきつかったが、今はそうでもない。
午後に病院に来た妻と一緒に1回の退院受付でお金の清算をした。
これで、2月から4回目の入退院で、その清算だ。
毎回、こんなにお金がかかるのか?と驚くが、今はともかく我慢して、病気を治すことだけ考えよう、となるべく気にしないようにした。
自宅に戻ると、讃岐先生から「後腹膜リンパ節郭清手術」の予定が8月上旬になると連絡がきた。
私がまだ入院していると思って、病室に行ったら、退院していて慌てたと言っていた。
梅雨も明け、暑い東京の夏が始まり出している。
8月上旬なんて、とんでもなく暑い頃に、大きな手術、、
重い気持ちになった。
がんの告知から、4ヵ月が経ったが、がんとの闘いは、全く終わっていない。