❏❏❏ 回顧録:2007年7月13日 東京・慈恵医大病院

 

ステロイドパルス療法、8日目。

 

この日も朝の「のど圧」は低かった。

 

気のせいなのか?それとも改善しているのか?

 

そもそも間質性肺炎と関係あるのか?それすらわからない。

 

呼吸器内科の医師に言わせると、間質性肺炎の症状として「のどに圧力を感じる」は聞いたことが無いという。

 

患者が訴える病気の症状というものは、千差万別だ。

 

多くの患者が居映して訴える症状もあれば、個別に少数の患者が伝える症状もある。

 

ある一人の患者が訴えていた症状となると、医療の世界では、本当に病気によるものなのか?判断がつきにくいから幾多の症状の中で埋もれてしまう。

 

これは、最近(2020年)のことだが、私は当時と同じような「のど元にゴルフボールが挟まっているような のど圧」を感じて医療機関を受診した。

 

近所の内科クリニックの医師は「大久保さん、それはストレスからくる精神的なものだと思います。漢方を出しておきます」といって、自律神経を調整するという漢方薬を服用していた。

 

はたして、、

 

2週間後に、そののど圧は改善していた。

 

2020年は、まさにコロナ渦で、私もよく解らないストレスに参っていて、自律神経の働きが乱れたようだ。

 

では、がん・間質性肺炎の2007年に感じていた「のど圧」は何だったのだろうか?

 

間質性肺炎によるものだと、長年思っていたが、

 

実は、ストレスからくる身体不調だったのかもしれない。

 

いずれにせよ、ステロイド療法を初めてから、徐々に改善していた。

 

この日、洗面所の鏡を見てハッとした。

 

抗がん剤治療中、舌(した、べろ)がシミのように黒ずんでいて気持ちが落ち込んだが、

 

この日鏡の中で見える自分の舌は、ピンク色のもとの下に戻りつつあった。

 

抗がん剤治療終了から1ヵ月+1週間が過ぎて、傷んだ自分の身体が元に戻りつつあるのを知った。