レース中に、初のBB+SBとなってしまった私は、もうタイムどころではありません。

 

そもそも変な話ですが、スタートして3分も経たないうちに「手袋探し」でタイムロスしているようなランナーいないですよ。

 

ただ、中盤、身体は動いてくれるのです。

 

どんどん前のランナー達を追い抜いていきます。

 

「なんか、身体が動く。これは、もしかして今までの練習の成果が出始めているんじゃないか?」

 

そう思えるのです。

 

1月末からの「毎週ロング走」とここ2週間行っている「体幹トレーニング」が効き始めている気がしました。

 

そして、鬼門の30㎞、する~っと行く感じです。

 

「うん、今日は違う。後半も落ちないし、身体が動く。こんな感じ初めてだ」

 

先を行くランナー達を、どんどん抜いていきます。

 

このままだと、意外といいタイム出るかもしれない、、そんな想いになりました。

 

そして、35㎞、、

 

なんと体が震えだします。

 

「なんだ?手が痙攣しているみたいだ。なにこれ?」

 

手が震えて硬直しだし、脚もブルブルしています。

 

真っ直ぐ走っているつもりなのに、斜めにいくし、

 

風が少しでも吹くと、寒くて寒くて、蛇行します。

 

手の指を見たら爪のあたりが黒紫色してました。

 

「やばい、、もしかしたら低体温症かもしれない」

 

これまで一度も低体温になったことは無いのですが、寒い日の大会でランナー達が脇道で座り込み、銀色のシートかぶりながら震えている光景を見たことが何度かあります。

 

きっとそれだと思いました。

 

それからは極端にペースが落ちていきました。

 

それまで1㎞を6分切るペースで走っていたのに、8分、9分、10分、と脚が止まっていきます。

 

手の震えが止まらないのです。

 

コースは、千葉の田んぼの中を走る農道なので、リタイヤしても、どんどん冷えていくだけだと思いました。

 

やがて何とか40㎞を過ぎると、

 

水が飲めるブースに来ます。

 

スタッフの人たちは、冷たい雨ふりの中、かっぱを着て、声を上げて応援してくれています。

 

紙コップの捨て場をみたら、なんと誰かが捨てた100円ビニールかっぱがあります。

 

※寒い日とか、雨の日に、ランナーは、100円かっぱを着て走ります。ランナーによっては、ビニール袋とか、ビニールごみ袋を切って、腕を出して、ポンチョのようにして走る人たちもいます。つまり、走って暑くなってきたら、脱ぎ捨てればいいという防寒ビニールです。

 

ゴミ箱にある、100円かっぱは、なかまでびしょ濡れになっていて、破けていました。

 

この寒い雨の中、私はかっぱ無しで走っていたので、「天の恵みだ」そう思い、

 

捨てた紙コップだらけのごみ箱から「100円かっぱ」を拾い、ばさばさと水を飛ばしてから着ました。

 

でも手が震えていてボタンがなかなかかえません。

 

そしてビニールのフード迄かぶり、口に手を当てて、呼吸しながら走りました。

 

ゴールするまでは、寒さで倒れないぞ!そう言い聞かせ、見えてきた競技場。

 

そして、ゴール。

 

4時間56分。

 

死闘を尽くしました。

 

※ただ、最大の難関は、そこから荷物置き場まで歩く500mでした。ゴールして燃え尽きて安心したけど、、よく考えたら、荷物を取って着替えるまでは、倒れられないのが、あとでわかり、フラフラしながら、なんとか着替えました~

着替えて暖かくなってきたら、震えも止まり、帰りのバスにも乗れました。

 

ああ、なんと厳しい思い出深い大会だったんだ。

 

一生忘れられない大会になりました。

 

ありがたや~