❏❏❏ 回顧録:2007年7月6日~7日 東京・慈恵医大病院
プレドニンによる「ステロイドパルス療法」の初日は終わった。
病棟では、夜9時になると看護師が来てすべての電気を消して消灯となる。
私は、真っ暗な病室の中でこの日のことを振り返っていた。
抗がん剤のようにきつい治療ではなかった。
ただ、雲をつかむかのようで、なんとも手ごたえがない。
目に見える副作用が無いからだ。
それはそれでいい。
ただ、即効性も無いというから、なんともしっくりこない治療だ。
真っ暗な病室で横になっていた。
すると、、
どういうことだ?
一時的に呼吸が楽になっている気がする。
まるで、咳の辛さが8→2、胸のゼコゼコ感が10→4、喉に感じる圧が10→4、
こんな感じで、呼吸が楽なのだ。
えー?なになのこれは、、
嬉しかった。
翌朝、どうなっているか?楽しみに寝た。
次の日、7月7日。
起きたが、改善しているかどうか、解らなかった。
少し、ショックだった。
昨晩のような、呼吸が楽になったという感覚が無かったからだ。
やはり、昨日の良い感じは、何かの間違いだったのか、、そんな落胆だった。
この日も、午前10時から、ステロイドパルス療法が始まった。
心の中で祈った。
「この治療は、俺の身体に効く。絶対に、この治療で治してみせる」
そんなことをつぶやきながら、ぽとぽと落ちるプレドニン薬を下から眺めていた。