❏❏❏ 回顧録:2007年7月2日 東京・慈恵医大病院

 

木村先生は、私が手術(後腹膜リンパ節郭清手術)を受ける決心をしたことで安心したようだった。

 

問題は、抗がん剤の副作用・合併症ででている間質性肺炎だ。

 

いまから呼吸器内科を再受診する必要はなく、入院ベッドが空いたら電話で連絡をくださることとなった。

 

それから自宅に戻り、妻に話すと彼女もホッとした様子だった。

 

患者は、家族によって支えられている。

 

つらい時も嬉しい時も、不安な時も、同じ思いを共有できる。

 

この日の夜、嫌な夢を見た。

 

霧の中にいる私が、何か黒い得体のしれないものに追いかけられている夢だ。

 

その黒いものは、通り過ぎると、植物も、動物も、すべて枯れた状態にしていた。

 

逃げても逃げても追いかけてきて、わぁーっと目が覚めた時に、夢だったと分かった。

 

恐ろしい夢。

 

もう、何回見たのだろうか?

 

がんになってから、頻繁にみるようになっていた。

 

気持ち的にそういう状態だというのもある、

 

しかし、体調が悪いから、それでそんな夢になるような気がする。

 

昼間は起きた状態で不安になり、

 

夜は夢の中で怖い体験をする。

 

命と向き合うということは、これほど過酷なのかと思う。

 

肺は相変わらず、ぜこぜこして、何かのどにつっかえているような息苦しさだ。

 

早く治療を始めてほしい。。

 

病院からの入院連絡が待ち遠しかった。