❏❏❏ 回顧録:2007年6月28日 東京・自宅

 

午前に慈恵医大病院・呼吸器内科を受診し「薬剤性の間質性肺炎」と診断された。

 

乾いた感じの咳は相変わらず出ている。

 

ケーン、ケーン、と言った感じの音で、痰が絡んだゴホゴホという咳とは明らかに音が違う。

 

病名を告げられ、ショックだった。

 

がんの治療中なのに、もう一つ病気が出てきたのだから。

 

取りあえず、この日の午後3時に予定していた東京医科歯科大学病院でのセカンドオピニオンは、電話してキャンセルした。

 

 

精神的にきつくて、とてもじゃないけど、セカンドオピニオンを聞ける状況になかった。

 

肺炎というと、風邪をこじらせた、あの肺炎を思い浮かべる。

 

でも、皆川先生の真剣な感じから、なんか嫌な感じがした。

 

だから、しっかりと調べた。

 

 

風邪をこじらせた肺炎と、間質性肺炎の大きな違いは、その原因だ。

 

風邪・インフルエンザなどの、細菌・ウイルスのものは、細菌やウイルスが気管支、そして肺に入り、炎症を起こす。

 

気管支だけで止まっていれば、気管支炎。

 

肺まで届いてしまうと、肺炎。

 

 

炎症を起こす範囲は「局所的」で、肺の一部が炎症を起こす。

 

 

しかし、この間質性肺炎は、「肺全体」が炎症を起こす。

 

とてもやっかいだ。

 

しかも、私が患った「薬剤性間質性肺炎」は、抗がん剤が身体の中に入ったために、免疫系等が崩れてしまい、

 

本来、自己防衛のためにある白血球などの免疫系が、なんと自分で自分の肺を攻撃するために起きる、そう説明された。

 

 

つまり、外敵(=菌・ウイルス)が入って起こるのではなく、

 

内部で自己発生的に起こる。

 

まるで、クーデターみたいな病気だ。

 

免疫系等が崩れて、発症する、、、、

 

それを読んだとき、ぞっとした。

 

 

だったら、どうすれば治るのか?

 

更に読みこんでいくと、「肺の線維化」が起き、肺線維症まで進むと、数ヵ月で死ぬとも書いてある。

 

数ヵ月で死ぬ病気なんて、聞いたことが無い。

 

武者震いがした。

 

「肺線維症」

 

更に聞いたことが無い病名だが、恐ろしいという事だけは解った。

 

この日は、それ以上のことは知りたくなくなり、家で横になっていた。

 

この1週間、自分の体の中で何かが起きている感じはしたが「これだったのか、、」そんな想いだった。

 

腑に落ちたが、ただ恐ろしいだけだった。