❏❏❏ 回顧録:2007年6月25日 東京・東京警察病院

 

初めてのセカンドオピニオン外来で、緊張していた。

 

私は妻と一緒に飯田橋の東京警察病院に向かった。

 

正直言って、名前を聞いたことがない病院だったので、不安だった。

 

調べると、各都道府県警察の関連団体が運営しているという。

 

それなら、私が知るわけもないと思った。

 

今は中野区にあるが、当時は飯田橋に古い建物としてあった。

 

ここは先述の通り、私のマラソン友達の妹さんが女医さんとして勤めている病院なので、彼女を通じて泌尿器科の部長さんと会えるという。

 

彼女は一般外科のお医者さん。

 

とても優しく、患者の私には心強い人だった。

 

行くと、お昼休み中で診察はしていないという。

 

携帯電話で連絡すると、上の階から降りてきてくれて、「いいの。いいの」といって泌尿器科に通してくれた。

 

そこには50代のすこし太ったお医者さんがいた。

 

「やあやあ、話は聞いているよ」

 

そう言ってくださり、ホッとした。

 

紹介状を渡すと、中のレターを広げて読み、その後、持ち運んだ10枚超の大きなレントゲンフィルムを壁の投影機に貼っていった。

 

うんうんとうなずく彼。

 

そのうんうんが何を意味するのか?私には解らないから少し不安になる。

 

一緒に同席してくれた彼女は、「個々の病院、(場所が)解り難かったでしょ」などと、何気ない話をして雰囲気を和らげてくれる。

 

やがて、太っちょのお医者さんは、こう言った。

 

「あのね、僕はね、手術を受けなくてもいいと思いますよ」

 

その瞬間、目の前がぱぁ~と明るくなった。

 

心から待っていた回答を、最初の病院のお医者さんが言ってくれた。

 

「先生、やはり、そう思われますか、、」そう切り出すと、

 

うんうんとうなずいて、

 

「手術をという病院の考えもわかるし、大久保さんの手術しなくても良いんじゃないかというのも良く解ります。僕は、取りあえず、治療は終了して経過観察でも良いと思うんだ」

 

思わず、ほろっと涙がこぼれた。

 

この5カ月間、緊張して治療を受け続けてきた。

 

それが、ここで一旦、治療終了でいいと言われ、

 

あまりにも意外な、嬉しいことを言われ、泣けた。

 

女医さんは「良かったですね~」一緒に喜んでくれる。

 

これで、俺の、がん治療が終わる。

 

頭の中で、何回もエコーしていて、、、

 

最高の一日になった。