❏❏❏ 回顧録:2007年6月4日 東京・慈恵医大病院

 

第3クール14日目(Day-14)

 

月曜日になり、病院は再び営業開始だ。

 

私は、自宅から妻の運転する車で慈恵医大に行った。

 

採血をされた。

 

元気度85点、手はむくみ、相変わらず右目の充血がひどい。

 

体温36.4℃。

 

いたって普通の人に思える。

 

ただ、外見は人工的に抗がん剤で髪の毛が抜けた「ハゲ頭のがん患者」だ。

 

眉毛も抜けているので、まるで、昔のツッパリみたいな人相だ。

 

採血を終え、この日はそれだけ。

 

既にお昼過ぎだった。

 

再び、妻に来てもらい、車でホテルの中華料理屋に行った。

 

いつもの「牛ひき肉かけごはん」を注文。

 

相変わらず美味しい。

 

明日は、いよいよ最後の最後、ブレオマイシン(抗がん剤)の投与日だ。

 

ようやくここまで来た、という思いと、

 

この後、何が起こるのか?不安な気持ちがあった。

 

私の場合、取りあえず3クールの抗がん剤治療を行う、それだけを言われてここまで来た。

 

1クールは21日間だから、まだ、1週間残っている。

 

しかし、明日が最後の抗がん剤治療で、実質、それで決着がつく。

 

「もう、これで全てのがん治療は終わりです」

 

そう言われることを信じて、ここまで頑張ってきた。

 

そんなことを思い出しながら翌日の抗がん剤治療に緊張していた。