❏❏❏ 回顧録:2007年6月3日 東京・慈恵医大病院
第3クール13日目(Day-13)
6月の第1週日曜日、暑い日だった。
日曜日にも拘らず、私は病院へ行った。
例によって「ノイアップ」注射を受けるためだ。
私は入院病棟にいくのだが、興味で外来を覗いてみた。
電気がついていない暗いロビーは怖い感じだった。
休日の会社って、何となく怖い。
いつもと違い、みんないなくて、向こうのほうに誰か座っている感じがするけど、できるなら私に気づかれたくない、そんな感じだ。
休日の病院も同じで、誰もいないなか、電気のついている場所もある。
救急外来のあたり。
あそこに休みは無い、そんな感じだった。
病棟の17階に上がると、ナースステーションに讃岐先生がいた。
今日が当直だという。
お願いして注射を打ってもらった。
「大久保さん、今日は痛くない注射をしましょう」
そう言って、私のひじの裏側のしわしわの部分をつまんだ。
触られても痛くない場所だ。
そこに注射。
確かに全然、痛くない。
ここはあまり神経が通っていないので、痛くないんです、そう説明された。
結局皮下注射なので、どこに打っても良いんです、そういう説明だった。
医師と仲良くなるというのはこういうことなのかな、と感じた。
6月、暑い日。
病院以外は外出を控えた。
手がむくみ、疲れやすい。
体調は悪くないが、白血球、血小板、共に少なく、抵抗力がない。
がん治療中の身だ、そう思いだし、安静にしていた。