❏❏❏ 回顧録:2007年5月27日 東京・慈恵医大病院
第3クール6日目(Day-6)
この日、当直だった讃岐先生が私の病室に来た。
彼とは何かと馬が合うし、仲が良かった。
讃岐先生は、外資系証券の残酷物語とか、留学の話しとか好きだったので、私の部屋に時々、遊びに来てくれた。
しかし、この日は、気軽にオペの予定日を伝えに来た。
「オペ」、、、
彼は、軽く頭出ししたかのようだったが、私は、敏感に反応した。
これ以上、手術なんて受けたくない、絶対に。
その為に抗がん剤治療をがんばっているんだし、
その後あり得る「後腹膜リンパ節郭清」を、私が最も怖がっている手術だ。
冗談でも冗談にならない。
当時は知らなかったが、若いドクターは、患者の手術の予定を、先回りして組んでいる。
なぜなら、大掛かりな手術になると、医者が3人以上必要になる。
専門的な看護師も必要だ。
だから、医療スタッフが整う日時を、事前に予約して、準備する、そんなことを若いドクターたちはしている。
恐らく、讃岐先生にすると、ベストのチームを私のために組んであげたかったのだろう。
それが順調にできているのが嬉しくて伝えたのだろうが、
一方の私は手術拒否派だ。
これが、後々、大問題になっていく。